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第04話 今後の方針

盗賊の襲撃をはね除け、やっと町に帰り着く事が出来た。


冒険者達に捕らえられた盗賊達は犯罪奴隷として、売られる事になったようだ。

売られた代金は迎撃に協力したお客として乗り込んでいた冒険者達を含めて、等分されて支払われるそうだ。


僕も手伝ったんだけど【カット&ペースト】の事を他人に話して良い物かどうか分からないので黙っている事にした。


「おう!マインお帰り、無事にスキルは授かる事が出来たのか?」


馴染みの門番さん、エドガーさんが僕を見つけて声を掛けてくれた。


「はい、何とか授かる事が出来ました」


「そうか、それなら良かった」


人懐っこい笑顔を浮かべて、一言そう言うと門番の仕事に戻っていった。



名前:エドガー・マンセル

種族:ヒューム

性別:男

年齢:24歳

職業:ガーディアン


【スキル】

両手槍・聖

礼儀作法

鉄壁



うわー、エドガーさん凄いや。


【両手槍・聖】を持ってるんだ。

しかも、鉄壁とか強そうなスキルも持ってる。


どれどれ、鉄壁ってどんなスキルなんだろ。


更に鉄壁を鑑定してみる。



【鉄壁】:任意発動型スキル、自身が望むタイミングで発動させる事が出来る。発動中は防御力が三倍に上昇する。一度使用すると次回使用まで30分のクールタイムが必要。



へえ、防御力が三倍か、エドガーさんは攻めて良し、守って良しの凄い人なんだな。

クールタイムって……一度使用すると使えない時間が出来るんだな。


そんなスキルもあるんだ、覚えておこう。


ちなみに当たり前だけど、エドガーさんのスキルをカット(切り取り)は当然してません。

使うのは敵対してきた人や盗賊みたいな悪いヤツだけに決めている。


手当たり次第に行ってしまえば、強盗と何も変わらないからね。


エドガーさんと別れた後、町にすぐに入る事が出来た。


鑑定をじゃんじゃん使いながら、僕は一路自宅へと歩いていく。

自分の知らないスキルを色々発見する事が出来て中々面白かった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



僕の家は町の外れにある。


今は僕しか住んでいないけど、元々は父さん母さんと一緒に住んでいた家なので豪邸とは言えないがそれなりの家だと思う。


「ただいま」


誰からも返事が返ってくる訳ではないのだけど、つい口に出してしまう。


家の中に入ると気が抜けたのか、僕は床にへたり込んでしまった。


「ふう……なんか疲れたなあ」


しばらく、ぼーっとしながら休憩をとる事にした。


なんか、激動の一日だったなあ……。


あ、そうだ、自分の鑑定をしておくか。



名前:マイン

種族:ヒューム

性別:男

年齢:15歳

職業:狩人見習い


【スキル】

鑑定・全

カット&ペースト

短剣・極

俊足(小)

裁縫

魔法・風

両手剣

視力強化・中

礼儀作法

脚力強化・小

料理

交渉術

錬金術



戦闘中にカットした三人の盗賊とは別のヤツらからいくつか使い勝手が良さそうなスキルをカットしておいた。

料理、交渉術、錬金術の三つだ。


これから考える今後の方針によっては、役に立ってくれるスキルだと思う。


しかし、今日一日だけで一気にスキルが増えたなあ。

今はいいけど、これから増えてくるにつれて鑑定の結果が見づらくなりそうだ……。


取得した順にスキルは並んでいるようだけど、これ【カット&ペースト】で調整出来ないかな。




……結果、スキルの場所を移動する事が出来ました。


【スキル】

鑑定・全

カット&ペースト

短剣・極

両手剣


脚力強化・小

視力強化・中


俊足(小)


魔法・風


料理

裁縫

礼儀作法

交渉術

錬金術


うん、これで多少見やすくなったかな。これから定期的に調節しよう。



……さて、今後の事を考えていこう。


まず【カット&ペースト】でスキルを切り取り自分の物に出来るという事実。

これを他の人達に教えるかどうか、だな……。


この選択は非常に重要な事だと思う。


いくら僕が自分の中の取り決めとして、敵対する相手からしかスキルを切り取らないと決めていても信じては貰えないだろう。


そうなると当然、僕は避けられてしまうと思う。


そりゃ、そうだろう。

気が付かないうちに自分のスキルを盗られているかもしれないと思ったら怖くて近づく事なんてできやしない。


そんな事になってしまえば、生活に差し障ってくる。


他人との関わり無しに生きていく事なんて出来やしないんだから。


となれば、やはりこの事は内緒にするべきなのだろう。


次に今後の生活についてだ。


父さんの遺してくれた罠や猟師道具のおかげで今までは細々と食いつないできたけど、スキルを授かった事だしこれを生かしたい。


じゃあ、何をするか……だけど……。


【カット】を生かした商売……、一番堅実なのは冒険者に雇われて解体をする解体屋だろうか?


けど、冒険者には色々な性格のヤツがいるからな、解体だけさせて金を払わないなんてヤツも出てくるだろう。

一度目をつけられたら、ずっと付きまとってこられるかもしれない。


心配しすぎなのかもしれないけど、可能性は十分あると思う。

候補にはするけど、取り敢えず保留だな。


【ペースト】はどうだろう?


いや、職人しか思い浮かばないぞ……、いくらカットがあるからといっても一人前になるには時間が掛かりすぎる。


却下だ、却下!!


神様から授かったスキル以外を表立って使えないし、案外難しいもんだな。


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