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第82話 アドルの戦い(1)

名前:ブラックドラゴン

LV:96

種族:竜種

性別:♂


【スキル】

テラーバイト

ホリブルロア


【アビリティ】

火炎弾

飛翔



ああ、やっぱりトンでもないや……。

特にこの二つが飛び抜けて酷い。



【テラーバイト】:攻撃した相手に大ダメージ、一定の確率で恐慌状態を付与。


【ホリブルロア】:対象者の強化を全解除。



うん、取りあえず後で返せばいいや。

奪っちゃおう。


取りあえず【テラーバイト】【リブラロア】【火炎弾】を【カット】

そしてそれをわっふるに【ペースト】する。


『おれ、つよくなったー!』


飛翔を奪うとひょっとしたら飛べなくなって、落下しちゃうといけないのでアドルから引き離してから奪う事にする。


ドラゴンはまだこちらに気が付いていないみたいだから、まずはこっちに誘導だね。

僕はドラゴンに向かって【扇動】を使用して、こちらに注意を向ける。


あ、気が付いたみたいだ!すっごい勢いでこっちに向かってくるよ。

かなり大きな咆哮を上げてたから、アドルの人達も多分、気が付いただろうね。


きっと大騒ぎになってるんだろうなあ……。


よし、それじゃ逃げよう!


【固有魔法・時空】で再びアドルから離れた場所へと移動する。


空間を繋いだ移動手段だから、ブラックドラゴンも僕等がいきなり目の前から消えたように見えたはず。

実際に僕等がさっきいた辺りで旋回しているので、見失ったのは間違い無いと思う。


よし、もう一回【扇動】だ!



何度も【固有魔法・時空】と【扇動】を繰り返し、アドルの町から大分引き離す事ができた。

目論見通りではあるんだけど……。



……さっきよりも相当怒ってる気がするよ。

きっと、もう絶対に話を聞いてはくれないだろうね……。


はぁ、戦うしか無いかあ。


よし、じゃあ最後の仕上げだ!


【飛翔】をカットして、またまたわっふるに貼り付ける。

すーぱーわっふるの誕生だっ!


ブラックドラゴンはスキルを失い、そのままかなりの高度から落下していく。

何が起こったのかきっと全く分かっていないだろう。


実はわっふるには僕が小石に貼り付けて溜め込んでいたアビリティとスキルを沢山貼り付けてある。

神獣フェンリル様からドラゴン襲来の一報を聞いた後、わっふるのパワーアップを思いつき、わっふるに承諾を得て貼り付けておいた。


今のわっふるの能力はこんな感じだ。


名前:わっふる

LV:31

種族:神獣

性別:♂

状態:テイム中 (マイン)



【スキル】

神獣の双撃

重力の魔眼

再生

豪腕・極

身体強化・小

ストレングスレイズ

テラーバイト

ホリブルロア



【アビリティ】

大咆哮≪ウォーセカムイ≫

健脚

石化

フライングフェザー

毒液散布

麻痺息吹

火炎弾

空中浮揚

飛翔

迷彩



僕が言うのもどうかと思うけれど、中々凄い事になってるよね。

まさに”すーぱーわっふる”だ!


今、ブラックドラゴンは空を飛べなくなっている。

僕が地上から攻撃をして、わっふるは上空から攻撃する。


スキルを無くしたうえで、的を絞らせなければ、いくら格上のドラゴンだっていい勝負が出来ると思う。


「さて、行くよ!わっふる!!

 一度、やっつけてからなら話し合いに応じてくれると思うんだ。

 けど、無理はしないでいいからね、やばくなったら逃げちゃえばいいんだから!」


ここで逃げても多分、アドルを襲う事は無いとおもうんだ。

親竜からすれば、僕達が子供を攫ったと思うだろうからね。


逃げた後は絶対に僕等を見つける事は出来ないだろうから、しばらくすれば住処に帰ると思うんだ。

住処に帰りさえすれば、フェンリル様とその弟さんに説得を任せて、落ち着いたら子供を届けにいけばいいんじゃないかな?


もし、ここで倒す事が出来れば、その場で事情を説明して、怪我は回復させて上げればいい訳だしね。


というわけで、作戦開始っ!

僕も細心の注意を払って戦わないとね!

じゃないと後でわっふるに笑われちゃうよ。



スキルが無くなり、空中から落下したブラックドラゴンはさしてダメージを受けた様子もない。

それどころか激怒しながら、こちらを見つけて突進してくる。


自己強化を掛けれるだけ目一杯掛けて、僕は先制の一撃を撃つ。



【衝撃の魔眼】



威力はそれほど高くは無いけど、ノーモーションで連発出来るこのスキル。

奇を衒う攻撃としてはこれ以上に最適な物はないだろう。


突進してくるドラゴンは【衝撃の魔眼】の直撃を何度も食らい、ついにその足を止めた。


「わふっ!」


その隙に【飛翔】を使い、空中に舞い上がるわっふる。

そしてフェンリルのスキルである【重力の魔眼】をブラックドラゴンへと解き放つ。



【重力の魔眼】:任意の相手(複数可)に好きなタイミングで発動。

        このスキルを受けた対象者は、その体に強い重力による負荷を受ける。

        使用者のレベルの方が対象者と比べ高くそのレベル差が大きい程、

        その効果は強く、長くなる。




本来は相手の動きを大きく阻害するスキルなんだけど、残念ながらわっふるとブラックドラゴンのレベル差が大きくてそれ程の効果は出なかった。

思った効果が得られずに「わふぅ……」と力なく声を出す。


だが、全く効果が無かった訳ではない。


僕は動きが鈍くなったブラックドラゴンに【魔術の極みLV2】を乗せた【体力吸収・大】を使用する。

体力吸収というスキルは対象者の生命力そのものを大きく吸い取り、使用者である僕に還元するスキルだ。


今回の戦いは今までのような、魔物を殺せば終わりという単純な戦いじゃない。

あくまでも子ドラゴンを返すために冷静になって貰うための戦いだ。


そう言う意味合いではこのスキルは目的に合致するんじゃないかな?

怪我をさせたりするわけでは無く、やりすぎさえしなければ、ダルくなっていくだけなのだから。


続けて、わっふるの攻撃……と思ったら、ブラックドラゴンがその尻尾を僕目がけて振り回し、ぶつけようとする。


……ダメだ、思った以上に攻撃速度が早い。

避けれない、それならば!!!【絶対回避】でやり過ごしてみせる!!!


わずか三十秒だけだけど……全ての物理攻撃は僕には当たらない!!!


迫っていたブラックドラゴンの尻尾は【絶対回避】のおかげで僕の体をすり抜けていく。


すると空中を舞っていたわっふるが【ストレングスレイズ】【身体強化・小】【豪腕・極】【テラーバイト】を重ね掛けしているのが目に入ってくる。



「わっふ、ふううううううううううううっ!!」



わっふるの強烈な体当たりがブラックドラゴンに直撃する。

鈍い衝撃音が辺りに響き渡る。


さすがは神獣の子供である。


いくらスキルを重ねていたとはいえ、あの小さな体でドラゴンをよろめかせた。

ブラックドラゴンから奪った【テラーバイト】の力もかなり大きそうだ。


そして、よろめいた隙を狙い、再び【魔術の極みLV2】を乗せた【体力吸収・大】を使い、生命力を吸収する。


流石に二度目の【体力吸収・大】。

しかもわっふる渾身の体当たりを喰らった直後だけあって、効果覿面だったみたいだ。


随分、弱っているように見える。


ナマズが使っていた【アース・クエイク】を使い、じわりじわりとダメージを与えていく。

……だが、そろそろ倒せるか!?と思った所で予想外の出来事が起る。



スキルとアビリティを奪った筈なのに……。

何故か、ブラックドラゴンは僕に向かって”ブレス”を放ってきたんだ。

何時もお読み頂きありがとうございました。

今後とも宜しくお願いします。


出張から無事(余り無事では無いですが)帰ってきました。

6,7日に頂きました内容は本日の夜~順次対応していきます。


宜しくお願いします。



【改稿】


2016/12/08 

・全般の誤字を修正。

・【重力の魔眼】の説明文を修正。

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