第280話 牢獄の迷宮(ダンジョン)(6)
ピロースが持ってきた両手斧と両手剣を【鑑定】してみる。
まず斧だ。
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名前:フェイト・バサラ
攻撃:+280
階級:神級
属性:重力
特攻:人型
備考: 攻撃力上昇
武技:ディストニー・フューリー
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なんて攻撃力だ!!
しかも神級だ、この斧。
いくらピロースでもコレと打ち合ったら、危険だったかもしれない。
……、素晴らしい武器だけど、僕達に、斧を武器とする者はいない。
取りあえず先ほどの鎌同様に、収納袋に入れておこう。
「……この斧凄いよ、神級だ」
「「「「「えっ?神級!!?」」」」」
「アーティファクトと言う事か!」
続いて両手剣を【鑑定】
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名前:カラドボルグ
攻撃:+130
階級:破級
属性:炎
特攻:魔族
備考: 装備時体力回復
武技:トア・グリデルセン
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「両手剣の方は破級だよ」
「どっちにも専用武技が付いてる」
凄い武器なんだけど、やはり僕達には使える者がいない。
収納袋に放り込んだ。
「だ、旦那様、それらの武器だが、誰が使うのだ?」
「……うん、使える人が居ないから当分収納袋で保管かなあ?」
「そ、そんなアーティファクトを死蔵するとか勿体ないです」
「シーラの言いたい事は判るけれど、現実、使えない武器を無理に使っても仕方ないだろう?」
勿論、そんな事はシーラだって十分に知っている。
知っていてなお、言わざるを得ないのはアーティファクトという武器の能力故だろう。
「待ってくれ、旦那様?今の龍人達からスキルは【カット】しなかったのか?」
「スキルとセットで渡せばいいのではないか?」
シルフィが立ち上がり、そう言い放った。
「うん、当然スキルは【カット】してるよ」
「じゃあ、家に帰ったらみんなで話し合いましょう」
最後はアイシャがそう締めた。
「よし、先に進もう。次の竜はニーズ・ヘッグ曰く、竜の王らしいからみんなは近づかないでね」
「戦闘は出来るだけ避けるつもりだけど、どうなるかわからないから、十分、気をつけてよ」
「戦いになったら、どうするのだ?」
「僕とわっふるで行くよ」
全員にそう忠告して【気配察知・大】を使用すると先の方にとてつもない巨大な気配を感じる事が出来た。
……この気配はオークキングやキメラ、今まで出会ったどのドラゴンよりも大きい。
強いて言うなら、ヨルムンガンド様やケートス様に匹敵する。
神獣様と互角の気配って……?
……、これは目視出来る場所から【カット】は危険かもしれない。
そう判断した僕は【地図】を使って、地図上から【カット】した。
『きゅきゅ、この、けはいはばはむーとさんでは?』
『くぅもそうおもうか?おれもそうじゃないかなあとおもってた』
……【鑑定】してみるとクゥとわっふるが話してたバハムートという竜だった。
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名前:バハムート
LV:150
種族:神竜族
性別:♂
【スキル】
魔法ダメージ吸収
スパイクフレイル
飛翔
創造
神竜の威圧
固有魔法・時空
固有魔法・結界
【アビリティ】
フレア
ギガフレア
メガフレア
テラフレア
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物騒そうなアビリティ……はわっふるにフレアとテラフレアを貼り付けて
クゥにギガフレアとメガフレアを貼り付けた。
【飛翔】は、ピロースに貼り付ける事にした。これで彼女も空中戦が出来る筈だ。
【魔法ダメージ吸収】は前衛の方が良いだろう、とシルフィに貼り付ける。
【創造】と【神竜の威圧】【固有魔法・結界】は僕に貼り付ける。固有魔法・時空は取りあえず、【錬成】用に
小石に貼り付けた。【スパイクフレイル】も小石に貼り付けておく。
『……マイン、マインよ。どんな案配だ?』
スキルの【カット】が一通り終わったとき、ヨルムンガンド様から【念話】が届いた。
『ええ、今4層のバハムートからスキルを【カット】したところです』
『もう4層か?早いな、良いスキルは得られているか』
『はい、おかげさまで良い武器とスキルを得ています』
『それなら、良かった。ところで、バハムートには気をつけるのだぞ』
『やつはこの俺と神獣の座をかけて戦ったほどの竜だ。あ奴と戦うのは俺と戦うようなものだからな』
『わかりました、戦闘は避けるようにします』
『一旦外に出てアルザの町でも行ってきたらどうだ?』
そうか、スキルはもう【カット】したんだから【固有魔法・時空】で脱出してもいいんだね。
「……えっと、この先にいる竜はバハムートと言ってヨルムンガンド様と神獣の座を争ったほどの力を持っているそうです」
「既にスキルはカットしたので、一旦、脱出しようと思うんだけど……」
「そうですわね、一度外に出て、アルザの町でしたっけ?そこに行って見聞を広めてもいいのかもしれないわね」
僕の提案を聞いてサーシャが発言する。
それを聞いたアイシャの表情がこわばる。
「旦那様、どうせ移動するなら、家にしないか?その方が寛げるというものだ」
「そ、そうよね。家に帰りましょう」
シルフィの提案にアイシャが飛びついた。
「うん、そうだね、家に帰ろうか」
そう言いつつ、僕は【固有魔法・時空】を使用した。
いつもように現れた黒い渦に、アイシャを先頭にして次々と飛び込んでいった。
一人残った僕はバハムートがいる方向に向かって一礼をしてから黒い渦へと飛び込んだのだ。
いつも拙作をお読みただきありがとうございます。
更新が不定期になっており誠に申し訳有りません。
病気以後の文章の修正作業ですが地道に開始しました。
予想していたよりも早く修正作業出来そうです。
コレに伴い、本編の更新もゆっくり進めて参ります。
牢獄の迷宮編も今回で終了です。
アイシャの実家は後日登場する予定です。
以下宣伝です。
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『カット&ペーストでこの世界を生きていく』コミカライズ
原作:咲夜
漫画:加藤コウキ様
キャラクター原案:PiNe様
水曜日はまったりダッシュエックスコミックス様にて
http://seiga.nicovideo.jp/manga/official/dashcomic/
5/30から連載開始しております。毎週水曜更新との事です。
現在第7話までお読みいただけます。
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また9月10日に書籍版3巻が発売が決定しました。
アマゾンの予約はすでに始まっております。
是非、お手にとって頂ければと思います。
皆さんの応援が続けば[次]が見えて参ります。
今後とも何卒、変わらぬご支援宜しくお願い致します。
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ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報は逐次アナウンス致します。
こちらの方も覗いて頂ければと思います。
本編の方ですが今後は新展開を交え元々のプロットの展開を書いていきます。
活動報告の方で、「酒場の用心棒」の続きをリクエスト頂きましたので
時間が取れれば、そちらも考えたいと思います。
更新はのんびりと行いますのでお待ち下さい。