第269話 合同結婚式(5)
ルイス様とルカ様、シーラと合流して僕達は移動扉でルーカスのクランハウスへと戻ってきた。
思っていたより時間が掛かってしまったけどお義兄さんはどうしてるだろうか。
『シルフィ、アイシャ 今王都から戻ったよ。待たせちゃってごめんね。シーラとルイス様、ルカ様も連れてきたよ。椅子を用意しておいてくれるかな』
先に【念話】で報告しておく。
『椅子なら準備出来るわ』
アイシャからすぐに返事が返ってきた。
よし、急いで部屋に戻ろう。
辺りを物珍しそうに見やるシーラの手を取って、僕は走り出した。
ルイス様も同じようにルカ様の手を取り追いかけてきた。
部屋の前まで来てドアを軽くノックするとガチャと音を立ててドアが開いた。
なんと、出てきたのはお義兄さんだった。
「随分、時間が掛かったな?義弟よ」
「すみません……実は」
僕は素直に謝ってからシーラとの一連の流れを説明したんだ。
「じゃあ、シーラ様は結婚しないのね?」
アイシャが若干呆れたような口調でたずねてきた。
「……うん。取りあえずは様子見だね」
「私はいつでも嫁ぐ気持ちはある。その際は仲良くして欲しい」
「……取りあえず、日取りを決めませんと」
シオン姉ちゃんが額に汗を掻きながら必死に話をまとめようとしている。
するとお義兄さんもシオン姉ちゃんをフォローするように話をまとめはじめた。
「取りあえず、移動に時間が掛かるのはオオセとリッツという事だな? マイン何か良い手段は無いか?」
「まず、僕が各国に行って移動扉を設置してきましょうか?」
「ふむ、移動扉については我が国の重大な機密の一つだ、安易に各国に教える訳にはいかぬだろう」
「「リッツはその情報を得たとしても何かしらオーガスタの不利益になる事は絶対に致しません!」」
サーシャとスターシャリオン様が強い口調で僕達に宣言した。
「……オオセも同じくですわ それにオオセはオーガスタに代えようが無いほどの恩義を頂いております」
「その恩を仇で返すような事は致しません」
次はルカ様が述べた。
……するとシルフィが
「旦那様、兄上、思うのだが、別に結婚式自体、急いで行う必要は無いのでは無いか?すくなくとも馬車で移動するのを待てない事は無いだろう?」
……確かにそうだ!
最近、【固有魔法・時空】に慣れきって高速移動が当たり前という気持ちになっていたよ。
別に普通に移動すればいいんだ。その時間を考えて式の日取りを決めるだけだ。
「ふん、シルフィの言う通りだな。慌てる必要など何も無い」
お義兄さんも立ち上がりそう言う。
「となれば、一番遠いのはオオセでしょうか?」
次はアイシャが発言する。
「……そう、ですね。オオセからオーガスタまで馬車でトラブルが無ければ3日もあれば移動出来るでしょう」
ルカ様がそう答えを返す。
となると1週間程度時間を空ければ問題ないのかな?
「では、余裕見て6月の下旬に式を行うとしよう」
お義兄さんが結論を出す。
うん、6月が始まったばかりだから大分余裕はあるよね
「早速、招待状を作成して各国へ送ろう」
今度はシルフィが立ち上がってそう切り出した。
やれやれ、これで予定が決まったね。
「ところで義弟よ。フェンリル様の契約はどうする?」
ああ、そうか。
『フェンリル様、フェンリル様……お願いがあるのですが……』
早速【念話】でフェンリル様に声を掛けた。
いつも拙作をお読みただきありがとうございます。
日々の更新が滞っており不定期になっており誠に申し訳有りません。
活動報告の報告の方で第三回人気投票を行っております。
集計結果が出ておりますので、良かったらご確認下さい。
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『カット&ペーストでこの世界を生きていく』コミカライズ
原作:咲夜
漫画:加藤コウキ様
キャラクター原案:PiNe様
水曜日はまったりダッシュエックスコミックス様にて
http://seiga.nicovideo.jp/manga/official/dashcomic/
5/30から連載開始しております。毎週水曜更新との事です。
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是非、お手にとって頂ければと思います。
皆さんの応援が続けば次が見えて参ります。
何卒、宜しくお願い致します。
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コミカ版ですが加藤先生がとても頑張って頂いておりまして原作者の私から見ても続きが気になる出来映えです。
よろしければ是非こちらも読んで頂ければと思います。
ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報は逐次アナウンス致します。
こちらの方も覗いて頂ければと思います。
本編の方ですが新展開を交え元々のプロットの展開を書いていきます。