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第219話 亡命

……さて、ジャック殿の亡命は勿論、お受けするのは決定としてもリッツ王国までお迎えに参らねばなるまいな セシルをもう一度向かわせるか、いやセシルでは不安が残る……

フランツがおれば良かったのだが…… 待てよ、フランツ……マインに行って貰うのが一番良いかスキルの事は話せないから王家の馬車を使えばよかろう。

そう、頭の中で結論付けて私はメイド長のミーティアを呼び寄せた。 「ミーティア、すまないがマインとシルフィを大至急呼んできてくれ」

ミーティアは私の指示を聞いてすぐさま、二人を呼びに走って行った。

そう言えば「ミーティアとセシルの事も考えねばならんか。 「ミーティアとセシルの事を考えていると 呼び出していた二人が早速来たようだ。


「国王様、お呼びと聞きましたが……?」

「おお、マイン来てくれたか」

「はい、シルフィもすぐに来ます」

「いつも頼ってばかりですまないが、二人でリッツ王国まで行き、オオセのジャック国王夫妻をここまで連れてきてはもらえんか?」

「国王様それは構いませんがスキルの事が……」

「ああ、王家の馬車を出すスキルは使わずそれを使ってくれれば良い。、シルフィが同行すれば王家の馬車に乗っていても問題なかろう」

僕はシルフィの到着を待ち、駆け足で王家の馬車の出立場所へと向かうのだった。 僕が王家の馬車に乗るのはこれで二度目だ。

神霊の森のゲームの時と今回だ。

御者さんは専属の人のようで、僕達を見て頭をぺこりと下げてくる。 「こんにちは!国王様の指示なのですがこれから僕とシルフィをリッツ王国まで乗せていっていただけまますか?」


「ええ、連絡は来ています早速参りましょう。どうぞお乗り下さい。国王様から急ぐようにと指示を受けておりますので飛ばしますよ」

御者さんの言葉通り馬車は通常の馬車と比べて相当な速度で走り始めた。 「いくらこの馬車でもリッツ王国までとなりますと到着は明後日になるかと思います」 御者の人が窓から顔を出し

そんな事を伝えてくる。 「ああ、分かっている。出来る限りで構わない、父上にも私から伝えておくので安心してくれ」 御者さんにシルフィが優しく返答を返すと馬車の中の雰囲気がほっと

やわらいだものになった。 馬には【再生】を貼り付けて頑張って貰い昼夜走り続けてついに僕らを乗せた馬車はリッツ王国へと到着した。 王都に入るための入国審査の列に並び担当者に

オーガスタから王命でやってきた事を伝えると審査を優先して行ってくれた ここでも姫騎士シルフィードの勇名は届いているようで審査も実にあっさりとパスする事が出来た。

 僕らは皆の並んでいる場所から離れた所に移動させられてしばらく待っているとリッツ王国の唯一の知り合いである 兵士長のカイトさんが慌ててやってきた。

「マイン殿、よく来て下さった、歓迎します。シルフィード様も遠路わざわざありがとうございます」

「カイトさん、お久しぶりです」

「国王様にお会い出来ないでしょうか」

「オオセ国王様を迎えに参りました」

「ああ、聞いております、まさかお二人が迎えにいらっしゃるとは……」

カイトさっんに案内されて僕とシルフィは王宮の中を進んで行く。 オーガスタの王宮とは大分雰囲気が違うな?

戦時中だからかな?

妙に浮き足立っている気がするよ、カイトさんに案内された部屋で座って待っているとすぐに人がやってきて声を掛けられた。

「おおっ婿殿!!遠路はるばる良く来てくれたサーシャリオンはどうだ?気に入って貰えたか?」

「……ま、まだよく分かりません」 リッツ国王様だと思われる方に僕は素直にそう答えた。

結婚式もした訳では無い。

どうだと言われても答えようが無い。

せいぜい、随分と綺麗な女性だなあ、位なものだろう……アイシャ、シルフィという美人と暮らしている僕からみてもサーシャはとても美しかった。

彼女とはこれから時間を掛けて理解し合っていけばいい。

……だから今はこれで正解だろう。

「エリック陛下、大変お久しぶりです、シルフィード・フォルトゥーナです」

僕がそんな会話をしている間に、シルフィが背後から挨拶の言葉を述べていた。 そうか、シルフィはリッツ王に面識があるんだな。そりゃ、当然だろう。

ファーレン様がシルフィもつれていけと言ったのはこれも見越していたのか……。

なるほど、確かにこれはありがたいカイトさんの口添えだけでも良かったと思っていたけど間違いだったみたいだ

「それで、エリック様、オオセのジャック陛下をお迎えに参ったのですが……」

「おお、亡命の件、承諾いただけたか。ジャック殿もお喜びになるだろう。」

「はい、我がオーガスト王国はオオセ国王ジャック様tそのご家族の亡命を受け入れます」 シルフィが声高々と宣言する。

すると、恰幅の良い男性が入室してきて涙ながらに訴えかけてくる。 「おお、ありがたい、シルフィード殿下、我が娘のルカもお救いいただき、感謝の念に堪えません」

そうか、この方がオオセのジャック国王様か。

「ルカ様はお元気で、オーガスタでご家族の皆さんを待っております」

「では、ジャック様、参りましょうか。ご準備はいかがでしょう?」

「元々身一つで逃げ出してきたのだ用意など何も無い、すぐにでも発てますぞ……エリック殿世話になりましたな」

「おっとその前にお二方に我が家族を紹介せねばなりませんな」

オオセ国王様はそう言って家族を招き入れた。

まずは我妻でミネバ・オオセ。そして我が息子、ジムニー・オオセです。

ルカはジムニーの姉となります。


「この度は私どもの為に色々とご尽力いただきまして本当にありがとうございます」

馬車がオーガスタ王国へと向かいはじめ最初の30分はオオセ王国のジャック陛下からのお礼の言葉で終始した。

……やはりオオセのジャック様の興味はルカ様の事だった。

心配だったのだろう。現在のルカ様の状況を話すと大きく安堵の息を何度も吐き出していた。

ジャック様、お気持ちは分かりますし、ありがたいのですがどうか頭をお上げ下さい。一国の王がそのように頭を下げられる物ではありません。

シルフィの懸命な説得によってやっと頭を上げてくれたのだ。




こうして再び僕らはオオセ国王一家を乗せ王家の馬車にて一路オーガスタ王国へと発つのだった。

「思ったより早く戻れそうだね」

僕がそう言うとシルフィが真顔で頷く。そんな時だ、御者さんの叫び声が聞こえたのは「ひぃぃぃーーーーーーィッ マ、マイン様ぁ、シルフィード様ぁ」

何事かと窓から顔を出すと馬車の前方に大量のオークの群れが目に入ってきた。

…………リッツを攻めていた魔王軍が、王宮を飛び出していくこの馬車に目をつけたのだろう。


「僕が片付けますので御者さんは構わず進めて下さい」


身体強化系のスキルを使って僕は馬車から飛び降りた。

そして、迫り来るオークの群れめがけ【範囲魔法・火極大】【範囲魔法・風極大】【範囲魔法・水極大】【範囲魔法・土極大】と連続して叩き込んだ。

次々と絶命し、倒れていくオーク達を僕は次々と収納袋へ放り込んでいく。

丁度オーク肉が少なくなっていたから丁度良い。

肉屋のおじさんも喜ぶだろう。

錬金術屋のお兄さんにもオークの睾丸を頼まれていたからきっと喜んで貰えるだろう。オークが全滅した事で馬車はゆっくりと僕のそばに近づいてくる。

「……旦那様、お疲れ様」

シルフィのねぎらいの言葉を聞いて僕は緊張を解く。

はぁ、予想外の事態だったけど、これでアオーガスタに帰れる筈だ。

僕が馬車に乗り込むと再び、馬車は猛スピードでオーガスタ王国目がけて進んで行く。

……その後は特にトラブルも無く、僕らを乗せた馬車は無事にオーガスト王国に到着したのだった。

いつも拙作をお読みただきありがとうございます。

よろしければ是非ツイッター(@sakuya_Live)もご覧下さい。

簡単な作品に関するアンケートや更新に関する情報をつぶやいております。

ツイッターと活動報告でも告知済みですが書籍第2巻の発売が決定しました。2018年1月10日に発売です。

シルフィード外伝を書き下ろしに書かせていただいております。

また、今後の更新についてですが、月水金の週3回の定期更新にしようと思っております。

時間はいつも通り朝6:00時の予定です。

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