表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
286/291

第284話 王家からの新たな依頼(2)

急遽、付いてくると言い出した兄と一緒に城の地下の移動扉を使用許可を得る為に

父である国王ファーレンの元へと急いだ。


後ろからこっそりとカールが付いてきているが気がつかないふりをして国王の執務室へ急いだ。


何せ、家出は旦那様をはじめとする家族が待っているはずだから、急いで帰りたい。


カールに捕まれば帰宅が遅れてしまうのは目に見えている。


執務室の前まで着くと兄上が振り返り、声を上げた。


「我々の後を付けている者、姿を見せろ、王族の後を尾行するとは許される事では無いのは分かっているな?覚悟は無論出来ているな?」


……兄上にしては珍しいな。カールだと言う事は分かっているだろうに。


こんな恫喝じみた言葉を発するなんて……。

だが、これだけ脅せばいかにカールと言えども大人しくなってくれるだろう。


兄上の声を聞いてガクガクと震えながらカールが隠れていた柱から飛び出してきた。


「待ってください!!アルト殿下っ!私はシルフィード様とお話がしたく着いて参った次第です!」


「……だとさ。相変わらず人気者だな?お前は」


ニヤニヤと笑みを浮かべながら兄上は私にそう告げた。


「カールよ、すまないが私には貴公と話す事は無い。急いでいるので職務に戻ってくれ」


私がそう声を上げるとギギギギ……と音を立てて執務室の扉がゆっくりと開いていった。


ドアの中を横目で確かめると父上が楽しそうな笑顔を浮かべてこちらを覗いていたのだった。


「なんだ、お前達来ていたのか?さっさと中に入れ」


父上から許可も出た事だし、私はさっさと中に入り適当な椅子に腰掛けた。


私が座ったのを見た兄上もセシル達を一瞥してから部屋の中に入ってきた。



「で、お前達揃って何用だ?どうせマイン絡みだろう?」


「父上詳細は後で説明するが、移動扉の使用許可を貰いたいのだ」


兄上が父上にそう切り出した。



「ふん、永久なる向日葵(エターナルサンフラワー)への依頼の件か? 構わん行ってこい」


父上から許可を取った私達は急ぎ、執務室を退去し、地下の移動扉の間へと急いだ。


カールが依然として尾行を続けてきたので、蒔くのに一苦労したのだが、後で兄上からカールには厳しい指導が入る事だろう。


移動扉を通ってルーカスのクランハウスに到着すると兄上を伴って会議室へと足を、向ける。


ドアをノックする前に内側からガチャリと音を立て扉が開かれた。


「おかえり、シルフィ!!」


ドアを開けてくれたのは他でもない、私の愛する旦那様であった。


どうやらわっふるの感知で私達が来るのがわかっていたようだ。


「ただいま、旦那様っ!!」


思わず笑みが浮かんで来る。


「なんで、お義兄さんもいるの?」


        ◆◇◆◇◆ マインSide


「それについては私から話そう」


お義兄さんが僕に向かって背筋を伸ばして話しかけてきた。


永久なる向日葵(エターナルサンフラワー)殿に我がオーガスタ王家からの依頼を持って参った」


「……聴かせて下さい」


お義兄さんの真剣な表情に気圧され僕はそう一言だけ声を発した。


お義兄さんから聞かされたのは衝撃の内容だった。


アンダーワールドの先兵だと思われる石像の魔物が生み出す魔物におばけのような得体の知れない魔物が存在するという事。


その魔物と接触した騎士団員が突然気が触れたように仲間の騎士達に攻撃を開始するという事。


騎士団では対策が見つからず、苦戦しているとの事。


その魔物のおかげで第二騎士団は壊滅状態で、セシル団長は一時的に団長職を解任となった事。


急遽、第三騎士団が創設される事になったとの事、この騎士団は女性騎士だけで構成されており

団長候補者をシルフィとメリッサ嬢に委託したいとの事と王都の石像の魔物の掃討の依頼だった。


「女性だけの騎士団か……」


シルフィがため息を吐く。


「団長候補だが、少しビックリすると思う」


お義兄さんはシルフィを視ながら意味ありげにそう言葉を発した。


「ん、どういう事だ、兄上?」


「彼女の名前はノイン・パトリシアと言う」


「えっ?ノイン・パリシアですか?」


名前を聞いてアイシャが勢いよく立ち上がり声をあげた。


「アイシャ、知ってる人なの?」


僕がそう聞くと、アイシャはすまなさそうに


「……ううん、直接知ってる訳じゃないの、噂をね、ちょっとだけ」


アイシャがこんな言い方をするのは珍しい。噂ってどんな噂なんだろう?変な人でなければいいのだけれど……」


僕が不安そうな表情をするとお義兄さんが僕達に向かってこう言い切った。


義弟マインよ、そんな顔をするな、お前は本当にわかりやすいな」


「ノインの能力・人格についてはこの私が保証する。噂についてはそうだな聖弓殿、話してくれるか?」


「え?よろしいのですか?」


一体、どんな噂なんだろう。

いつも拙作をお読みただきありがとうございます。


更新が不定期になっており誠に申し訳有りません。


病気以後の文章の修正作業ですが地道に開始しました。

予想していたよりも早く修正作業出来そうです。


コレに伴い、本編の更新もゆっくり進めて参ります。



以下宣伝です。


-----

『カット&ペーストでこの世界を生きていく』コミカライズ

原作:咲夜

漫画:加藤コウキ様

キャラクター原案:PiNe様


去る9月19日に集英社ヤングジャンプコミックスから第1巻

が発売となっております。


おかげさまで大好評となっているようで、各書店様で入手しづらい状態になっているそうですが

見かけましたら是非、お手に取って頂ければと思います。


なお、コミックス版は若干原作と違っている展開がございます。

また巻末のオマケページにはヒヨルドとライルの後日談が4コマで掲載されています。


----------


また10月10日、つまり今日ですに原作書籍版3巻が発売となります。

9月10日の予定から1ヶ月後ろ倒しになりました。申し訳有りません。

既に店頭に並んでいる書店様もあったとの事です。是非ともお願い致します。


また、3巻からイラストレイター様が変更となります。



アマゾンの予約はすでに始まっております。

是非、お手にとって頂ければと思います。

皆さんの応援が続けば更なる[次]が見えて参ります。


今後とも何卒、変わらぬご支援、応援のほど宜しくお願い致します。


-----


ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報は逐次アナウンス致します。

こちらの方も覗いて頂ければと思います。


本編の方ですが今後は新展開を交え元々のプロット通りの展開を書いていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ