第265話 合同結婚式(3)
「義弟よ、相談なのだが、まず神獣様の存在については打ち明けないか?」
「特に問題は無いと思いますよ」
「そうか、それを聞いて安心した。フェンリル様の存在を話す事が出来れば我々と同じように神獣の契約を用いる事も出来よう」
「……僕のスキルの話の事ですか?」
「ああ、お前のスキルを前提とすれば各国の来賓を時間を掛けずに連れてくる事が出来るだろう」
「サーシャやスターシャ様はそれで良いでしょうが、帰りはどうするんですか?ご両親の前でスキルを見せるのはまずいのでは?」
「帰りは移動扉を使えばよかろう」
「そんなわけだから王宮行きの移動扉を1つ作ってくれ」
お義兄さんはそう僕の方を叩きながら軽く言ってくる。
あの扉、スキルの種を使うから、あまり作りたくないんだけどなあ。だけど、今回の件には有効なのは間違い無いもんね……。
「判りました。けど少し時間を貰いますよ」
「だめだ。結婚式の日程を早く決めなければならん」
「はぁ、なら僕の家の扉を先に使いますか?」
どうせ、僕の家の扉はあまり使用する機会が無いんだ。数日無くたって困る事はない。
「ふむ、それならすぐいけそうだな」
お義兄さんとの話が終わり僕達はサーシャ達の所へと戻った。
「お義兄さん、どうせならルカ様にもお話した方が良くないですか?」
「ルイスとルカ様は後日でいいだろう」
僕とお義兄さんの話を聞いたサーシャとスターシャ様が
眉を顰めて僕達にべーと舌を出してる。
流石、双子だけあってよく似てるよね。こんな仕草でも似るものなんだね。
そしてどちらも噂に違わぬ美人さんだ。
シルフィとアイシャの二人だけでも相当恨まれてるのに、こんな美人さんがお嫁に増えたら、どうなっちゃうんだろう。
あっ!!待てよシーラはそう言えば何処だ?
彼女にも話をしないといけないよね。
「シルフィ、アイシャ、シーラは何処にいるの?」
「……今は国賓として王宮に滞在して居るぞ」
返事はシルフィでもアイシャでもない、お義兄さんから帰ってきた。
「しまったな。一緒に連れてくるんだったか」
全然しまったと思ってなさそうにお義兄さんは大声で頭を掻きながら大笑いする。
その様子をジロッと不満そうに見つめるシルフィとスターシャリオン様。
「アイシャ、シルフィ、サーシャ、悪いんだけど僕はこのまま王宮に行ってくるよ」
既に移動扉の事は全員知っているので、問題は無いだろう。
いつも拙作をお読みただきありがとうございます。
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