第218話 市井の反応
＃オーガスタ王国王都
「おい、聞いたか？」
「ん？何の事だ？」
「アルト様がご結婚なさるらしい。マイン様も新たに嫁を迎え入れるらしいぞ」
「……マジか？」
「ああ、大マジだ」
「お二人のお相手は？」
「聞いて驚けっ！アルト様は聖女スターシオン様とリッツの宝石スターシャリオン様よ」
「本当かよ!俺、スターシオン様のファンだったのに……アルト様いいなあ羨ましいぞ」
「気持ちは分かるが諦めろ。お前とアルト様なら間違い無くアルト様だろうよ」
「ちぇ、そんな事は分かってるよ、リッツの宝石まで娶るんだろう？羨ましい以外に何がある？」
「そんでマイン様が更に嫁を迎えるって？こちらも羨ましい限りだ.今度の相手は誰だ？」
「マイン様にはリッツの宝石のもう一人サーシャリオン様が嫁がれる」
「……ま、マジか？姫騎士、聖弓、リッツの宝石とか極めつけの美女揃いじゃねーか」
「しかし、なんだ、これで王家も安泰だな。まだ未婚なのはルイス殿下とレクタル殿下、エアリアル殿下のお三方か。
エアリアル殿下は意外に早いかもな？今はシルフィード様がご結婚されたばかりで国民の人気が集中してるからな相手は選び放題だろうよ」
＃オーガスタ王国王宮
「しかし、姉上に次いで兄上まで結婚か……俺たちもそろそろ考えなければいけないのかもしれないな？」
兄であるアルトから結婚の話を聞き、妹のエアリアルと腹違いの弟のレクタルと話しあう。
「ルイス兄上、父上はルイス兄にも結婚相手をと考えていたみたいですよ」
「なに～？レクタル、どういう事だ？」
「モルグから聞きました。リッツの双子姫、妹のサーシャ様はルイス兄にと、けど先方から「けど｜マイン(義兄さん)」にと希望があったようですよ」
「……へえ、｜マイン(お義兄さん)が相手ならそれも仕方ないだろうさ。何せ俺は実績らしい実績は無いしな。」
「……だけどよく姉さんとアイシャ殿が新しい妻なんて許したもんだな？結婚したばかりじゃないか」
「けど｜マイン(義兄さん)は英雄として認知されてきてるからこれからも嫁にと、集まってくる可能性がありそうですよね」
「確かにそうだが、流石にこれ以上は駄目だろう。側室がどんどん増えて｜本妻(シルフィード姉上)が子を成せないという事になるのは不味い」
＃リッツ王国
第二騎士団の団長のセシル殿は返書を持ってオーガスタ王国へと戻っていった。
時間が惜しいので王家の高速移動用の馬車を使わせたが、それでも、返事が来るのには10日はかかるであろう。
ジャック殿がオーガスタに亡命となればオーガスタ王国が盟主となり魔王軍への反攻の第一歩として各国の団結も益々強固となる事だろう。
それに加えて新たな英雄の登場。魔王軍も大人しくならざるを得ないだろう。
ようやくだ、ようやくこの悪夢のような戦争も終わりに向かうはずだ。娘も良縁に恵まれ嫁いでいった事だしな
