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第278話 牢獄の迷宮(ダンジョン)(4)

「ここまで来たと言う事は戦士ガルを退けイスゲビンド様まで退けたと言う事か?」


両手鎌の竜人、タイガーベーンは機嫌悪そうに、そう切り出した。


「僕達は神獣ヨルムンガンド様に導かれてここに来た、貴方達竜人族と戦う理由が無い」

「退いてはもらえないでしょうか?」


僕が必死に説明してもタイガーベーンは薄く笑うだけで聞く耳を持ってはもらえないようだった。


「お前達に無くとも我々にはあるという事だ。強き者達よ」


どうあっても戦いは避けられないようだ。


「では、どうあっても戦うと?」


「勿論だ、我が王に近づく者には容赦せぬ」

『クゥ、頼むよ』


鎌を大きく振り回して構える竜人に向かってクゥがぽよぽよと飛んでいく。


鯨型を初めて見たのか、竜人は呆気にとられて動きが止まった。


その隙を逃さずクゥはいきなり【バブリブルシャワー】を繰り出した。


クゥから放たれた無数の泡が意思を持っているようにタイガー・ベーンに向かっていく。


「なんだ、そのピンクの物体が俺の相手と言う事なのか?俺を舐めてるのか?」


「舐めてなんかないよ、クゥは僕達の中で1,2位を争う強さの持ち主だし。神獣ケートス様の娘でもある」


僕がそう言い返すと、タイガーベーンは「うぬう」……と唸りを上げて【バブリブルシャワー】を

鎌でなぎ払った。


しかし、【バブリブルシャワー】の威力を自ら受けに行ったのと同じなので鎌は大きくその軌道を逸らされ、彼手から弾き飛んでいった。


クゥはそれを見て好機と捉えたのか【神獣の突撃】を使用して飛んでも無い速度でタイガー・ベーンの鳩尾に体当たりした。


直撃を受けたタイガー。ベーンは吐血し、その場に座り込んでしまった。


『クゥの勝利です!』きゅきゅ


「うちのクゥが勝利宣言をしてますが、まだ続けますか?」


僕がゆっくりとそう問い掛けると彼は予想とは裏腹に笑顔を浮かべて

自分の鳩尾をさすりながらゆっくりと立ち上がってクゥに向かって頭を下げながら敗北宣言してきた。

「いや~、強烈な一撃だった!……これはちょっと無理そうだ。俺の負けだ。済まなかったな、戦闘前に君を舐めた事を言って」


その言葉を聞いてクゥは嬉しそうに駆虫をクルクルと回転したあと、飛んでいった、両手鎌を拾いに向かっていった。

そして口に咥えて、タイガー・ベーンの横にそっと置いたんだ。


「コレは君たちに差し上げよう。もう俺には不要の物だ」


「きゅう~~」


せっかく持ってきた鎌を受け取って貰えずにクゥが大粒の涙を流して落ち込んでいる。


「一つ聞こう。イスゲビンド様はどうなされた?」


「倒しました」


「我が王も倒すのか?」


我が王というのはきっとこの先にいる竜族の事だろう。

先ほどのイスゲビンドの時と違い、気温に変化は無い。という事は属性竜では無いのだろう。


「先に進む事が出来れば戦う必要は無いよ 教えてくれないか?この先にどんな竜がいるのか」


「我が王の情報を敵に話す事は無い」


「判った。じゃあ僕達は進ませて貰うよ」

タイガーベーンと戦った広間を先に先に進むと巨大な気配を感じる事が出来た。



-------------

名前:ニーズ・ヘッグ


LV:86


種族:竜族


性別:♂



【スキル】


魔法ダメージ吸収

スパイクフレイル

飛翔



【アビリティ】

パライズブレス


------------------------------------------------------


今度の竜族はコイツか。

属性は持ってないけど、【魔法ダメージ吸収】なんて変なスキル持ってる。


見た感じ、レベルは高いけれど、イスゲビンドと同じ作戦で倒せそうだ。


接触する前にスキルを【カット】だけしておこう。

元々僕達はスキルの【カット】に来ただけで竜を倒す必要性は無い。


僕は竜人から【カット】した竜言語を使用してニーズ・ヘッグへ声を掛けてみた。


『初めまして、ヨルムンガンド様の導きで此所に来ましたマインと言います』


『ヨルムンガンド様から聞いておる、何でも我らのスキルを取りに来たと聞いたが……』

『はい、申し訳ないですが、貴方のスキルは既に頂いております』


『なるほど、それでイスゲビンドを倒したか』

『我とも戦うと言うのか?』

『いえ、先に進ませて頂ければ戦う必要はありません』

『この先にいるのは我ら竜族の王だ。何もせずにお前達を通したとなれば我が王より粛正されよう』

『僕達は別にあなた方の命を絶ちに来たのではありません。ここは退いて下さい』

『……良かろう、行くが良い』

【スパイクフレイル】と【パライズブレス】をクゥに貼り付け、【魔法ダメージ吸収】は魔法戦が予想されるサーシャに貼り付けた。

【飛翔】は僕に貼り付けた。


-----------------------------------------


名前:マイン・フォルトゥーナ




【スキル】


飛翔 new!


名前:クゥ



【スキル】

スパイクフレイル new!

【アビリティ】

パライズブレス new!


名前:サーシャリオン・フォルトゥーナ


【スキル】

魔法ダメージ吸収 new!


名前:ピロース


【スキル】


ブラッド・ウエポン new!

両手鎌・極 new!

いつも拙作をお読みただきありがとうございます。


更新が不定期になっており誠に申し訳有りません。


病気以後の文章の修正作業ですが地道に開始しました。

予想していたよりも早く修正作業出来そうです。


コレに伴い、本編の更新もゆっくり進めて参ります。


いよいよ牢獄の迷宮(ダンジョン)編スタートです。

アイシャの実家も遂に登場する予定です。


以下宣伝です。

-----

『カット&ペーストでこの世界を生きていく』コミカライズ

原作:咲夜

漫画:加藤コウキ様

キャラクター原案:PiNe様

水曜日はまったりダッシュエックスコミックス様にて

http://seiga.nicovideo.jp/manga/official/dashcomic/

5/30から連載開始しております。毎週水曜更新との事です。

現在第7話までお読みいただけます。


----------


また9月10日に書籍版3巻が発売が決定しました。

アマゾンの予約はすでに始まっております。

是非、お手にとって頂ければと思います。

皆さんの応援が続けば[次]が見えて参ります。


今後とも何卒、変わらぬご支援宜しくお願い致します。


-----


ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報は逐次アナウンス致します。

こちらの方も覗いて頂ければと思います。


本編の方ですが今後は新展開を交え元々のプロットの展開を書いていきます。


更新はのんびりと行いますのでお待ち下さい。




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