第224話 魔纏衣
「さて、私のスキルのマイン説明するからちょっと付き合っておくれ」
「まず重要なのは【魔纏衣】だろうさ」
「このスキルは魔法を特定の物に纏わせる事が出来るスキルだよ
例えば自分の体に極大魔法を纏わせておけば相手は体に触れるだけで身に纏った極大魔法を受けるんだ。
しかもこれは使用者がキャンセルをしない限りずっと効果を維持してる」
お前は魔法も使えるんだろう?なら役に立つだろうさ。
……へえ、それは凄いなあ。待てよこれがあればザナドゥとも楽に戦えるんじゃないか?
【錬成】については説明要らないね?スキル錬成を色々やってみるんだ。
あ、まてよ。これで自分で始まりの短剣を錬成出来るじゃ無いか。これも有りがたい。
【鑑定・全】はスキル錬成してみよう。【鑑定・全】+【鑑定・全】で一体何が出来るんだろう?楽しみだなあ。
【女神交信】は文字通り神様と会話出来るスキルだ、お前にスキルを譲る事は女神様には伝えてあるから安心しなさい。
……神様に話しておいたって言われても安心なんか出来るわけ無いよ!
ところでマイヤさん、随分お元気そうですね?
「ああ、見ての通り元気なもんさ。ガーネットの奴が未来視で私が逝くのを見てしまったので慌ててしまったね」
「わかりました、もし何かあれば【念話】で呼んで下さいこの前の【念話】まだ持ってますよね?」
「ああ、あるよ、危なくなったら呼ばせて貰うよ」
……そうか、すぐに亡くなると言う訳ではないんだ……。
それより【魔纏衣】か、凄いスキルを貰ってしまったよ。これなら、もうザナドゥだって敵じゃ無いだろう。
あいつにはルカ様の分まできっちりとお返ししてやらないといけないからな。
あいつを倒すには……僕の持ってる魔法だと……あ、そうだ、即死魔法……いや、だめだあいつは自分の犯した罪を悔いて貰わないと……。
なら、魔王から【カット】した【消滅魔法】ならどうだろう。これなら……きっと恐らくヤツは苦しむ事になるだろう。
ザナドゥと戦ってみて判ったのはこちらが認識できないうちに攻撃を受けていると言う事だ。恐らく攻撃時に接触しているはずなので消滅魔法を
身に纏っておけば接触した部分が消滅するだろう。腕が無くなれば、今後生きていくのが苦しくなるだろう。
足が無くなれば、歩けなくなる。
罰としては妥当だろう。
うん【地図】でザナドゥの居場所を調べて、決着をつけに行くのも悪くないな。ルカ様の苦しみを少しでも教えてやらねば。
だけど、せっかく【錬成】出来るようになったんだ。かねてより懸案だった始まりの短剣を作ってみたい。ライトニングエッジも鋼鉄短剣も良い武器だけど、魔王や魔人等といった強敵と戦うのなら更に良い武器はあった方が良いだろう。
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名前:始まりの短剣
攻撃:+10
階級:無級
属性:成長
特攻:無し
必要素材:トロールのなめし革×10、アイアンインゴット×20、上級魔石
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トロールのなめし革は錬金術で手持ちの皮をなめして貰わないと、これはルイス殿下に頼もう。
アイアンインゴットはルーカスのロク親方に頼んで手に入れれる筈だ。
上級魔石はハイオークの魔石があるので既に持っている。
となれば、案外早く作る事が出来るんじゃ……。
まず【【念話】】でルーカスのアイシャに連絡だ。
『アイシャ、きこえる?アイシャ……』
『ええ、聞こえるわよ、マイン君、どうしたの?』
『ロク親方のとこにいってアイアンインゴットを買えるだけ買ってきて欲しいんだ帰ったら始まりの短剣を作るよ』
『とうとう作るのね、判ったわ、アイアンインゴットだけでいいのね?』
『うん、それだけでいいよ』
よし、これでいい。家に戻ったら早速取りかかってみよう。
「マイン殿、もう王都にいらっしゃったか?よろしければ手合わせいただけ無いだろうか」
僕に声を掛けてきたのはほかでもない。第二騎士団長セシルさんだ。
手合わせかあ……。魔纏衣のテストでもしてみるかな。
「セシル団長、構いませんが、やるというなら本気でやりますよ、いいですか?」
「ああ、勿論、構いません。いいのですか?私も本気でやりますよ。仮にも騎士団長の私が本気を出したらあなたとて無事では済まぬでしょう」