第233話 始まりの弓(4)力の迷宮(ダンジョン)
デーモンの徒党を苦戦の末何とか倒した僕は手に入れたミラーシールドを改めて【鑑定】してみた。
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名前:ミラーシールド
階級:超級
属性:無属性
特性:魔法を反射する▼
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あれ、良く見ると特性の一番最後に「▼」が
なんだろコレ?僕はこのの▼を強く意識し、押すイメージをしてみた。
……すると
特性:魔法を反射する▼
反射した魔法の一部を吸収し蓄積出来る。蓄積量が一定量を越えると
任意に放出する事が可能。
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新たな説明文が出てきた!なるほど、あの攻撃はそういう事だったのか。
なかなかに厄介だね。ただ、自分たちで使う分には良い物だ。
特に近接で戦うシルフィには随分と役に立つだろう……と思う。
さて、さっきの戦いの苦戦した理由も理解出来た事だし、ボス部屋を目指して進むかな。
さて、ボス部屋は何処だろうか。
そんな事を呟きながら僕は【地図】を開けてボス部屋を探し始めた。
ん?このまま真っ直ぐ行ったら右手に1つだけ大広間があるね。
多分、これがボス部屋だろう。
大広間の中に1つだけ魔物の反応がある。
エンシェント・デーモン。うん名前からしてボスっぽい。
間違い無いだろう。
……さあ、次はいよいよボス戦だ。待てよボス部屋へ行く通路にもデーモンの徒党が一組いるね。
まずはそいつらから掃討だな。
僕は立ち上がり、愛する妻達の元へと走って行く。
「マイン君の馬鹿ァッ!!!」
「うん、旦那様は大馬鹿だ」
戻った途端、泣き顔のアイシャに頬を叩かれた。所謂ビンタってやつだ。
……そして二人から揃って馬鹿呼ばわりされてしまったよ。……一体何故?
「心配したじゃない!!死んじゃうかと思ったじゃないの~」
アイシャは泣き顔のまま僕をぎゅっと抱きしめながら【魔法・回復大】を何度も何度も掛けてくれた。
「旦那様、聞いてくれ、我々は夫婦である前に1つのパーティだ。何故私達を頼らない?」
「そりゃ、私達は旦那様と比べれば実力が足りないだろう」
二人の実力を信用してないわけでは無いのだけど、どうしても女性だけを戦わせて、自分は見学というのは僕は気が引けてしまう。
……だから、二人が戦闘をするというのならば、……僕は僕なりのやり方で二人を支援しようと思う。
「このまままっすぐ行くとデーモンがまた一組現れるよ。早速、そいつらは、二人に任せてもいいかな、僕は支援に回るからね」
まず支援の手始めにデーモンの所持しているミラーシールドの詳細を説明した。
「……なるほど、それでさっきは不覚を取ったという事か?」
「うん、あの盾は沢山持って帰ってうちの騎士団に配ろうと思うんだ」
「……ああ、いい考えだと思うぞ」
三人で話していると次の奴らがゆっくりと歩いてくる姿が目に入ってきた。
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名前:パワーデーモン
LV:66
種族:悪魔族
性別:♀
【スキル】 水流撃
タイムコントロール
ウォータダガー
操盾術・極
【アビリティ】 衝撃波
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おや?さっきの連中とはスキル構成が若干違うぞ。
取りあえず、スキルとアビリティは全部【カット】して足下とそれぞれの体を【ペースト】する。
「二人とも来たよ。多分、転ぶはずだから、そこが好機だよ」
アイシャが弦をギリギリと引き絞り、次々と矢を放つ。僕は矢を放つ前にその鏃に【魔纏衣】で【消滅魔法】を纏わせた。
「アイシャ、ちょっと鏃に細工しておいたよ」
【魔纏衣】の魔法も弾かれるかな?たあいつらに【魔纏衣】の事なんて判らないだろうから大丈夫だと思うけど……。
僕の目論見はうまく行ったようだ。
矢が命中した部分が煙のようになって次々に消滅していく。
そして、先ほどと同じく「ギャイーギャワギャワ」と謎の言葉を喚きながら大騒ぎし出してその場に崩れ落ちてしまう。
どうやらすっかり戦意喪失してしまったようだ。
「うーん。狙い通りに行ったのはいいんだけど、命中した部位しか消滅しないのか。では、剣に纏わせたらどうだろう?」
「な、何したの?マイン君……」
呆気にとられる二人に僕が何をしたのかを教えると二人してため息をついて「事前に教えて」と怒られた。
結果的に上手く言ったんだからそんなにも怒らないでもいいのに……。
戦意を無くしたデーモン達を見てシルフィがすっと立ち上がった。
「シルフィ、ライナス・スワードに今度は【魔纏衣】を掛けるよ。気をつけて扱ってね」
シルフィは大きく頷くと、ダッと駆けだして行く。
「トォォォリャーー」王女らしからぬ叫び声を上げて振るわれるライナス・スワード。先ほどのアイシャの攻撃のように
剣が触れたところからデーモンの体は消滅していく。……結果、たった、4回シルフィが剣を振るっただけでデーモン達は全滅したのだ。
「これはとんでもないな……」
【地図】といい、【魔纏衣】と言い【消滅魔法】といい、最近手に入れた力は破格すぎる。
カット&ペーストだけでも破格過ぎるのに一体、どれほど強くなっていくのか?シルフィードは
凄まじい力を手にした夫の姿を見てそんな事を思うのだった……。
「どうやら、無事に終わったようだね。さっきの話に戻るけど……僕は二人の実力を信じていないわけじゃなく、女性を戦わせて自分が見学なんて我慢出来ないだけなんだ」
「そうだな、まあ、旦那様ならそう考えても不思議は無いだろうな……」
「……判ったわ、マイン君、けどね私と姫様をもっともっと頼って欲しいの。その事だけは覚えて置いて欲しいの」
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