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第159話 新規の迷宮(2)

大変お待たせしました、いよいよ戦闘ターンです!

#新規の迷宮(ダンジョン)、一階



『ねえ、わっふる……何かおかしくない?迷宮(ダンジョン)って魔力が結構溢れているイメージなんだけど、全然感じないよ?』


『わふ……おれもまったく、かんじないぞ』


わっふるの感知能力を持ってしても、魔力を感じる事が出来ない……という事はこの迷宮(ダンジョン)はそもそも魔力が無いという事なんだろうか。


これは生まれたての迷宮(ダンジョン)だからこその現象なんだろうか?それとも別の理由があるのだろうか。ひょっとしたら、この事実がこの迷宮(ダンジョン)攻略の鍵になるのかもしれないね。


「待って!ちょっと待ってマイン君!魔力を感じないって……それじゃあ、この迷宮(ダンジョン)には魔物も存在しないって事なの!?けど……」


アイシャの疑問を聞いて、はっとする。

確かにそうだ、魔力を感じないという事は……この迷宮(ダンジョン)には魔物がいないと言う事になる。……けど、実際には魔物は存在する。国王様からの依頼を受ける時に調査で騎士団がこの迷宮(ダンジョン)に入ったと言っていた。そして騎士団はスライムを倒したと報告をした事も聞いている。


……ますます、この迷宮(ダンジョン)の謎が深まるね。これは本気で気を引き締めないと駄目な気がするよ


「うん、国王様はスライムが居たって言ってるから、魔物はきっといる筈なんだ。魔力感知が出来ないと、この迷宮(ダンジョン)の異常さはわからないから、ここに偵察にきた騎士団の人もおかしいとは思わなかったんだと思うよ」


取りあえず、入り口でモタモタしてても仕方がないよね。

確かに謎ばかりだけど、攻略をしていく事できっと解き明かされるだろうと思う。


今は余計な事を考えず、油断せずにこの迷宮(ダンジョン)を攻略する事だけを考えよう。


「取りあえず、先に進もうか」


僕がそう宣言すると、わっふるが元気よく「わふぅ!」と吠える。

よく見ると、クゥも体を小刻みに動かしながら、鼻歌らしきものを口にしていた。


うん、そうだよね。心配しすぎても良くないよ。

わっふる達の様子を見て、僕は一度思い切り大きく伸びをする。


「ん~~~~~~~~~っ」


突然の僕の行動にアイシャもシルフィも目をまん丸に開いて驚きを見せる。

すると、二人とも顔を見合わせてニコッと微笑んだ後、同じように大きく伸びをする。


「ふふふ」


僕らは三人で顔を見合わせて、笑い声を上げた。


「そうだよね。攻略を始めたばかりでこんなに緊張してたらいざという時に動けないよね!適度に休息を挟んで、頑張ろう!」


僕らは警戒は怠らないまま、適度に肩の力を抜いて奥へと進んでいく。


『きゅきゅきゅ~~~~!おにいさま、すらいむです!』


どうやらクゥがスライムを発見したようだ。

どれ……ってなんだ、このスライム……真っ白だぞ……。

今まで見てきたスライムは基本的には青か緑だった。

確かに属性を持ったスライムはその属性の色だったけど……白いのは見た事ないや。


名前:フェイスフルネス・スライム

LV:10

種族:スライム族

性別:なし


【アビリティ】

消化液



名前:フェイスフルネス・スライム

LV:9

種族:スライム族

性別:なし


【アビリティ】

吸収


う~ん、白い体以外の特色が全くないスライムだな。

迷宮(ダンジョン)が生まれたてってだから、魔物のレベルも低いのかな?


取りあえず、アビリティを【カット】して、いつものように小石に貼り付けておくか。

アビリティだから、後でバランスを考えてわっふるとクゥに分配しよう。


「よし、攻撃開始だっ!」


お嫁さん2名も子神獣達も僕が最初に【鑑定】をするのが分かっているので、いきなり攻撃をするような事はしない。

僕の号令を聞き、アイシャが早速矢を射る。【弓術・聖】で放たれた矢だ。スライム程度ならば、一撃で倒せるだろう。


……え?


バシっと命中音が鳴った後、矢は粉々に砕けてしまった。そう、スライムの体にめり込む事もせず命中した瞬間に矢が砕けたのだ。


「どういう事だ?」


シルフィが目を細めて、スライムの姿を見る。

アイシャも再度矢を番えているが、動かず様子を見ている。


おかしいぞ、さっき【鑑定】した時に、こんな結果を招くようなスキルは無かった筈だ。

……いや、待てよ……前にも……まさか、これ!?ブラックドラゴンの時と同じなの?


「みんなっ!聞いて!!もしかするとあのスライムには【種族スキル】があるかもしれない。だとすると、まだ僕の【鑑定】では確認をする事が出来ないんだ。何があるのか分からない、十分に注意をして戦って!」


……多分、そろそろ【鑑定】のレベルが上がると思うんだけど……。

肝心なときに上がってなきゃ意味ないじゃないか!全く、もう!


「了解だっ!旦那様!」


シルフィがライナス・スワードを鞘から引き抜き、一気に白スライムへ突進していく。


「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」


シルフィの体がうっすらと赤く光った。恐らく【片手剣・極】【身体強化・大】を使用したのだろう。


どんな【種族スキル】を持っているかは知らないけど、この一撃を喰らえば間違いなく倒せる筈だ。そして必殺の一撃が白スライムに向かって振り下ろされる。


「な、なんだと……?」

『わふっ!?』


信じられない……シルフィの一撃がはじき返された……。わっふるまで驚いてるぞ。


直接攻撃をされた事で怒り狂い始める白スライム。体の一部の形状を鞭のような形に変化させてシルフィめがけて激しく振るう。


「くっ【鉄壁】発動だ!」


シルフィは【鉄壁】を使用して、不意の一撃を何とかノーダメージでしのぎきった。

元々シルフィが装備しているサーコートは王家縁の一品だ。【鉄壁】を併用すれば、大抵の攻撃に対処出来る筈だ。


「なんとっ!?ライナス・スワードが欠けただと!?」


白スライムから距離を取ったシルフィがいきなり大声で叫んだ。

って!?なんだって!?ライナス・スワードが欠けた!?

……一体全体、どんなスキル持ってるんだよ!あのスライム!?


「みんな、直接的な物理攻撃は控えて!ライナス・スワードが欠けたとなると下手したらこっちの武器が壊れちゃう。特にわっふる!物理攻撃は控えて!」


くそ、さっきからずっと【鑑定】を繰り返しているけど、レベルがちっとも上がらないや。

あいつの【種族スキル】さえ、分かれば突破出来る筈なのに……。


『きゅきゅきゅ!ばぶりぶるしゃわ~!!!』


お?クゥか。【バブリブルシャワー】なら行けるか?

クゥが放った【バブリブルシャワー】は白スライム目がけて一直線に飛んでいく。


『しんじゃえ~!白いの~!きゅ~』



名前:フェイスフルネス・スライム

LV:10

種族:スライム族

性別:なし


【アビリティ】

なし


【種族スキル】

物理攻撃無効(3/5)



おっ!?【鑑定】出来た!?……って【物理攻撃無効】だって~っ!??


その直後、クゥの【バブリブルシャワー】が見事に命中し、白スライムは一瞬にして消滅してしまった。


「みんなっ!【鑑定】出来たよ!あのスライム!【物理攻撃無効】を持ってるんだ!」


「なんだって!?だからか」


そう、だからアイシャの放った矢が砕け散り、シルフィの渾身の一撃も届かなかった。

クゥの放った【バブリブルシャワー】は水属性の魔法系のスキルだ。

物理攻撃では無いので、あっさりと白スライムを倒してしまったと言うわけだ。


……けど、スキルの後ろになんか数字があるな……熟練度?いや、他のスキルにこんな表記は無いから、熟練度では無いと思う。


僕がそんな思考を巡らせている間に、もう一匹の白スライムはクゥが【バブリブルシャワー】で倒してしまっていた。


ああ、しまった!?【カット】してないのに……。

……いや、この場合は僕の自業自得だよね。さっさと【カット】しなかった僕が悪い。


しかし、一体なんだろうね……あの数字。気になるなあ。



…………………………………………………………………



名前:マイン・フォルトゥーナ

LV:63

種族:ヒューム

性別:男

年齢:15歳

職業:狩人


【スキル】

鑑定・全LV4 (1/600) LevelUp!

お読み頂きありがとうございました。


※若かりし日の国王様視点のスピンオフを投稿しております。

不定期更新となりますが、宜しければこちらもお読み下さい。


http://ncode.syosetu.com/n2978du/



【改稿】


2017/03/04

・全般の誤字を修正。


【ツイッター】

咲夜@小説家になろう:@ID73yQraHGjolTq


基本的にリプは行わない予定で、何かしらの報告事項があった時につぶやきます。

また随時行っております、名前募集等の読者様参加イベントの告知などもつぶやく予定です。


※今まで通り活動報告にも告知は致します。


今後ともどうぞ宜しくお願いします。

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