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動く島は文字通り動いている島だった。風魔法を使って海の上で歩いて付近まで来たけど巨大な亀の頭と手足と尻尾の付いた島が口を開けて他の島を食っている。もう動く島というより動く大陸でよくない?
精霊と一緒に動く島の真上まで飛んで精霊共鳴、身体強化して威力最大の複合魔法を使ってみる。
「様子見だ!くらえ!」
思いっ切り放った光属性の魔法は島に直撃し、上にあった山を20座程盆地に変えた。向こうも突然の攻撃に怒り狂い思いっ切り叫んで後姿こっちに向かって口からマグマを吐いてきた。攻撃吸収の魔法で力を全て自分の物にしようとしたが吸収しきれずに私に弾かれたマグマが周りの海に落ちて幾つもの小さな島になった。
正攻法は無理そうだな。さっきの魔法は確かに予想以上の威力を発揮したが島のサイズがでかすぎる。目や口を狙って倒そう。
再びマグマを吹き出そうとした島の口に魔法を打つと苦しそうにジタバタしだした。
上空にいた私は姿を消して島の後ろに自分の幻を作った。亀の頭が後ろを振り返るのと合わせて振り返る方向に魔法を撃って亀の頭を島に埋め込ませた。島はそのまま沈んでいった。
「一匹目から結構大変だったね。」
「頭がなかったらどうすればいいのか分からなかったな。」
「鑑定し忘れちゃったね。」
「あれ?なんか浮かび上がって来てないか?」
千切れた亀の頭が浮かび上がって来た。
「「「「「…」」」」」
まず鑑定しよう
名称:亀島(または動く島)
HP:0/90000000
MP:851420/1200000
攻撃力:30000000
魔力:50000000
防御力:90000000
素早さ:200
魔法:なし
スキル:マグマカノン、島喰い
称号:三大モンスターの頂点の一角、島喰らい
詳細:10年に一回世界に現れるモンスター、寿命は7年しかないが毎年被害が甚大で過去に無数の王国を食いつくしてきた。最後に動く島を倒した者は500年前ユルギナ王国の英雄イリナだった。
…イリナって理事長と同じ名前だよね?
「とりあえずアイテムバッグに仕舞っておこう。」
「出来るのか?」
「試してみる。」
亀の頭を触れて仕舞うように念じたらまじで仕舞えた。アイテムボックスって思った以上に使えるかも。




