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第58話 色々、決まりました

「取りあえず、シルフィ。王都で何をしてきたか教えて貰ってもいいかな?」


僕がそう言うと、そうだなとシルフィが話し始める。


「まず、私達の結婚だが認められた。

 神殿の準備や来賓の選定などがあるので少し時間が掛かるが王都で行われる予定だ。

 王家の者の結婚自体、随分と久しぶりなので結構な規模の式になると思う」


え?結婚式するの?

結構な規模って……そうかそりゃそうだよね……。


第一王女が結婚するんだもん。

そりゃ、大事だよね。


僕みたいな平民が相手で本当にいいんだろうか……納得はしてるけど心配ではあるよ。


「確かに規模は大きくならざるを得ないでしょうね。姫様の人気は凄いから……」


僕は知らなかったけど姫騎士シルフィードと言えば、その美貌と強さから平民達のアイドルのように扱われているらしい。

彼女に憧れて騎士団への入団を希望する若者も多数いるそうだ。


そして、王家がスキルを重視して婚姻を行っているという事実を理解してなお、彼女に結婚を申し込む貴族の子弟が後を絶たないと言う。

聞いて驚いたのが、50歳を過ぎた侯爵様が後妻にと申し込んで来た事もあったらしい。


無論、50歳過ぎの男性では沢山の子を成すのが難しいという事もあり、論外だと王様が直々に断ったらしいけど。


今回、彼女が結婚するという話は王都中に一気に広まり、相手は誰だ?という話題が一番ホットな話題らしい。


うぅ、お腹が痛くなってきたよ……。

ひょっとするとシルフィに求婚していた貴族達に絡まれちゃうかも……。


「旦那様、心配なのは分かるが……今から緊張しても仕方ないぞ」


僕の様子を見て、シルフィが声を掛けてくる。


「……だって、シルフィに求婚していた貴族の人達、一杯いるんでしょ?

 平民の僕なんかが相手だと気に入らないんじゃないかな?

 何か言われそうで心配だよ……」


「多分、大丈夫だと思うぞ?この結婚は父上が公式に認めて行われる物だ。

 もし、旦那様に絡むなんていう馬鹿が現れたら父上の顔に泥を塗るような物だからな。

 いくらなんでもそんな馬鹿はいないだろう」


……シルフィはそう言うけど、世の中にはそういう馬鹿な人はいるんだよね。

ギルドで絡んできたヒヨルドとか僕を殺そうとしたライルとか、後からどうなるか考えれば分かりそうなのに……。


「まあ、もしそんなヤツが居たら、恐らく兄上が黙ってはいない。

 旦那様は安心していればいい」


そうか、お義兄(アルト)さんが、助けてくれるのかな?

……少しだけ安心。


取りあえず、結婚式を大々的にやるのは分かった。

覚悟を決めておこう。


「ちなみにアイシャ、余裕見せてるがお前も一緒に行うんだぞ?分かってるのか?」


シルフィがさらっとアイシャに爆弾発言をする。


「ふぇっ!?」


突然、自分にも話が降り掛かってきてアイシャが驚きの声を上げる。


「え、え、え!?私もですかっ!!?」


「そりゃ、そうだろう。

 後から旦那様に嫁が増えたとなったらそれこそ貴族達が騒ぎ出すぞ。

 アイシャだって、聖弓として名が通ってるんだ。

 面倒ごとは一度に終わらせた方がいいじゃないか」


そうシルフィに言われ、アイシャがドーンと落ち込みを見せる。


落ち込むアイシャの肩をとんとんと叩き、諦めようと目で合図を送る。

せっかくの美人さんが涙目で台無しだ。


「そんな訳で、準備が出来たら王都から連絡が入る筈だ。

 二人とも心の準備だけしておいてくれ……で、次の話をしても構わないか?」


シルフィの問いかけに僕とアイシャは頷き返す。

それを見てシルフィもうんと頷き、話し始める。


「次はクランの設立の話だ、これも認められた。

 弟のクランとも提携、と言うかお互い融通しあおうと言う話も纏まった。

 具体的には素材の買い取りや特定モンスターの討伐依頼をうちに回して貰ったり、という所だ。

 出発前に預かったキングとジェネラルは弟のクランで買い取って貰ったよ。

 キングが白金貨550枚、ジェネラルは一体白金貨130枚で合計390枚、合わせて白金貨940枚で買い取って貰ったよ」


は、は、は、白金貨940枚ぃぃぃぃぃぃ???

ちょっと待って、え?それってとんでもない金額じゃない?

贅沢にお風呂とか作っちゃおうとかそういうレベルじゃないよ?


「ははっ、これだけの稼ぎを出せる旦那様は立派な大黒柱だな」


流石、王女様だ。

白金貨940枚という途方もない金額に全く動じてない。


アイシャをちらっと見てみると、驚いてはいるようだが妙に納得してる感じだ。

びびってるのは僕だけ?


だって仕方ないじゃないか。

今まで銀貨一枚を手に入れるのに苦労してたんだからさ……。


「それでクランの本拠地だが父上は王都に作って貰いたいと言ってたのだが、

 旦那様的にはこの町を離れる選択肢は無いと思ったので断った。

 どちらにせよ、クランの本拠地は必要になる。

 この家という訳にはいかないから、建物を建てる必要があるんだが……構わないだろうか?」


ああ、なるほど。

……そりゃそうだよね。


貴族達の依頼を受けたりする可能性があるのに、この家では流石に良くないかな。


「うん、必要だと思うけど……お金足りるかな?」


クランの建物を建てると言われてもピンと来ない。

一体どれくらいのお金がかかるんだろう?


「そこは大丈夫だ、父上が結婚祝いの名目で半分出してくれるし、私もある程度の蓄えがある。

 幸い、この家の周辺は土地も余ってるし、地価も相当安い筈だ。

 旦那様がいいと言ってくれるなら、町長に私が話を付けてこよう。

 ……後は上物を何処に頼むか、位だな」


町長さんの所にいくなら、確かにシルフィが適任かな。

王女様に話を持ってこられたら、そりゃ断れないよね。


建物は親方に頼もうかな。

お父さんの事を知ってる人だし、うちのお風呂も作ってくれたし。


安心して任せられそうだしね。


「うん、じゃあ土地の事はシルフィに任せてもいいかな?

 建物の方は僕が請け負うよ」


「ん?心当たりがあるの?」


「うん、お風呂を作って貰った親方にお願いしようと思う。請けてくれればだけどね」


「ああ、あの風呂を作った職人なら間違いないだろう。

 規模はともかく王家の風呂よりも豪華な位だぞ、あれは」


ふむ、好評みたいだ。

この話が終わったら、早速顔を出してみようかな。


「よし、では最後の話だ。

 結婚後の我々の立場だが、前に話したように一応新興貴族として扱われる。

 まあ、貴族といっても名前だけで管理する土地も義務も無いのだけれどな。

 それに伴い、家名が必要となる訳だ。旦那様、結婚式までに考えておいてくれ」


……名前、名前かあ……。

全く思いつかないや。


ずっと平民だった僕に家名とか言われても、浮かぶ訳が無い。


ああ、どうしたものか……。


何時もお読み頂きありがとうございました。

今後とも宜しくお願いします。


という訳で、皆様からマイン君達の新しい家名を募集致します。

いくつか候補を考えたのですが、どうせなら皆さんから募集してみようと。


誰からも提案が無かったり、ちょっとあわないかな?という場合は

私の方で考えた物にしようと思います。


厨二心満載の格好いい名前を付けて頂けると嬉しく。


※以前告知しておりましたレベルの見直し作業を完了致しました。

詳細は活動報告に書かせて頂いております。

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