第204話 アイシャ、マイン達と合流(_SIDEマイン)
くを宜しくお願いします。
『……それで、アイシャ、そっちの用事は全部終わったかな?』
『ええ、こっちは全部終わったわよ……、だから丁度今マイン君に連絡をしようと思っていたところだったのよ……。
』
『ところで、シルフィ、さっきのサーシャに何処まで話すか、だけどね。【固有魔法・時空】については話しておこう!
じゃないと今後困ってしまうと思うよ。今もアイシャ達を迎えに行けなくなってしまうしね。あと場合によっては神獣様の話も必要になるかもね
ヘル様の話があるからこれも必要になる場面があるだろうと思うよ』
『……アイシャじゃあ今から迎えに行くよ』
「サーシャ、今から一つ僕の秘密を教えるけど絶対に他言無用でお願いね」
「は、……はいマイン様 分かりました。秘密ですか?」
「うん、僕のスキルの一つでね、【固有魔法・時空】というのがあるんだけど……これが、もの凄く便利な魔法なんだ。過去に行った事がある場所なら一瞬でそこまで移動出来るんだよ。
「そんな便利なスキルをお持ちなのですか?」
「うん、悪用されたりするのは困るから、絶対に他人には内緒だよ、勿論家族にもね」
今からこの魔法で、僕のもう一人のお嫁さんのアイシャを迎えに行ってくるからね」
「はい、聖弓のアイシャ様ですね、お会いできるのを楽しみにしておりました。オーガスタ王国の誇る三人の英雄にこうしてお会いできるなんて光栄です!」
『アイシャ、エルフの二人は腕輪使ってもらってるね?今から迎えに行くよ』
『はい、こっちの準備はいつでも大丈夫です』
……いや、待てよお義兄さんには離れる事は伝えておいた方がいいかな?
【固有魔法・時空】を使う前にお義兄さんの乗っている馬車まで走っていく。
そして外からお義兄さんに向かって声をかけておく。
「お、お義兄さん、僕ちょっとアイシャ迎えに行ってきますので……」
「おう、義弟」か?分かった。気をつけて行ってこいよ」
「あ、それから一度王都に戻るかもしれないです。緊急を要する情報が入ったので国王様にはお話しておきたいのです」
「何っ?父上に?そんなに緊急の要件か? まあお前の事だから本当に急を要す話なのだろう……こちらに戻ったら私にも話してくれるのだろう?分かった。行ってこい」
「ええ、ちょっととんでもない出来事です。戻ってきたらお義兄さんにも是非聞いて貰って知恵を借りたいです。」
「あら、今気がついたわ。……あなた、マイン君よね?私にとっても義理の弟になるのよね?」
スターシャリオン様が僕とお義兄さんのやりとりを聞いてそんな事を言ってくる。……確かにサーシャと結婚すればそうなるよね?
「ええ、そうですね、お義理姉さんとお呼びしても?」
「ウフフ、素敵なお申し出だけど、サーシャと結婚してからお願いするわね」
僕はそれだけは話し終わると再び、自分が載っていた馬車の方へと戻っていく。馬車の上に飛び乗って周りで物陰になりそうな場所を探してみる……
大きな木が1本そびえ立っているのに気がついた。
流石にリッツの人達や騎士団の面前で堂々と【固有魔法・時空】使う事は出来ない。……まずは姿を隠せる場所を探さなきゃね。
「うん、あそこならよさそうだ……距離も大分あるし、うん、大丈夫そうだ」
「シルフィ、サーシャ行ってくるね。……わっふる、おいで」
「わふっ」
わっふるが僕の声を聞いて、馬車から飛び出してくる。そして僕の背中に飛び乗っていつも通り、僕の頭の上によじ登ってくる。
「わっふる、アイシャとクゥ達を迎えにいくからね」
「わふ」
わっふるは心得たとばかりに返事をして尻尾を大きく揺らし始める。
わっふるの返事を聞いた僕はさきほど目星を付けた大きな木へと走り始める。
そして素早く【固有魔法・時空】を使用しエルフの里跡へと繋ぐ。
「行こう、わっふる!」
僕はわっふるが落ちないように手で軽くわっふるの体を押さえていつもの黒い渦の中へと勢いよく飛び込んだ。
……だが、飛び込んだ先にアイシャ達はいなかった。
恐らく、世界樹の迷宮の中にいるのだろう。
そう考えて世界樹の迷宮の中に足を踏み入れる。そして先ほど倒したブラスティーという魔人から手に入れた【地図】を使用してみると……少し進んだ広間に
アイシャとピロース、エイミさんを表すマークが映っていた。
この【地図】ッていうスキルは本当に便利だね……、知り合いの居場所も映す事が出来るんだ……。
世界樹の迷宮1F全体図も分かるぞ。この前来たときに行っていない場所まで表示してる。
このスキルがあれば迷宮探索が楽になるのは間違い無いね。
今度迷宮巡りしてみるのも悪くないかな?
取りあえずは、途中まで攻略した力の迷宮は制覇しておきたいよね。ボスから何かしら良いアイテムが手に入るかもしれないしね。
……まずは、、さっさとアイシャ達と合流してしまおう。