第226話 マインの相談
マイヤさんの様子を見た後、ガーネット様に挨拶をして僕達はさっさと家へと戻っていった。
ルカ様の事をお嫁さん達に相談しないといけなかったのだ……。
「お帰りなさいマイン君、姫様。マイヤ様はどうでしたか?」
アイシャが出迎えながら、問いかけてくる。
「ただいま、アイシャ。マイヤさんはお元気だよ。今の所はね。あ、悪いけど緊急で相談をしたいんだ。あとで僕の部屋に来てくれるかな?」
「え?ええ?マイヤ様が元気?どういう事?相談?いいわよ。すぐ行くわ」
「いや、サーシャはいいよ」
「……判ったわ」
「旦那様家族会議ってどうしたんだ?マイヤの事か?」
「……いや、違うよ」
シルフィと話しているうちにアイシャ、クゥが集まってきた。
「マイン君、来たわよ」
僕は集シルフィとアイシャを見ながら、その場に座り込んだ。
「二人ともありがとう。……相談というのは……実はルカ様の事なんだ」
「「「ルカ様?」」」
「うん、救出したときに【鑑定】したんだけどルカ様は魔人の、……ザナドゥの子供を
身ごもっていたんだ。 ルカ様は望んでいない妊娠と言っていたので。【カット】して小石に貼り付けたんだ」
「二人に相談したいのはこの妊娠という状態をどうするべきかと、周りへの告知をどうするか、なんだ」
「ちょっ、ちょっと待ってくれないか?旦那様もう【カット】はしているんだよな?」
シルフィが慌てて確認してくる。
どうしたんだろ
「うん、【カット】してこの小石に貼り付けたよ」
「……そ、そうか」」
「なんで?」
「いや、旦那様はこの妊娠というステータスをどうしたものかと相談したいんだよな?」
「うん、そうだよ、ザナドゥに貼り付けるとか二重カットで消去してしまうとか、女性の意見も聞きたくて」
「……待ってくれ旦那様。ふと思ったのだが、その状態で赤ちゃんは生きているのか?」
「え?多分だけど亡くなってると思う」
「やはりそうか……では旦那様の相談は周囲への周知をどうするか、という事だけでいいな?」
「マイン君、それはルカ様も交えて話し合った方がいいんじゃないかしら?」
アイシャの発言を聞き僕とシルフィが顔を見合わせる。
「ああ、確かにね、勝手に僕達で決めてしまうよりルカ様の意見も聞いた方がいいよね、流石だよアイシャ」
「じゃあ、一度王宮にいこうか。参加者は僕、シルフィ、アイシャ、ルカ様、と言うところだね、あまり広めたい話じゃないし」
全員が頷いたのを確認して僕はすぐさま、【固有魔法・時空】を仕様する。
「サーシャに出かける事を伝えてから僕は向かうからルカ様と合流しておいてくれるかな?」
僕は今まさに黒い渦へと飛び込もうとするシルフィに声を掛けて部屋を飛び出した。
サーシャは自分の部屋に居た。
ドアをノックしてから、中のサーシャに声を掛ける。
「サーシャ、申し訳ないけどみんなと王宮に行ってくるのでわっふると留守番していてくれるかな?」
「……はい、わかりました」
『わっふる、少し頼むね.何かあったら【念話】で呼んでね』
『わふ!おれおるすばん がんばる!かえったらおふろにはいりたいぞ』
『わかったよ、帰ったらね』
「じゃあ、行ってくる」
「はい、いってらっしゃい、マイン様」
サーシャに言付けも終わり、僕はその場で【固有魔法・時空】をもう一度使用して王宮へと向かう。
王宮のいつも部屋には先に行った二人は既に居なかった。僕の依頼通りルカ様を探しに行ってるんだろう。
『シルフィ、アイシャどこ?』
『マイン君、今国王様に部屋を借りれるように姫様がお願いしてるところよ。いつもの部屋で待ってて』
しばらく、いつも部屋で待っていると外から話し声が聞こえてきた。
「ふう、来たか」
ドアが勢いよく開き、シルフィの良く通る声が部屋中に響き渡った。
「旦那様、待たせたな。父上に部屋を貸してくれと頼んだら、この部屋を使えと言われたのでここで話そう」
元々この部屋は王宮の離れに位置しており、普段から人が立ちよる場所じゃ無い。今回の話に使うには確かに最適だろう。
よくみればルカ様も所在なさげに周りをキョキョロ見ながら付いてきていた。
「……あ、あの、私に何かご用でしたでしょうか?」
「うん、実はね、ルカ様の子供の事を周囲にどうやって話すか?それとも話さないかを相談しようと思って……」
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ツイッターと活動報告でも告知済みですが書籍第2巻の発売が決定しました。2018年1月10日に発売です。
シルフィード外伝を書き下ろしに書かせていただいております。
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