表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/291

第89話 クランへの依頼

お風呂からあがった僕達はメイドさんが用意してくれていた冷たいお茶を飲みながら今後の事を話し始める。


「それで、マイン君は今何が出来るの?」


アイシャの一言から、神殿で神様からスキルを授かった時の事から順番に話をしていく。


ルーカスに戻る時の馬車の中で盗賊を見つけた事。

そこで初めて、スキルを切り貼りした事、オークを倒した事、錬金術でポーションを作った事。


そして、ギルドで受けたスライム討伐で【獲得経験十倍】という特殊なスキルを得た事。

更に鑑定によって、レベルや熟練度という概念がこの世に実は存在していた事。


そして鑑定のレベルが上がれば種族スキルのような、まだ隠された能力を確認出来る様になる事。


また、オーク・キングとの戦いで非常に強力な三つのスキルを手に入れた事。

すなわち【王の威圧】【リアライズ】【固有魔法・時空】である。


恐らく各種族の上位種はこのような強力なスキルを持っているだろうとフェンリル様が言ってた事。


……ざっと、そんな事を一気に説明をしていった。


「それでね、明日にでも僕達四人でスライムを狩りにいかない?」


「……うん、どうしてだ?」


僕の提案にシルフィが首を傾げる。

まあ、僕が考えている事は、普通はぱっとは思いつかないよね。


「【獲得経験十倍】のスキルを探して、アイシャとシルフィ、そしてわっふるに貼り付けるんだ。

 まあ、スライム・エクスペリエンスを三匹探し出すのに相当な時間が掛かると思うんだけど……」


僕の提案を聞いてシルフィとアイシャが共に固まる。


「……そうか、そう言う事か……旦那様のスキル……思っていた以上に凄まじいな。

 旦那様だけに恩恵があるわけでは無く、周りの人間も強化出来ると言う事なのか……」


そもそもスキルを切り貼りするという概念が彼女達だけでは無くこの世界の人間達には存在しない。

こうやって言われれば納得もするし、理解も出来るのは当然だが、この考えには中々至らないようだ。


「あ、そうだ!丁度いいや」


イメージが湧きやすいように、二人に早速余っているスキルを貼り付ける。


急に声を上げ、すっと立ち上がり、机の上の収納袋を取りに行った僕の姿を二人は首を傾げて見ている。


わっふるは自分が既に経験しているので、その様子をわくわくと尻尾を振って見学している。

……ちなみに今はシルフィの頭の上に乗っている。


シルフィも妙に喜んでいるから問題無いんだろうけど、わっふる?君が今乗ってる人は王族なんだよ?わかってる?

僕が心の中でそう思っていると、そんなの関係無いとばかりにシルフィの頭をぺしぺしと叩いている。


はあ、わっふるは取りあえず放っておこう……。


収納袋から僕が取り出したのは【豪腕】と【腕力強化】の小石が二つずつ。

それを早速二人に貼り付けた。


更に僕自身が使っていないスキル【武技:サクセスィブショット】をアイシャに。

【武技:シャープネス・ソード】をシルフィに貼り付けた。


「今、二人に【豪腕】と【腕力強化】のスキルを貼り付けたよ。

 あとそれに追加で、アイシャには弓の武技、シルフィには片手剣の武技を貼り付けた」


僕がそう言うと二人とも「え?」と言う表情を見せるが、すぐに【豪腕】と【腕力強化】を使ってみたようだ。

スキルを使用した際の発光現象が二人の体から起こったのが分かった。


「「!!!!」」


うわ~、二人とも予想以上に驚いてるよ……。

だけど、流石は二人とも二つ名を持っているだけあって、適合が早いね。


腕を振り回したり、軽く拳を突き出したりしてスキルの効果を確認してるみたいだ。


「旦那様、ちょっとわっふるを頼む」


シルフィはそう言って僕の頭の上にわっふるを移し替える。

何故、わざわざ僕の頭の上に乗せるの??


「わふ~」


いや、わふ~じゃないから!

そう突っ込みたいのを必死に我慢して、わっふるの肉球をぷにぷにしながら再び二人の様子を見守る事にする。


「……なるほど、これは確かにトンでもない力だな」


「全くです、これなら私の弓でもオーク程度なら瞬殺出来そうですね」


流石に武技は部屋の中では試せないからね。

明日以降に試して貰う事になるのかな?


「マイン君、武技の名前を教えてくれないかな?名前が分からないと発動出来ないよ」


アイシャの突っ込みを受け、確かにそうだと納得する。


「弓の武技が【武技:サクセスィブショット】、片手剣の武技が【武技:シャープネス・ソード】って言うんだ。明日、スライム倒しがてら、試してみようね!」


二人とも武技の名前を小声で復唱しているようだ。


それぞれ、たった三つのスキルを貼り付けただけだが、劇的に強くなったと思う。

これからは迷宮や森なんかに通って彼女達のスキルも集める事にしようと思う。


「……ふむ、これなら父上から我々のクランへの依頼……本当に達成出来るかもしれんな」


ん、依頼?そう言えばそんな事を言ってたよね。

国王様からの依頼って言うだけで、大変そうではあるけれど……。


「国王様からの依頼ってなに?」


「……実は王都の近郊、神霊の森の正反対の方向に……迷宮(ダンジョン)が見つかった。

 今まで無かった場所に忽然と現れたんだ」


迷宮(ダンジョン)!?この前の力の迷宮(ダンジョン)みたいなヤツか!


「まだ、出現して間もないから、父上としては、さっさと攻略して潰したいみたいなんだ。

 何せ王都からそれ程、離れていない場所だからな、物騒な事が起こっては不味い」


なるほど”迷宮(ダンジョン)の攻略”それが国王様のクランへの依頼という事だね。

確かに、僕等なら攻略出来るかもしれないよね。


わっふるも戦力として大いに期待出来るし!


結婚式が終わってクランが正式に稼働しはじめてから依頼開始となるらしい。

うん、それまでに色々と戦力を整えておかないとね!




名前:アイシャ・ローレル

LV:43

種族:ヒューム

性別:女

年齢:26歳

職業:弓術師


【スキル】

魔法・回復大Lv4

弓術・聖Lv3

料理Lv7 (6→7) LevelUp!

豪腕 new!

腕力強化 new!

武技:サクセスィブショット new!




名前:シルフィード・オーガスタ

種族:ヒューム

LV:28

性別:女

年齢:19歳

職業:オーガスタ王国第一王女


【スキル】

片手剣・極

身体強化・大

気品

豪腕 new!

腕力強化 new!

武技:シャープネス・ソード new!


何時もお読み頂きありがとうございました。

今後とも宜しくお願いします。



【改稿】


2016/12/16 

・アイシャのレベル表記を修正。

2016/12/17

・武技の名称を修正。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ