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第249話 第四の魔人

宿敵ザナドゥを倒し、目的のミスリルも手に入れる事が出来た。

ダンジョンコアについてはファーレン様から手を出さないように言われているから

力の迷宮(ダンジョン)での用事は全て終わったと言えるだろう。

さっさと家に帰ってテンペスト・エッジの【錬成】を行う事にしようか。


ボス部屋を見渡しながらそんな事を考えているとふと、ザナドゥの亡骸が目に入った。


……ザナドゥの亡骸をどうしたもんか?

持ち帰っても何かの素材になるわけでもないし、放置しておくのも憚れる。

ザナドゥの亡骸の処遇に思慮しているとブゥンと言う音と共にボス部屋の中央当たりに

黒い渦が現れた。

そう、【固有魔法・時空】で出現するのと同じ渦だ。

つまり、何かがここに来ようとしている、という事だろう。

僕の味方……では無い。何故なら僕以外に【固有魔法・時空】を使える者はいないから

恐らくあの渦は魔人達の使っていた転送石によって作られた物だろう。

……となれば現れるのは魔人、だ。

そう頭の中で考えをまとめ、僕は立ち上がり出現下渦から大きく距離を取った。


「おや?ザナドゥの姿が見えないね」

黒い渦から出てきたのは以前見た事がある魔人の女ロゼリエだった。

いや違う。ロゼリエとは別にもう一人女性がいる。

「待てロゼ、そこに倒れてるのはザナドゥじゃないか?」


-----------------------------------------

名前:ロゼリエ・フェアクルーズ

LV:105

種族:魔人族

性別:女


【スキル】

無し

-----------------------------------------

名前:カンパネル・フェアクルーズ

LV:109

種族:魔人族

性別:女


【スキル】

固有魔法・時空

死者傀儡

死霊召送還

-----------------------------------------

……ん?家名が一緒という事は姉妹なのかな?


「カンパ姉さん、そうだ、あれは確かにザナドゥだ」

「どうやら負けちゃったみたいだねえ」

僕の事は目に入らないのか、呑気に二人はそんな会話をしている。

「ちょっと、ザナドゥ。何寝たふりしてんのさ迎えに来たよ。さっさと起きな」

カンパネルという新たな魔人が大声でザナドゥに声をかけてる。

「おや?ロゼ、ひょっとしてザナドゥのやつ死んでいるんじゃないかい?」

「そうみたいだ。だったら姉さん、死者傀儡を使ってみなよ」

「嫌だよ。ザナドゥなんかを使役したら面倒ごとしかおこらないじゃないか、アンタがやりなよ」

「……無理よ。姉さんも知ってるでしょう?私が急にスキルが使えなくなった事」

「ああ、カイエン様が言うには特異点の仕業じゃないかと言う事みたいだね……そんなスキルを使えなくするなんて事が出来る物なのかねえ?」

「取りあえず、ザナドウをさっさと傀儡蘇生しちゃいなよ、姉さん。例え死んでても連れて帰ればカイエン様も喜ぶだろう?」




……う~ん。姉妹揃って厄介なスキルを持ってるなあ。しかもなんだ?姉の方は【固有魔法・時空】を持ってるぞ。

取りあえず、何かされる前に【カット】しておこう。

こいつらもここで倒せば魔王軍は相当弱体させる事が出来ると思うし……。

「じゃあ、彷徨える戦士ザナドゥの魂よ……カンパネル・フェアクルーズの呼びかけに応えよ!」

「あ、あれ??」

「おかしいわ!ロゼ。私も死者傀儡が使えない。使えないわ!!他のスキルも使えない」



「取りあえずスキルの事は後回しにしましょう。ザナドゥを収納しちゃいな」

カンパネルの指示でロゼリエがザナドゥの骸を収納し始める。

悩んでいた骸の処遇が勝手に決着してしまい。僕は若干の肩すかしを感じたが、悩みが無くなったと前向きに考える事にしよう。


それよりもこの二人の魔人をどうするか、だ……。

悩んでいるうちにカンパネルが懐から取りだした何かを地面に投げつけたのだ。

ボムっと言う音と共に、黒い渦が出現する。

……転送石だ。

逃げられちゃったか……。

だけど、カンパネルと言う新たな魔人からスキルを【カット】出来たのは大きい。もう彼女は戦力外と思って良いだろう。


これで、本当に用事は無くなった。帰ろう。

【固有魔法・時空】を僕は使って帰り支度を行う。

『わっふる、帰るよ』

そうわっふるに声をかけるとわふっとひとなきして僕の頭の上まで一気に駆け上ってくる。

定位置に陣取ったわっふるはペシペシと僕の頭を叩いてきた。

わっふるを頭に乗せたまま僕は渦の中に飛び込み、自宅へと帰り着いたのだ。




「ただいま」


僕が笑顔でそう告げるとアイシャとシルフィが猛烈な勢いで抱きついてきた。


「おかえりなさい。ザナドゥとの決着、おめでとう。そしてお疲れ様」

「旦那様、王宮にはザナドゥ倒れるという一報をいれておいたから、これで各国は活気づくだろう」


どうやら、魔人ザナドゥの死についてはファーレン様へと既に伝わったみたいだ。

「さてミスリルも手に入ったから、ルイス殿下に頼んでインゴットにしてもらわないと……」

「マイン君、それなんだけど……インゴットの生成には鍛冶スキルが必要なの。錬金術じゃなくて」

「ロク親方なら出来るんじゃないかしら?」

アイシャから指摘を受け僕が大きな勘違いをしてた事が発覚した。

大変申し訳有りません。の予約投稿失敗したみたいですので。緊急でUUP致しました。


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