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第230話 始まりの弓(1)

解体部屋から出ると妻達が集まっていた。

「ねね、マイン君……今のすっごい光って何?何だったの?」

そうか、窓からあの光が漏れていたんだ……確かに凄い光だったもんな。


「あれは【錬成】の光だよ」

僕がそう告げるとシルフィが口を開いた。

「そうか、旦那様、無事完成したんだな?」

「……か、完成ですか?」

アイシャはそれで判ったらしく笑顔を浮かべるが、サーシャは訳が分からないとキョトンとしている。

「マイン君、それで、どれ?どれが完成した短剣なの?」

アイシャがその場でぴょんぴょんと飛び跳ねながら完成した短剣を見たがった。


「これだよ」

右手に完成したばかりのサイクロン・エッジを持って三人にお披露目する。

見た目は始まりの短剣と同じく真っ黒だ。ただ、刃先は随分と大きく長くなっており、以前より強そうな武器だと認識できる。


「アイシャ、実はコレね。まだ成長するみたいなんだ」

「次の錬成で必要な素材が大変で、何処行けばいいか教えてくれないかな?」

「いいわよ、何がいるの?」

「マンティコアのなめし革とミスリルインゴットなんだ」

「ミ、ミスリル!?」

「えっとね、マンティコアは力の迷宮(ダンジョン)の最下層かな?」

ミスリルインゴットは残念だけど一番ポピュラーなのは、ミスリルゴーレムを倒す事でしょうね。

「ミスリルゴーレム?どこに居るんだろう?」

「昔聞いた事があるんだけど、力の迷宮の最下層のボスがミスリルゴーレムだって聞いたわ。

けど、違う時もあってなんとも言えないというのが今の所のギルドの見解だわ」

「う~ん、どうしたもんかな?フェンリル様は知らないかな?」

「神獣様ならご存じじゃないかしら?魔物達を統括してるんだし」

『フェンリル様、聞こえますか?僕ですマインです』

『ん?マイン、どうしたんだい?お前から連絡なんて珍しいねえ』

『教えて欲しい事がありまして』

『なんだい?私で判る事なら何でも答えるよ』

『ミスリルゴーレムの居場所とエルダートレントの居場所を知りたいんですけど』

『ミスリルゴーレムとエルダートレント?ミスリルゴーレムは力の迷宮(ダンジョン)の最下層のボスだ。エルダートレントは世界樹の迷宮(ダンジョン)の2階にいたはずだよ』

『けど力の迷宮(ダンジョン)に居ないときがあるって……』

『そりゃ、そうだよ。途中にいるトロールゲイザーを倒していないと出現しないからね』

なんて事だ。トロールゲイザーなんてレアポップの魔物だぞ。

カシューさんのように迷宮(ダンジョン)に泊まり込まないとダメかもしれないな……

『判りました。ありがとうございます』

そうか、力の迷宮(ダンジョン)か。

「力の迷宮(ダンジョン)であってるみたい。ただしミスリルゴーレムがボスで出てくるのはトロールゲイザーを倒した時らしいんだ」

「なるほど、そんなカラクリがあったのね以前倒した時、最後まで行けば良かったね」

「ちょっと待ってくれ。トロールゲイザーだって!?それはこのライナススワードを落とした魔物だろう? もし、もう一本手に入ったら兄上が欲しいと言ってたのだが……」

アイシャに続き、シルフィがそう話す。

「お義兄さんが?いいよ。どうせうちでは使い道も無いしね」


「じゃあ、次は力の迷宮(ダンジョン)ですね?」

「いや、先にアイシャの弓を成長させよう。エルダートレント材から集めてこよう。これは世界樹の迷宮(ダンジョン)らしい 」

-----------------------------------------


名前:始まりの弓

攻撃:+10

階級:無級

属性:成長

特攻:無し

必要素材:マンティコアのなめし革×3、エルダートレント材×10、上級魔石×2


-----------------------------------------

「どちらにせよマンティコアは倒さないといけないけどね」


『わっふる、クゥおいで。迷宮(ダンジョン)に出かけるよ』

【念話】で二匹に声を掛けるとあっという間に二匹は僕達の元にやってきた。


『わふ、めいきゅうにいくのか?どこいくんだ?』

『世界樹の迷宮(ダンジョン)だよ2階のエルダートレントを前みたいにわっふるに引っ張ってきて貰いたいんだけど大丈夫?』

『きゅーきゅー、お母様に会えますきゅー』

「じゃあ、行こうか?サーシャも連れて行った方がいいね。ケートス様の加護を貰えたらクゥとも話せるようになるし」

僕がそう言うとシルフィが家の中にさっと戻りサーシャを連れてきてくれた。

「じゃ、いこう」

【固有魔法・時空】を使い、直接世界樹の迷宮(ダンジョン)に繋ぐ。恐らく目の前にケートス様がいるはずだ。


「よし、着いた」


予定通り、ケートス様の前に到着し、まずは挨拶をする。

『ケートス様こんにちは、お久しぶりです。僕の新しいお嫁さんを連れてきたので加護をいただけ無いでしょうか』


『うちの子と遊んで貰わないといけないからね、勿論いいよすぐに加護を授けましょう』


これで、うちの家族は全員、ケートス様の加護を授かった事になる。


『じゃあ、わっふる、エルダートレントを出来るだけ沢山引っ張ってきて貰えるかな?』

『きゅー、クゥもいきますー』

『わふ、まかせろ』

『大丈夫だと思うけど気をつけてね』

エルダートレントは樹木の魔物だ。炎の魔法は厳禁だな。肝心の素材まで燃えちゃう。使う魔法は

固有魔法・極光】【範囲魔法・風極大】【範囲魔法・水極大】【範囲魔法・土極大】この4つだ。

まず、僕は【魔術の極み】を使って魔法の威力を底上げする。わっふる達が走って行って5分ほどで

大量のエルダートレントがノッシノッシと歩いてくるのが目に飛び込んできた。

その前方にはわっふるとクゥがいる。エルダートレントは樹木だけに動きが非常に鈍いみたいで

わっふる達は随分余裕があるように見える。

『わっふる、クゥいいか、目の前に【固有魔法・時空】の渦を作るから飛び込むんだぞ』

『わふ、わかったぞ』『きゅー、わかりましたおにいさまー』

わっふるとクウが返事をした瞬間に僕はわっふる達の目の前に【固有魔法・時空】の黒い渦を作り出した。

わっふるとクゥが飛び込むと僕達のすぐ真後ろに逃げ出せるという寸法さ!

打ち合わせ通り、わっふる達が飛び込んだ瞬間、僕は極大魔法を連発し始めた。激しい爆音が辺り一面に鳴り響き

静かになったときには、目の前には崩れ落ちたエルダートレントの骸の山だった。

僕は連続して【カット】していき、エルダートレントから木材をどんどん採取していった。

採取した木材はシルフィがどんどん収納袋に放り込んでいく。

よし、30本ほど回収出来たので帰って休む事にしよう。

『わっふる、クゥご苦労様。ありがとうね助かったよ』

……さて、次は力の迷宮(ダンジョン)だ。ついでなのでスキル錬成が出来るようになったから素材分のスキルも色々集めておこう


いつも拙作をお読みただきありがとうございます。

よろしければ是非ツイッター(@sakuya_Live)もどうかご覧下さい。

簡単な作品に関するアンケートや更新に関する情報をつぶやいております。

ツイッターと活動報告でも告知済みですが書籍第2巻の発売が決定しました。

★2018年1月10日に発売です★

また本作のコミカライズが決定しました。

具体的な詳細はまだ出ておりませんが順次、ツギクル様の作品ページやツイッター、活動報告などでご案内致します。

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