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第12話 ギルドカードを手に入れた!

「体はもう大丈夫かしら?大丈夫だったらギルドカウンターに行きましょうか。そこでカードを発行するわ」


アイシャさんに促されて体の調子を見てみるが、特に問題は無さそうだった。

あれほどの大ダメージを受けたのに、流石ギルド内の治療施設だ、腕のいい治療士が揃って居るんだろう。


「はい、大丈夫そうです」


ベッドから起きあがる僕を見て、アイシャさんが歩き出した。

それを見て慌ててついていく。




「ここに座ってくれる?」


トラブルの時に座っていた場所とは違うカウンターに案内され、そのまま椅子に座らせられる。

さっきのカウンターから、少し離れた場所にあり、なんかここだけ独立している特別な場所の様な印象を受けた。


「さっきのカウンターと違うみたいですけど……?」


アイシャさんに聞いてみる。


「ええ、此処は専属受付嬢がいる冒険者専用カウンターなの、通常のカウンターの様に並ぶ必要はないのよ」


へえ、確かにこれならスムーズに受け付けをしてもらえるな、これだけもかなり優遇されていると感じる。

そう思いながらさっきまで並んでいたカウンターの方を見てみると、今でもそれなりの人数が並んでいた。


「それじゃ、この紙に必要事項を記入してくれる?代筆が必要なら言って貰えば私が書くわよ」


「いえ、自分で書けます」


名前や年齢、定宿の場所等を記入し、一通り確認をしてアイシャさんに提出した。

受け取った書類を確認しながら、僕に話しかけてきた。


「へえ、マイン君は自宅に住んでいるのね……狩人見習いさんなのか~」


アイシャさんの世間話にしばらく付き合ううちに書類のチェックが終わったようだ。


「うん、特に書類に不備は無いわね、待っててカードを作ってくるわ」


そう言って書類を手に奥の部屋へとアイシャさんは消えていった。



「お、おい?見たか……アイシャさん、あの小僧の専属になったんじゃないか?」

「え?まじか?そんな事は流石にないだろ?今までどんなランクの高いヤツが頼んでも首を縦に振らなかったんだぜ?」

「けど、あのカウンターで処理をする事が出来るのは専属冒険者がいる受付嬢だけだろ?」



待っている間、何となく他の冒険者達の会話を聞いてみると、アイシャさんはかなりの人気受付嬢だと言う事が分かった。

僕みたいな駆け出しが本当にいいんだろうか……本人に押し切られたとはいえ、すごく不安になってくる。


……心を落ち着ける為に、自分のスキルを確認しておこう。


名前:マイン

LV:7

種族:ヒューム

性別:男

年齢:15歳

職業:狩人見習い


【スキル】

鑑定・全LV2 (3/200)

カット&ペースト (9/200)


短剣・極 (14/50)

両手剣 (0/50)

片手斧 (0/50)


脚力強化・小 (22/50)

視力強化・中 (10/50)


俊足(小) (22/50)

豪腕 (10/50)


魔法・風 (12/50)

補助魔法・速度低下 (2/50)

補助魔法・睡眠 (1/50)

補助魔法・徐々回復小(体力)(0/50)


料理 (1/50)

裁縫 (0/50)

礼儀作法 (0/50)

交渉術 (2/50)

錬金術 (6/50)



……え?


ええええええええええええええ!!!!?

何か変わってるぅぅ!?


なんだ、このLVって!!!???初めて聞いたぞ!?

スキルの後ろに訳の分からない数字が出てるよ?


心を落ち着けるつもりが却ってドキドキしちゃう結果になっちゃった……。


僕が突然変わった鑑定結果に動揺していると、作業を終えたアイシャさんが戻ってきた。


「あら?何面白い顔してるの?すごい顔してるわよ、マイン君!」


……笑われてしまった。

とっても恥ずかしい。穴があったら入りたいよ。


「お待たせしちゃったわね、これが君のカードになるわ」


そう言ってピンク色で縁取りされた黄土色の金属製カードを渡してくれた。


僕の名前と「F」と文字が刻まれている。

そして何故かカードの右下に「ルーカス:アイシャ」と書かれていた。


「そのカードのピンク色の縁取りはね、専属受付嬢がいる事を表しているの。ちなみにピンクは私の趣味ね」


アイシャさん曰く。


カードの色と素材は冒険者のランクで決まっている。

Fは黄土色、Eは黄色、Dは灰色、Cは銅色、Bは銀色、Aは黄金、Sは黒色との事。

F~Dまでの素材は青銅でCが銅、Bが銀、Aが金、Sがプラチナらしい。

僕のランクはFなので色は黄土色のカードという訳だ。


また、カードは身分証明書にもなっている。

僕が持っている市民証はこのルーカスの町を含めたオーガスタ王国でしか効力が無い証明書なんだけど、ギルドカードは基本どの国の町でも効力がある。

ギルドが存在していない田舎の町とかでも使用出来るらしい。


凄い信頼度なんだね、冒険者ギルドって。


ここまでの信頼度があるからこそ、その信頼を揺るがす行為をしたヒヨルドはギルド長から厳罰を受ける事になった。

僕もギルドの信頼を貶める行為を行えば、当然処罰されてしまうので、行動には責任を持つようにと強くアイシャさんに教えられた。


「それから、さっき治療室でギルド長がおっしゃってたお詫び金だけど、このカードに入れておいたわよ」


お詫び金を”入れた”?どういう意味なんだろ?


僕がよくわからないという顔をしていた事に気が付いたんだろう。

アイシャさんはニッコリと笑って説明してくれた。


「ギルドではお金を預かるサービスをしてるの、預けたお金は全世界どのギルドでも引き出せるの。その預けているお金の情報がこのカードに記録されてるのよ」


なるほど、じゃあ今このカードにはギルド長が言っていた金貨20枚が記録されてるのか。

お金を安全に保管してくれるというのは非常にありがたい。


装備品とか買いそろえたら、余った分を預けておこうっと。


「それから依頼を受けるときは向こうのカウンターじゃなく、受付嬢が居なくてもこのカウンターに必ず来てね。で、カードをここに差し込んで貰えば私が来るから!ちなみにルーカス以外のギルドに行く場合は当然、一般カウンターだからね」


専属受付嬢、凄いや。

美人のお姉さんと仲良くなれて、ギルドの処理もスムーズに進むなんて……。

そりゃあ、他の人が羨むわけだ。


「ちなみに討伐依頼を受けたら、倒したモンスターの数が自動でこのカードに登録されるから、安心してね」


まさに至れり尽くせりだよ、このカード。

どんな技術で作られてるんだろう……。


「で、これが最後よ。カードを紛失したら再発行は出来るけど手数料がいるから気をつけて。ランクによって手数料が違うんだけどF~Bまでは金貨1枚掛かるからね」


なんでも、昔カードを紛失する冒険者が後を絶たなかったみたいなんだ。

まあ、がさつな冒険者にこんな小さな物の管理をしろといっても中々難しいよね。


そこで、ギルドが打った対策が再発行手数料という訳だ、これを始めてから急激に紛失が減ったらしい。

そりゃあ、こんな凄い機能を持ったカードをポンポン紛失されてたらたまったもんじゃないよね。


僕も無くさないように注意しないと。


全ての説明・手続きが完了したので僕はお礼をアイシャさんに言って、ギルドを後にする事にした。


晴れてこれで僕も冒険者なんだ!

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