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第202話 エルフの里跡で宝探し(アイシャルート)(4)


『きゅっきゅきゅううーお母様~ただいまです!クゥは帰ってきました!』


『可愛い娘、よく戻ってきたねえ……そのクゥって言うのはなんだい?』

『みんなが名前を付けてくれたんです~クゥって言う可愛い名前なんです~~』

『そうかい、そりゃあ、良かったねえ……マインには感謝しないといけないねえ。

フェンリルの息子もそうだけど。私達神獣は固有の名前を持つ事で位階をあげる事が出来るのさ』

『お前もフェンリルの息子も以前よりも力が沸いてこないかい?』


『これで、お前もおおっぴらに神獣ケートスを名乗ってもかまわないよ』

『クゥはクゥなのですー!きゅきゅきゅー』

『わっふるもわっふるなんですー 

それよりもお母様にお土産があるんです!!!きゅっきゅきゅうー』

『ほう?お土産かい?なんだろうね、娘が持ってきてくれた物なら何でも宝物だけどねえ……楽しみだね』

『人間の世界には……お菓子と言う食べ物があるんですきゅー。

これが甘かったり辛かったりと色々なんですけど

凄く美味しいんです。クゥのお菓子とわっふるのお菓子、あとアイシャもお菓子をくれたのです

お母様に食べて貰いたくてクゥ頑張ってもってきたんですきゅー』


        ◆◇◆◇◆


なにやらクゥがひれをばたばたして背中の風呂敷をはずそうともがいてる。

どうやらケートス様にお菓子を渡したいようだ。だが、しっかりと落ちないように

縛ってあるので簡単には取れないだろう……。

『きゅきゅきゅー……きゅう~~』

流石にかわいそうになってきたので私が手伝ってあげるとクゥは嬉しそうにひれと尻尾をバタバタ動かして

私に頬ずりしてくる。

『アイシャありがとう~』

私が風呂敷をクゥの背中から取り外してククゥの口に咥えさすとふよふよと浮かび上がっていき、風呂敷ごとケートス様の口に放り込んだ。

『お母様、どうですか?美味しいですか?クゥが一番好きなのっはホットケーキというお菓子なんです!』

『うーん、いろいろな味が混ざってしまってよく分からないね……けど美味しいよありがとうねクゥ ところで急にみんな揃って

ここに何にしにきたんだい?』

『アイシャ、お母様が何しに来たんだと聞いてます』

『えっとね、ここにいる私とピロースにも加護を貰えないか聞いて貰えない?』

そうだ、ケートス様の加護を貰えば、クゥも離れた場所で会話できるようになる。

クゥがヒレをバタバタさせて一生懸命にケートス様に頼んでくれてる姿が目に入った。

「まあ、今回は特別だよ。娘を大事にしてれてるようだからね……」

……するとケートス様の巨体が黄金に輝いたすぐ後、私とピロースの体も黄金に輝いた。

ああ、加護を得たんだ。

『あ、ありがとうございます!!!ケートス様』

私は力一杯頭を下げてケートス様にお礼の言葉を述べる。


……よし、これで私達の目的は全て達成したわけだ。

マイン君に連絡をして迎えに来て貰わなければ……。

そんな事を考えた時だ。


マイン君から【念話】が届いたのは……


---------------------------------------

名前:アイシャ

【神獣の加護】

念話 ≪ケートス≫ new!


名前:ピロース

【神獣の加護】

念話 ≪ケートス≫ new!

-----------------------------------------


『……アイシャ、アイシャ聞こえるかい?ちょっとピロースに聞いて貰いたいんだけど オオセ王国のルカ姫が行方不明なんだけど、どこに居るか知らないかな?』

……

まさに連絡を取ろうと思っていた矢先に突然マイン君から【念話】が届き、少し驚いてしまった。

「ピロース、ちょっといいかしら?」

「マイン君がオオセ大国のルカ姫の行方知らないか聞いてるけど、どう?」

取りあえず、ピロースに聞いてみる。

「ああ、知ってるぞ 

魔王カイエン様がオオセ大国を陥とした褒美と言ってザナドゥへ性奴隷として払い下げられた

生きては居るだろうが、ザナドゥの子を孕んでいるかもしれないな?」

助けるというなら協力しよう。 捕らえられている場所は知ってるからな」


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