第261話 女神交信と新たな敵
『……め、 女神さま……』
【女神交信】を使用して僕はフェンリル様の言う通りに女神様へ語りかけてみた。
『この声は、マインか?やっと声を掛けてきてくれたのね!?遅かったじゃないの?』
『はぁ、申し訳有りません』
『しかし、あなたのスキルの使い方はビックリしちゃったわ。私も全く想定してなかったからね』
『……はぁ、恐縮です』
『それで、何?用件は?』
『いや フェンリル様が石像の魔物については女神様に聞けと言われたので』
『ああ、アレね?困った事になったわねえ……』
な、なんと女神様が困ったと言うほどの事なんだ、あの石像は
恐る恐る女神様に聞き進めたところ、とんでもない事が判った。
これをファーレン様に報告するのはなんとも気が重いよ。
女神様が言うにはこの世界には裏世界という物が存在しているらしい。僕らの世界でわかりやすく言うと影らしいんだ
その影の世界はアンダーワールドと呼んでいるらしいんだけどアンダーワールドは女神様とは違う神が管理しているらしいんだ。
それで、僕らの世界に神獣様が存在するようにアンダーワールドにもそういった存在がいるんだってその存在は影王というらしい。
それで、石像だけど。影王の部下なんだって。
偶然?この世界とアンダーワールドが繋がってしまってそこから湧き出てきたと言う事なんだ。
アンダーワールドには僕らの世界にいる魔物とは別の存在の魔物がいるんだって
豚を元に魔族化したのがオークで。ヤドカリを元に魔族化したカリン。ダチョウが魔族化したヤグト、更に魚が魔族化したサハギン。こういった未知の魔物も存在してるらしい。
あ、最近僕らの世界で存在が発見されたアンティカもアンダーワールド固有の魔物らしいんだ。こいつは蟻の魔物だね。
なんでも影王がこの偶然繋がった場所を利移用して僕らの世界に進出しようと企んでいるらしいんだ。
これを防ぐにはその繋がった場所からアンダーワールドに乗り込んで影王を討たないといけないらしい。
厄介な事にアンダーワールドの魔物は僕らの世界の魔物よりも凶暴で強いらしいんだ。こちらにも向こうにも存在する魔物は
オーク、ゴブリンの2種類だけらしいけど。
それで女神様から僕に一つ依頼というかお願いをされたんだ
”影王を討て”と
けど、そんな事を言われても相手は神獣様と同列な存在だ。
いくら僕でも簡単に倒せる相手とは思えないよ。
『マイン、影王との対決に備えてつい仲間を集めなさい。そして私からも可愛い我が世界の者達全員に贈り物を致しましょう』
……えーっと女神様からの贈り物はとんでも無い物だった。
これは間違い無く大騒ぎになる。
女神様からの贈り物というのは
大きく分けて2つだ。
1つめは現在成人の際に授かるスキル、これを20歳を迎えるともう一度授かる事が出来ると言う物。
一度15歳でスキルを授かった者が20歳になっていれば改めて神殿にいく事で再度スキルを授かる事が出来るそうだ。
そして、もう一つは優れた武器や防具の提供、だ。
世界各地にバトルフィールドという場所を用意してそこで行われる戦闘に勝利すると特定の武器や 防具を入手出来ると言う物だ。
この武器や防具は女神様の祝福がついており、非常に高性能になるとの事だ。
あ、そうそう影王と戦うに当たって僕も1つ新たなスキルをこの場で授かる事が出来たんだ
そのスキルは
【女神の印】:スキルを使用する前に使用するとそのスキルの効果を大きく向上させる。
……これだ。
例えば体力回復小を使う前に使用すると効果が体力回復極大になるんだって。
正直、非常にありがたいスキルです。ありがとうございます、女神様。
……さて、必要な事はあらかた聞けたし。そろそろ、帰ろうかな。
『フェンリル様、女神様から色々お聞きしました』
『そうか、影王との戦いの折りには私達神獣で人化出来る者が同行させて貰うよ』
『具体的にはシヴァとユミルの二柱だね』
『それはとても心強いですね!!……けど、フェンリル様は付いてきてはいただけ無いのですか?』
『……私は残念ながら人化出来ないんだよ。だけど私のぼうやがいるじゃないか!』
フェンリル様が僕に頭を下げてきた。
確かにわっふるが側にいるのはとても心強いので助かっているのは間違い無い。
フェンリル様に礼を述べて僕は王宮に戻る事にした。
【固有魔法・時空】を使用し、わっふるを頭に乗せて黒い渦に飛び込む。
……さてファーレン様は一体どんな反応を見せるのだろうか。
正直言うと話がでかすぎて怖いんだけどね。
いつも拙作をお読みただきありがとうございます。
日々の更新が滞っておりまして誠に申し訳有りません。
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加藤先生がとても頑張って頂いておりまして原作者の私から見ても続きが気になる出来映えです。
よろしければ是非こちらも読んで頂ければと思います。
ツイッター@Sakuya_Liveの方でまた続報はアナウンス致します。