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第287話 王都での石像討伐戦(2)

「……シルフィ、知り合いなの?」


冒険者ギルドと縁が深いアイシャならともかく、シルフィの知り合いというのはよく判らない。


「いや、知り合いという訳では無いんだ。以前王家が魔族侵攻の確認をするという依頼をギルドに出していて

 彼らがその依頼を受け、達成してくれたというわけだ。 私はその報告の際に立ち会っただけだ」

「そう言えば、貴殿らはオオセで孤児の女の子を保護したんだったな? あの子今はどうしている?」


『姫様っ!ゆっくりと話し込まれている場合じゃないですっ!!!!』


【念話】でアイシャが割り込んで来た。

それと同時にアイシャの放った矢が何本か僕らの周りに居たアーマード・オークに命中する。


アイシャの放った矢はアーマード・オークの装甲を突き破り、複数のアーマード・オークを確実に仕留めていた。


「ふおっ、オレが全く歯が立たなかったのに……」


バレッドさんは自分が苦戦していた魔物を次々に倒していく僕らを見て驚きの声を上げていた。


「う……あ……」


「旦那様、ちょっと数が多い。少し退いて体勢を整えよう」


「バレッド殿、貴公らも一度体勢を整えられたらどうか?」


シルフィの提案は尤もだ。通常のオークと比べて防御が段違いだ。最弱とされるゴブリンですら彼らは簡単には倒せない。


「……判りました、殿下。一端退いて体勢を整えます」


バレッドさんはそう言い残し、修験下魔物達の数が少ない箇所に向かって走って行った。

よく見ると彼のパーティ達が戦っていた。

……なるほど合流するのか。


「……ほう、流石A級パーティというところか。優れた結界士がいるようだな」


シルフィのつぶやきを聞いた僕も再度、バレッドさんが向かっていった先を確認してみた。

するとなにやら通路の先に侵攻する事が出来ない魔物が何体かいて何も無い空中に向かって攻撃している姿を確認する事ができた。


「……結界?」


「優れた治療師ヒーラーが使う事が出来るという固有魔法の一種だよ……」


そう言えば、牢獄の迷宮(ダンジョン)で手に入れた魔法に固有魔法・結界というのがあった筈だ。

待てよ、と言う事はあの竜人は治療師ヒーラーだったんだろうか?

けど、他に治療師っぽいスキルは持ってなかったけどなあ。


……はて、スキルだけ単独で存在してる訳じゃ無いのか?役割と一体って事なのかな?

という事は他の役割の人にも固有のスキルが存在すると言う事なんだろうか?



僕やシルフィ、アイシャは攻撃役アタッカーだけど固有のスキルなんて持ってない。


成人した際に授かるというのもちょっと考えづらい。


一体、どういう事なんだろう?

「ねえ、パーティでの役割で固有のスキルなんて手に入るの?」


判らない時は聞くのが一番だ。


僕の質問にシルフィは少し考えてから答えを返してくれた。


「ああ、あくまでも優れた者にだけなので必ずという訳では無いがな

治療師ヒーラーは【結界】、魔術師キャスターは【古代魔法】、攻撃役アタッカーは特定の武技を得る事が出来る。

探索者シーカーは【広域探索】だな」


「……なるほど、知らなかったよ。それでアタッカーの特定の武技ってどういう事?」


「そうだな。私ならば片手剣の武技、アイシャなら弓術の武技、旦那様なら短剣の武技になるだろう」



……そうか。じゃあ、シオン姉ちゃんはきっと【結界】を持ってるんだね。


『わふっ、きをつけろ、まいん!!へんなやつがいる』

不意にわっふるが警告してきた。


わっふるの視線を追ってみると……空中だった。確かにいる。影のように真っ黒で揺らめいている見た事がない魔物が


-----------------------------------------

名前:シャドー・グレムリン


LV:50


種族:高位魔族


性別:-



【スキル】


憑依融合

魔法・暗黒

魔法・混乱



【アビリティ】



-----------------------------------------


……なんだ、こいつ?お義兄さんが言っていた幽霊みたいな魔物っていうのはこいつなのだろうか?


なんだか……気になるスキルを持ってるなあ。


やばそうなのでさっさと【カット】しちゃった方がいいね。



……だけど、悲劇は起こった。起きてしまった。


「「うわああああああっ!! 」」


僕が【カット】するより早く、シャドー・グレムリンはバレッドさんに攻撃を加えていたんだ。


悲鳴がする方を見てみるとバレッドさんが仲間の治療師さんに剣を突き立てている姿が視界に飛び込んで来た。


-----------------------------------------

名前:バレッド・フレイヤー・デビル

LV:25


種族:魔族

性別:♂



【スキル】


片手剣・極

鉄壁

盾術・極

魔法・暗黒

魔法・混乱


【状態】

憑依融合・魔人化



【その他】


Aランクパーティ"舞い上がる風"リーダー


-----------------------------------------

慌てて、バレッドさんを【鑑定】してみると恐ろしい事実が判明した。


「……え?こ、これは魔族?魔人?」


と、とにかくさっさとシャドー・グレムリンを倒しちゃおう……って、居ない?


ひょっとしてバレッドさんに融合したから居なくなった?


そうか、お義兄さんが言っていた、騎士団員が同士討ちを始めたと言うのもこれが原因なのかも。


バレッドさんは魔族になっちゃったけど元々はヒューム族だ、倒してしまう訳にはいかないよね。


どうしたもんか?


これは思った以上に厄介だ。今回はたまたまバレッドさんが犠牲になったけど

僕の家族も狙われない保証はどこにも無い。


『わっふる、さっきの変な魔物だけどもういないかな?居たら速効で倒してくれる?』

グレムリンは取りあえず、わっふるに任せてバレッドさんをどうにかしよう。


バレッドさんに突如襲われた治療師さんが崩れ落ちると張り巡らせていた結界は奇麗に消え失せて

"舞い上がる風"がキャンプしている場所にアーマード・オーク達がどっと押し寄せていく。

いつも拙作をお読みただきありがとうございます。


更新が不定期になっており誠に申し訳有りません。



以下宣伝です。


-----

『カット&ペーストでこの世界を生きていく』コミカライズ

原作:咲夜

漫画:加藤コウキ様

キャラクター原案:PiNe様


去る9月19日に集英社ヤングジャンプコミックスから第1巻

が発売となっております。


おかげさまで大好評となっているようで、二度にわたる重刷されたとの事です。


なお、コミックス版は若干原作と違っている展開がございます。

また巻末のオマケページにはヒヨルドとライルの後日談が4コマで掲載されています。


----------


また10月10日原作書籍版3巻がツギクル様から発売されました。


9月10日の予定から1ヶ月後ろ倒しになりました。申し訳有りません。

こちらにつきましても是非ともお願い致します。


また、3巻からイラストレイター様が変更となります。




皆さんの応援が続けば更なる[次]が見えて参ります。


今後とも何卒、変わらぬご支援、応援のほど宜しくお願い致します。


-----


ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報は逐次アナウンス致します。

こちらの方も覗いて頂ければと思います。


本編の方ですが今後は新展開を交え元々のプロット通りの展開を書いていきます。


更新はのんびりと行いますのでお待ち下さい。


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