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魔族の王様  作者: 藤堂高虎
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要塞都市ガルガンチュア魔国


「全ての門を閉じろ!!!魔族が攻めてきた!!」


「今すぐ城へ行きこの事を伝えろ!」


正々堂々と正面からやって来た魔人2人は要塞都市、三大門の1つである大門を突破した。ガルガンチュアは3つの門を設置し、街までの道を武装壁で挟み侵入者を確実に殺す設計が施されているのだ。かつて第一次人魔戦争で数えきれない程の魔族と魔獣が攻めて来た時にはこの第一の門、大門で全てを抑え切った功績を持つ


が、たった2人の魔族により大門を破壊され突破されてしまった


「国王様!至急お伝えしなければならない事が」


「これこれ、王様は今チェスをしていらっしゃるのだ。後にせよ」


国王の側近が駆け込んで来た兵士を追い出そうとする


「魔族が、男と女の魔人2人がこのガルガンチュアへ攻めて参りました!!!」


広間が静まり返る


「だから何だと言うのかね?」


王様は兵士を呆れるように見ながら問う


第一次人魔戦争から一度も堕とされたことのない要塞都市に君臨する王は事の重大さに気付けない


「それで、その魔族は討ち取ったのか?生け捕りにしたのか?女魔人は良いモノを持っておる。出来るなら生け捕ーー」


「大門を突破されたのです!!!」


「「「「「「何だと!!!」」」」」」


国王と貴族は想像もしていなかった言葉を聞き一斉に立ち上がると兵士に全戦力を門に向かわせるように指示を出した


「ま、まさかこのガルガンチュアが…」


「落ち着いてください国王陛下、たかだか魔人2人、それに運良く勇者様が2人この都市にいらっしゃいますので、女魔人の生け捕りは諦めるしかないでしょうが」


王と貴族達は勇者が2人もいる事を聞き安心する



「中門、突破され…」

「だ、だれか…魔人では無い…魔王とつた…」


王子とデインヒルは難なく第二の門まで突破した


「拍子抜けですね。200年前はどうして攻め落とせなかったのか不思議です」


「今のお前にはオレの魔力も流れている。だからだ」


デインヒルは自分の新しい力を確かめるように武装壁から飛んでくる攻撃や攻撃してくる人間を刃旋風で切り刻んでいく


「陛下の魔力が…私などには勿体無い」


「オレの覇戒は…説明は、また後だな。勇者が来たようだ」


巨大な斧と豪華な装飾が施された弓を持った勇者2人が第三の門から出てきていた


「森での作戦は失敗に終わったのかな?」

「知らなーい、面倒だからササっと終わらせよ」


「お前ら、名は?」


王子が勇者の名を聞く。理由は言わずもがな


「殲斧の勇者、花島真琴だ」

「勇者〜大塚智美だよ〜」


ニヤッと笑った王子は右手を勇者に向け

「また会おう」


と一言、言い放ち衝撃波で勇者を壁に叩きつけその2つの命を一瞬で奪い去った


「デインヒル、ここに新しい魔族の国を作る。強い国を作る知恵を貸してくれ」


「もちろんです。プランもいくつか用意しているので、まずは城へ行き国王の身体を周辺国家に送り付けましょう」


恐ろしい事を言っているがデインヒルは本気でやるつもりだった。魔族である魔人は残虐非道で人間を無慈悲に殺す、と言うわけでは無い。彼等は魔力や見た目は違えど普通の人族であり、考え方も人間と変わらないのだ。ただ少し人間と見た目が違う、根本的にはそれだけの理由で人と魔人は昔から戦争になっていたのだ



魔王とデインヒルは逃げ惑う人々には目もくれずに王城へと直行した


「き、きさまら!こんな事をして生きていられると思うなよ!魔族はもう滅び行く種族なのだぞ!」


ーーザッ、ドサ


話しをする事もなくガルガンチュア王国の国王はその命を首と共に落とした


「五月蝿い虫でしたね。陛下、この国にはかなりの数の魔族が奴隷としているようです」


そこら中に広がる書類の中から奴隷登録と書いてある書類を拾い上げるとデインヒルが目を細める


「今すぐにオレたちの家族を取り返そう。それと〝それ〟の処分はお前に任せるぞ」


デインヒルは肉の塊になった国王の体をバラバラにした後部屋の隅にまとめた


魔王とデインヒルはすぐさまガルガンチュアに囚われている魔人を王城へと集めた。その人数は150人にもなり、皆が翼をもがれたり目を潰されたり見るも無残な姿だった


「我が家族等よ、20年の間も待たせて済まなかった。これより人間共へ復讐を始める。力を貸してくれるな」


魔人の誰1人返事をしなかった


心も体もボロボロか…


魔王は集められた魔族達に向かって両手を広げると自らの破戒を発動させる


それは一瞬にしてボロボロだった魔族の体を癒す


「体を癒すことは造作もない。だが、心はどうしようもない。オレが支配して操ることは可能ではあるが、お前達が自らの意思で戦いたいと思うなら立ち上がってくれ。我が家族よ、共に人間を滅ぼそう!」


魔王の力を理解した魔族は一斉に立ち上がり歓声の声をあげた


「オレはこのガルガンチュア王国をそのまま魔族の国へと変える。そしてまだ生き延びている家族を集め人間を滅ぼす!人間が付けた名前をそのまま使うのは気が進まないが、この国を今よりガルガンチュア魔国と名付け人間への宣戦布告とする!」


これがこの世界が滅びる、7日前の話しである

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