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002 天秤の塔の攻略者

初投稿です。拙い文章ですが、よろしくお願い致します。

9/9 一話割込み投稿の為改稿

 暗く沈む静寂の中。弾けるような音が、水面で波紋が広がるように周囲へと木霊した。


 何処までも伸びる音の反響が、黒に染まったその場に一定量の広さがあることをうかがわせる。


光陣こうじん!」


 不意に言葉が発せられた。


 すると、暗闇の底から小さく膨らんだ光が、周囲を覆っていた黒色を追い払いその場をまばゆい白へと染め上げた。


 輝く光が収束し、辺りに色と形を取り戻させる。


 そこはつやのある硬質な石で覆われた広大な空洞であった。いや、中央に羽の生えた天使をした石造がまつられ、柱の一本一本に見慣れぬ文様が描かれ、高い天井には七色のガラス細工が施されていることから、そこが神聖な場所であることを(うかがわせる。


 何者かをまつった聖堂。そう表現するのが相応しいのだろう。


 その聖堂が息遣い一つ聞こえてこない静けさを保っていた。


 静寂の中、かすかな声が漏れた。


 見れば黒髪の冒険者が一人、なにがおかしいのか肩を揺らしながら笑いを堪えている。


 薄汚れた皮鎧。背には身の丈程の大剣。羽織ったマントは所々がほつれ、赤黒いなにかが付着していた。


「くく、辿り着いたぞ」


 男の呟きが聖堂の中で小さく響いた。


 黒髪の冒険者―――カインは込み上げる笑いを堪えつつも注意深げに周囲を見渡し、静寂に沈むその場所が目的地であることを改めて確認する。


 そして、その場所が目的地―――ミリアム大聖堂だと確信すると、終には堪えきれなくなり声を上げて笑うのだった。


 静寂が支配する聖堂の中で、カインの笑い声だけが周囲へと響き渡った。




 数年前。


 一人の少女との邂逅かいこうを果たしたカインは、英雄になることを心に誓った。


 そして、自身に課した誓いを果たす為、思い出の詰まる故郷を捨て、己を鍛え、剣を学び、知識を蓄え、強くなることを貧欲に求めた。


 冒険者ギルドへと足を運び、冒険者となり様々な依頼をこなし十分な経験を積み上げていった。


 冒険者としてのランクもBクラスへと上がり、それなりの実力を有して来たカイン。しかし、終には壁に当たってしまった。


 強さの到達点。人の身の限界。


 どんなに肉体を鍛え続けようと、どんなに技術を研ぎ澄ませようと、才能という力の前には遠く及ばない。


 たった一人で千の兵士を相手取る英雄たち。


 その圧倒的な力を、地道に研鑽けんさんを積み重ねることだけで手に出来るとは、とてもではないが思えなかったのだ。


 そこで、カインは一つの手段に目を付けた。


 神の祝福『ギフト』。


 その恩恵がもたらすものは、計り知れない。


 一騎当千、最強の騎士とうたわれたベイン・オクトー。未来をも見通したとされる大賢者、ベルガモット・アービン。人々を癒し先導した聖女、アーマイン。


 歴史に名を刻み、英雄と称された人々が等しく持つとされる特異な力。それが、神ミリアムによってもたらされる祝福、『ギフト』なのである。


 このギフトを得ることにより、カインは人の枠を超えた力を手に入れようとこころみた。


 しかし、祝福を得ることは容易ではない。


 場所を選ばず突如として出現する『天秤の塔』。


 ギフトはその『天秤の塔』の最深部に位置する『ミリアム大聖堂』へ辿り着いた、ただ一人にのみ贈られるとされているからだ。


 故に、塔の攻略は苛烈かれつを極める。


 塔の真下には巨大な迷宮が出現し、その階層は二十七にも及ぶ。

 踏破とうはする為には幾重いくえにも張り巡らされた罠を越え、階が下がるほど強力になる魔物たちを相手にし、場合によっては数十日以上の日数がかかる。


 その塔の攻略に冒険者、ギルド、国に至るまで様々な組織に属する者達が、名乗りを上げて果敢に挑んでいく為、罠や魔物だけではなく他者からの妨害や殺し合いにまで発展するいさかいも度々起こるのである。


 だが、その困難な道のりを、紆余曲折を得ながらもなんとか勝ち抜き、カインは目的通り一番乗りでミリアム大聖堂へと辿り着くことが出来たのだった。



 カインが祭壇へ歩を進めると、周囲の燭台しょくだいに青白い炎が灯り、天井から細い糸のような光が壇上に降り立った。


 その光は徐々に広がっていくと、人が一人収まるほどの円へと大きさを変える。

 そして、光が収束し人型を形成すると、その輝きをまとったままで美しい女性の姿へと形を変えた。


 神々しいほどの存在感を宿した光り輝く女性は、柔らかな笑みを浮かべた。


「我が名はメルリル。主神ミリアム様にお仕えする階位第三天使です。ミリアム大聖堂へようこそいらっしゃいました、人の子よ。さあ、共に主への祈りを捧げましょう」


 まばゆい光に包まれたメルリルと名乗る天使が、かなでるような声音で囁いた。


 その姿を目にして、カインは形ばかりの雑な様子で片膝を着き、両手を組んで祈るような仕草をした。片目でちらちらと周囲を見渡しながら。


 祈ること数分。話が進む様子もなく、沈黙のまま祈りを捧げ続けるメルリルと名乗った天使の様子に、徐々に耐えかねてきたカインが口を開いた。


「……天使メルリル。神ミリアム様はどちらに?」


 その問いかけに、ゆっくりと瞳を開いたメルリルは、変わらぬ穏やかな表情でほほ笑む。


「主はいつでも我らの心の中にいらっしゃいます」


 そういうことを聞いているのではない。カインは内心で舌打ちをした。


 苦労を重ね、金も命も賭けて辿り着いたこの場所へ、無償の祈りを捧げに来たわけではないのである。自身の願いを叶える為に、必要なギフトを得る為にやって来たのだ。


 そのギフトを与えてくれる筈のミリアムが登場しないというのは聞いている話と違うのではないだろうか。


「ここは天秤の塔最深部。ミリアム大聖堂……ですよね?」


「はい。その通りです」


「ミリアム様が顕現けんげんすると聞いてきたのですが……」


「主はお忙しい身ですから、人界に顕現けんげんされることは滅多にありませんよ」


 メルリルの的を射ない解答に、カインは眉をひそめた。


「……そうなるとギフトはどなたから? 天使メルリルから頂けると?」


 らちが明かないと思い、カインは遠回しな聞き方を止め直接的な言葉で問いかけると、なぜかメルリルは眉をヒクつかせ、露骨に嫌そうな顔をした。


「……と言いますと?」


「え?」

「はい?」


 二人の間になんとも噛み合わない空気が漂う。


「いや、神の祝福……ギフトを授かるにはどうしたら良いのかという質問なのですが?」


 カインがその問いを投げかけると、チッという舌打ちと共に、メルリルが放つ輝きが幾分くすんだように見えた。


 その様子に、カインは目をまたたいて見間違いかと、我が目を疑った。


「あー、ギフト……ギフトですか……」


 取りつくろうようにそう呟くとメルリルは瞳を閉じ、しばし考えるように沈黙した。そして、数秒ほど思考を巡らせると、ゆっくりと閉じた瞳を見開いて、先ほど同様の眩しいほど爽やかな笑顔を向けて言った。


「そんなものはありません」


「詐欺だ!」


 キッパリと言い放たれた言葉に、カインは脊髄反射でそう叫んでいた。


 それはそうだろう。過去ミリアム大聖堂へと辿り着いた者たちは、例外なくギフトを得ている。そしてそれは、噂や伝承などではなく、現存する天秤の塔の攻略者たちの口から語られているのだから。


 事実、世に知られている天秤の塔の攻略者たちの中に、ギフトを扱えない者はいない。


 それ故に、天秤の塔を攻略した者にギフトが贈られない。などという可能性を考える者は皆無なのである。


 天使によってキッパリと断言されてしまった事実に、怒気を荒げて叫んでしまう気持ちもわかなくはないのだ。


「神の使いに向かってずいぶん失礼な事を言いますね」


「あたり前だ! わざわざこんな大迷宮を出現させて、祈らせるだけでなにもなしとか正気かよ!」


「べ、別になにも与えないとは言っていませんよ! ギフトは与えられないというだけです。神には神の事情があるのです!」


「なにっ?」


 何かをくれるというメルリルの言葉に、カインは今にも飛び掛かからんばかりに強張っていた全身の力をスッと弛緩しかんさせた。


いやしい反応ですね…………」


「信仰心だけでこんな大迷宮に来るわけないだろう?」


「……はぁ。まあ、それもそうですね」


 そう言ってメルリルが肩をすくめる。


「で? なにをくれるんだ?」


「そうですね。とある人物の所有権を貴方に与えます」


 言われた瞬間、カインは頭をポリポリと掻いて、大きな溜息を吐いた。


「ちっ、いらない!」


「なっ! なぜですか!」


「いや、そんなモノを求めてこの場所へ来たわけじゃないからな……」


「で、ではなにを求めてこの場へ来たというのです!?」


「世界最強の力だ!」


 カインがそう言い放つと、メルリルはジトっとした目を向けた。そして、聞き方を誤ったと後悔した。


「世界最強の力だ!」


「二度も叫ばずとも聞こえています。ですが、その願いは聞き届けられません」


「なぜだ!」


「先もお伝えしましたが、ギフトを与えることは出来ないからです」


「塔の攻略者たちが、ミリアム大聖堂において、ギフトを授かったという話は眉唾だとでも?」


「その時担当した天使は、そのようなギフトを与えたのでしょうね。ですが、今回はありません」


「チェンジで! 今すぐ別の天使にチェンジをしてくれ!」


「で、できません!!」


「……ぐ」


 そういわれカインは言い返す言葉を失い黙ってしまう。これまでしてきた苦労の記憶が脳内を繰り返し巡り、絶望感でガックリと膝を折り、両腕を地に付け項垂れた。


 その余りにも悲惨な姿にメルリルも流石に哀れに感じたのか、慌てて言葉を足す。


「で、ですが、そうですね。なにもなしというのも信仰心に係わりますし、小さなお願いごとぐらいでしたら……」


「なら、世界最強の男にしてくれ!」


「ですから、それは出来かねます! せめてお料理が上手に作れるようになったりですとか、絵が上手くなったりとかそういう……」


 メルリルの話の途中で、カインは再びガックリと項垂れた。


「おまけに美人なお嫁さんとか付けますよ? お勧めですよ」


「そんなことは、どうでもいい」


「なっ! そんなこととはなんですか! 才能というのはとても価値のあるものなのですよ! それにいまならなんと絶世の美女まで付いてくるのですよ! お買い得で…………はぁ」


 絶望感に死んだ魚のような目になったカインをみて、メルリルは言葉の途中でため息を吐いた。


「……くそっ、世界最強の力を手に入れて英雄になるはずだったのに」


 その呟きにメルリルは心中で再びため息を吐いた。居るのだ、こういう人間が。ろくな信仰心も持たず、自身が周囲から賞賛され畏怖いふされることに愉悦ゆえつを得る類の人間。努力の方向性を誤り、支払うもの以上の対価を求める強欲な者たちが。


 とはいえ、過去に天秤の塔が出現した際、それら強欲な人間たちに求める祝福を与えてきたことは実のところ間違ってはいなかった。鋼のように固く岩をも砕く肉体。あらゆる魔術を扱える肉体と知識。死者さえも蘇らせる癒しの力。人の身に余るほどの力は、その者たちを英雄と言わしめ、天秤の塔と主神ミリアムの名を世に広く知れ渡らせたこともまた事実である。


 神徒であるメルリルとしては、例え気に入らない人間であったとしても、主の名に傷をつけぬよう、そのろくでもない願いを叶えてやることは、不本意ながらもやぶさかではない。ただ、遺憾いかんではあるが、今はないのだ。願いを叶えるために必要なだけの神気が。


 メルリルは今現在、とある事情から、神気の大半を失ってしまっている。そんな最中、主神であるミリアムから天秤の塔での使命を与えられている状態だった。


 使命自体はそれほど難解なものではない。ただ、ミリアム大聖堂へやってきたモノへ、神の祝福だとかなんとか上手いこと言って、目的のモノを渡せばいい。それだけだった。


 しかし、本来祈りを捧げたのち、あるモノを押し付けさえしてしまえば終わるはずのことが、直接ギフトという言葉で言及されてしまうと非常にやりにくい。


 神は人に対して、嘘を付かない。


 その厳格な決まり事は、天使であるメルリルとて適用される。ギフトを渡すと約束すれば、ギフトを渡さなければならないし、なんでもとすると言ってしまえば、それこそなんでもしなくてはならなくなる。そして、厄介なことに今回は渡さなければならないモノがあるのだ。ただ押し付ければ良いわけではない。所有権を譲渡じょうとする為、相手が受け入れた状態で渡さなければならないのだ。


 そんな神の事情も知らずに、項垂れ続けるカインに、メルリルは若干の苛立ちを覚えた。


(ああ、もう、面倒くさいな。神の事情も知らずに勝手なことばっかり言って。項垂れるくらいなら、キッパリじゃあいいですって言って帰ってくれないかな。それなら、次の攻略者に譲渡じょうとしてお仕事終わりなのに! 出来ないものは出来ないのだから仕方ないじゃない。だいたいなによ。小さなお願いだって言っているのに、世界最強の男にしてくれ? その願いのどの辺をうまいこと解釈したら小さくなるのかしら? ないわー。マジないわー。一人の人間に相応の力を与えるのにどれだけの神気が必要だと思っているのかしら。だいたい曖昧なのよ。世界最強ってなに? 神より強いってこと? むりむり。普通に考えて一天使に叶えられる願いじゃないでしょう? 物理的にも神理的にも無理があるのがわからないかなー。世界最強なんていう都合の良い…………ん? 都合の良い?)


 そこまで考えてメルリルはハッと我に返った。


 眉間にできた皺がスッと消えて無くなり、先ほどまでの神々しい輝きを取り戻し、優しい笑みを浮かべる。


「わかりました。あなたの願いを叶えましょう」


「なに? 叶えてくれるのか?」


 カインの問い掛けに、メルリルは口元に指をあてて、『特別ですよ』とにこやかに笑う。


「今一度確認致します。あなたの願いは、世界最強の力を(・・・・・・・)手に入れる(・・・・・)。とのことで宜しいですか?」


「そうだ!」


「お間違えはありませんね?」


 執拗しつように念を押すメルリルに対し、カインは大きく頷いた。


「ああ! それで間違いない!」


「そうですか。では、あなたにギフトを授けます」


 言うとメルリルがかざした右手から淡い光が溢れ出し、粉雪のようにカインへと降り注いだ。


 光の粒がカインの体に吸い込まれるように消えていくと、体の中がぽかぽかと温かいもので満たされていくようだった。


 光が消えさると、カインは自分の体を確かめるよう触る。


「実感がないが、これで俺は世界最強になったのか?」


「いいえ。世界最強にはなっていませんよ」


「は? それはどういう……」


「いま、あなたに与えたギフトは力を扱う為に必要な力です」


「扱う為の力?」


「そうです。そして、あなたに与えるモノはこちらです」


 ジャジャーンと言わんばかりにメルリルが右手をかざすと、そこに神気で描かれた魔方陣が出現し青白い光を放った。


 魔方陣がほんの一瞬、強い光を放つ。そして、光が収まると、そこにはフードを深く被った一人の人物が立っていた。


「さあ、手を」


 そう言ってメルリルはカインに手を差し出す。


 カインはあっけに取られ、言われるがままメルリルの手に自分の手を重ねた。


「これより、あなたに所有権を譲渡じょうと致します。宜しいですか?」


「え? ああ」


 困惑しながらもカインが答えると、優しい熱がメルリルからカインへと移動する。とそこで、カインはどういうことだと疑問符を浮かべ、浮かれた頭がわずかに冷静になる。そして、思考を巡らせ直ぐにあることに疑問を抱いた。


 メルリルは、ギフトは渡せないと言った。だが、直ぐに態度を変えてカインの無茶苦茶な願いを叶えると言い出したのだ。その急な態度の変化自体はどうでもよかった。天使が何を考え行動しようと、結果としてカインの願いが叶うのであれば、些末さまつな問題である。だが、メルリルが最初に言い出した、『とある人物の所有権を貴方に与える』という言葉に引っ掛かりを覚える。


 カインが授かったと思われるギフトで、最強の力を得てはいないらしい。そして、最強の力というのが、このフードを深く被った人物で、その人物をカインは与えられたわけだ。


 つまり、結果として、メルリルが最初に言った『とある人物の所有権を貴方に与える』という内容がそのままカインの願いとして叶えられただけなのではないだろうか?


 そんな疑念が渦巻き、カインは言及しようとする。


「……なあ」


「さあっ! 願いも叶ったことですし! そろそろ地上へお送り致しますね!」


 カインの言葉に被せるようにメルリルは捲し立てた。


「ちょ、まてっ! 話はまだ―――」


 カインが発した言葉が終わらぬ内に、カインの周囲を魔方陣が覆い、眩しいほどの光が周囲を包み込んだ。


「信仰心(あつ)き人の子よ。あなたにミリアム様の加護があらんことを」


 メルリルの性急な行動で、カインの疑問は確信へと変わった。


「―――まてっ! てめっ! 騙したな! 嘘つき天使が!」


「なっ! 天使に向かってなんてことを言うのですか!」


 周囲を光が覆いつくす。メルリルがなにか言い訳のように叫んでいる言葉も、カインが悪態をついているその姿も、全てが眩い光に包まれた。


 その日、コルネリア領の南部では季節外れの雪が舞った。いや、それは粉雪のような輝く光の粒だった。


 天空を突き刺すようにそびえ立った天秤の塔から、羽のように柔らかく降り注ぐ光の粒。


 ある者は、行軍する馬上から。ある者は、波にゆられる船の上から。ある者は森海でひと際高く伸びた巨大木の上から。視界の開けた小さな村の一角から。覗き込むように窓辺の端から。そして、ある者は、その光の粒子が発せられる地下にある大迷宮から。


 ただ、無言のままに見つめていた。


 雪のように降り注ぐ光の粒が何を示しているのか。その光を見つめる人々は沈黙のまま理解していた。


 天秤の塔の最深部。ミリアム大聖堂へ辿り着いた者。攻略者が現れたのだと。


 突如として現れた天秤の塔は光の粒子を周囲へ振りまくと、現れた時と同様に忽然こつぜんとその姿を消していた。


 塔が出現して、わずか十日あまりの出来事であった。

読んで頂き、ありがとう御座います。

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