表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/291

第125話 わっふるのお風呂改造?計画

今、僕はわっふると一緒に恒例?のスライム狩りに来ている。


クランハウスが出来るまで、家族総出で何処かにいくのは、エイミさんの身の安全を考えると出来る限り避けたい。

……かといって、日々をぼーっと過ごすだけというのも何だか勿体ない気がする。


信頼する家族も出来て、休息もそれなりに取る事が出来た。

クランハウスが完成するまで、まったりと暮らすという方針は変えないけれど、多少は体を動かさないと良くないと思う。


そこで妻達と相談し、午前中はスキルを集めに僕が単独で色々な場所を動いて回る事になったんだ。

わっふるがいれば、余程の強敵が出ない限りは何とかなるしね。


そんな訳で延々と沸いて出るスライムを狩り続け、少しずつではあるけれど【獲得経験十倍】と【隠蔽】をストックしていく。


今後クランとしての活動が活発になっていけば、当然クランメンバーも増えていくだろう。

少なくともエアリーは加入する事になる筈だ。


……未だ、正式な連絡が来ない所を見ると、国王様を説得出来ていないのかもしれないけどね。


僕としてはエアリーだけでは無く【神獣の契約】を受けた王家の方々には【獲得経験十倍】はこっそりと貼り付けておきたい。

このスキルは意識しなくても勝手に発動してくれるからね。


きっと王族ともなれば、様々な悪意に晒されている事だと思う。

少しでもこのスキルで強くなって貰って、そういった悪意に負けないようになればいいなって思うんだ。


『わっふる、そろそろ帰る?』


『まいんー、おれ、あきたー。ほかのばしょにいきたいぞー!がおー!』


……確かに、僕も飽きた。

一体、今まで何匹のスライムを倒したんだろう。


スライムオイルもとんでもない量、集まってるし……。

【錬金術】でこれを材料にして、何か役に立つ物を作れないかな?


錬金術屋のお兄さんに今度相談してるのもいいかもしれないね!


だけど、他の場所か……。

今行ける所だと“力の迷宮(ダンジョン)”か“神霊の森”位かな?


ああ、待てよ“牢獄の迷宮(ダンジョン)”も行けるのか。

けど、まだ鑑定のレベルが上がってないしなあ……。


いっそ“力の迷宮(ダンジョン)”を下ってみる?

変わったスキルやアイテムが手に入る可能性もあるし……。


『いっかい、かえろー、おふろにはいるー』


そうだね、一度帰ってアイシャとシルフィに相談してみるのもいいかもしれないかな。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「あれ?マイン君、何か帰ってくるの早くない?」


少し早めに帰宅した僕を見つけたアイシャが声を掛けてきた。


「うん、ちょっとスライムを狩るの……飽きちゃってね。

 わっふるも飽きたみたいなので、一度帰ってきたんだ……」


僕の返事を聞いて「ああ、なるほど」と妙に実感を込めて、頷くアイシャ。


「どうする?少し早いけどご飯にする?」


「ご飯の前にお風呂にいくよ、わっふるが入りたいって言うからね」


「了解!じゃあ、お風呂から出てきた位でご飯が食べれるように準備しておくね!」


アイシャに見送られ、僕とわっふるはお風呂へと向かう。


『わっふる、沸くまで待っててね』


『わふっ!』


わっふるは僕の頭の上によじ登り、機嫌よく僕の作業を見ている。

何時も通りの手順でお風呂を沸かすのを見ていたわっふるが急に『わふっ!』と頭から飛び降りた。


『え!?どうしたのわっふる?』


『まいんー、おれいいこと、おもいついたぞ!』


何を思いついたのかとわっふるに尋ねてみたのだけど……。

何というか、お風呂の為にそこまで考えるのか、と僕は感心してしまった。


今は【常時:水】【常時:熱】を別々の石に入れて、お湯を作っている。

この方法だとお風呂に浸かっているうちに温度が冷めていってしまう。


エイミさんを除き、うちの家族は大体一緒に入っているので、湯温については余り気にした事が無かった。

僕をはじめとして、うちの家族はみんな風呂好きなのだけど、わっふるの風呂好きはその中でも群を抜いている。


わっふるはいつもエイミさんと一緒に入り、その後僕達とも入る。

入る順番が逆の時も然りだ。


つまり、僕等の二倍の時間、お風呂に入っていると言うわけだ。

そんなわっふるは、お湯が冷めていくのがずっと気に入らなかったらしい。


そして、今わっふるが思いついたのは、その解決方法だったのだ。


……その方法とは。


【常時:水】【常時:熱】を一つの石に貼り付けて、最初からお湯を作り出し、流しっぱなしにしようと言う物だった。


なるほど、この方法なら湯温をずっとキープ出来る。

水が勝手に湧き出てくる【常時:水】があるからこそ、出来る贅沢だ。


「わっふるは本当にお風呂が好きなんだね……」


早速、最初からお湯を作る為のスキル配分を考える。

熱を強めにしないと、水が湧き出た瞬間に温まらないよね、きっと。


まず【常時:熱】を3つ、【常時:水】を1つ貼り付けてみる。


う~ん、温かいけど、お風呂の温度かと言われると、まだかなり低い。


次は【常時:熱】を2つ追加してみる。


大分、いい温度になったけど、熱が強すぎて蒸発しているのか、湧き出る水の量がかなり少なくなってしまっている。


じゃあ、それぞれ二倍にしてみようかな。


……うう~ん、今度は少し熱すぎるかな?

中々、配分が難しい。


『まいん、まいん、すこしぐらい、あついほうが、きもちがいいぞ!』


わっふるがそう言うなら……これで試してみようか。





そんな訳で、只今入浴中です。


最初はちょっと熱いかな?これはと思っていたけど、時間の経過と共に体が慣れてきたのか気持ちよくなってきた。


「~♪」

『わふ~♪』


仰向けにプカプカと浮かび、尻尾で舵を切りながら、お風呂を満喫するわっふる。

その姿を眺めながら、やってみて良かったなあとしみじみと思うのだった。


お読み頂きありがとうございました。


今後ともどうぞ宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ