第253話 マインの同窓会(2)
「姫様~、誰だったんですか?」
「ああ、旦那様の友人らしい。コレを預かった」
私は姫様が取りだした封書を受け取り透かして中を見た。
「あら?同窓会の出欠票みたいですね
「んっ……そんな事を言っていたと思う」
「そうか~マイン君から余り昔の事は聞かないから知りませんでしたけど冒険者ギルドの養成学校に通っていたのね」
「ふむふむ、旦那様の事だから学校では大層な人気者だったのだろうなぁ?……」
「ところでアイシャ、その旦那様はまだ帰らないのか?」
「いやですよ、姫様!さっきも言いましたけど、まだ王宮から戻ってきていないです。そんなに気になるなら」
「【念話】でマイン君と話せばいいじゃないですか?」
「いや、いい。直接王宮に迎えに行ってくる」
「アイシャさん……その念話ってなんの事でしょう?」
「サーシャ様にも近いうちにお話出来ると思いますので……出来ましたら今は聞き流して下さい」
「そうですか、それも言えない秘密という事なのですね?……判りました。いずれお聞かせ頂けるという事ですから今は聞きません」
「……ですが、アイシャさん。私の事はサーシャと呼び捨て下さい。もう家族になるのでしょう?」
「ええ、判りましたサーシャ」
「ん~まだ……堅いなぁ……もっと普通に話してもらえるかなぁ?」
「ふふっ、判ったわ、サーシャ。改めて宜しくね」
「は、はい!アイシャさん、こちらこそよろしくです!!」
「ふふっいやだわサーシャったら。私の事は呼び捨てで呼んでくれないのかしら?」
「ふふっごめんなさいアイシャ。ところでシルフィード様はどこに?」
「ああ、姫様ならマイン君の帰りを待ちきれないみたいで王宮まで迎えに行ったわよ」
「……そうですか、ではマイン様もシルフィード様もお帰りは夜分遅くですね?」
「いいえ、早ければ1時間程度で戻ってくると思うわよ」
「……し、しかし、この町から王都は馬車で半日は掛かると聞きました」
(う~ん移動扉については話しても大丈夫かな?)
「ううん、王都までなら一瞬で行けるわよ 移動扉という魔道具があるの」
「え?じゃあ、王都にいる姉さんにもすぐに会えるって事?」
「スターシャリオン様に?予定の調整が出来れば大丈夫じゃないかしら?……次期王妃様だから中々都合が付かないかもしれないけれど……」
「……へえ、その移動扉というの見せてくれない?」
「いいですよ、|あれ(移動扉)はクランハウスの方に設置されてますから一緒に行ってみます?」
私はそう言い、サーシャの腕を取り二人で永久なる向日葵のクランハウスへと移動開始し件の移動扉の前までやってきた。
「え?、アイシャ……?この扉がそうなの?なんかぼんやり光ってるけど大丈夫なの?」
そうなのだ。移動扉そのものがうっすらと光り輝いていたのだった。
「ああ、向こうからこっちに誰か来るのだと思います。取りあえず、そこの影に隠れましょう。危険は無いと思いますけど、一応……」
私とサーシャが物陰に隠れると移動扉はキィ~と音を立てて開き、中からフルプレートの女騎士が姿を見せた。
……そう、他でもない。シルフィード姫だったのだ。
「姫様っ!」
「ん?アイシャか何でそんなとこに隠れている?おや?よく見ればサーシャ殿も一緒なのか」
姫様がそう声を出すとその後ろから私達の伴侶であるマイン君の姿とシーラ姫の姿も見えた。
「ただいま、アイシャ、サーシャ」
「マイン君おかえりなさい。シーラ様の件どうだった?」
「……ん、それは後で話すよ」
「それから、留守中に同窓会の知らせが届いたわよ。養成学校時代の話も聞かせて欲しいわね」
「あ、うん。シルフィから聞いたよ それも後で一緒に話そうかな……けど面白い話では無いと思うよ?」
「ううん、いいのよ。私達が知らないマイン君の事も知りたいし……」
更新が滞っており、申し訳有りません。
問題の足の痛みですが依然続いてはおりますが少しずつ良くなってきております。
完結時期も一応、2月末と決め手は居ますがここのところ更新出来なかった分がありますので
こだわらずに私が満足出来るように書き続けようと思っております。
今後とも宜しくお願い致します。