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第118話 レベルアップと錬成士

奥さん二人とわっふるに“始まりの武器”を見せただけで、一気に話が進み始めたよ。

やはり、僕一人で考え、行える事なんて大した事は無いんだなと強く実感する事ができた。


結果論になってしまうけれど、こんな事ならもっと早く打ち明ければ良かったよね。


……さて、そんな反省は取りあえず、置いておこう。


先ず、優先して作らなければいけない武器を考えてみよう。


僕にはライトニングエッジがあるし、最悪トゥワリングを使う事も出来る。

物語上の最強の短剣であるトゥワリングと神が創造したアーティファクト……。


一体どちらが強いのか、分からないけれど、今までの実績を考えればトゥワリングでも過剰といえる戦力だ。


その点を考えるなら、僕の短剣は一番後回しで全く問題は無いだろう。


そして、シルフィにはレア・ウエポンであるライナス・スワードがある。

この武器も非常に強力な武器である事は間違いがない。


武器自体の性能も凄いが、何より装備するだけで使えるようになる専用の強力な武技まであるのだ。

……そう考えるとこちらについても、後回しでいいという事になる。


以上の事から、消去法で残るのはアイシャの使う武器、すなわち“始まりの弓”という事になる。


ただ“始まりの弓”と“始まりの片手剣”については必要になる三種の素材のうち、二種が被っている。


すなわち、結論としては……。


「うん、まずはアイシャの弓から作っていこうか。

 マンティコアのなめし革はシルフィの片手剣と被るから一緒に集めればいいしね」


「そうだな、私も賛成だ。

 今現在の所持している武器という面で考えれば、アイシャから作るのが一番いいだろう」


「え、えっ?私からでいいんですか?」


アイシャは遠慮をしていたが、結局僕とシルフィの勢いに負けて「わかりました」と少し涙目で返し、先ずは弓を作ろうと言う事に決まったのだ。


全然、遠慮する事なんて無いのにね。


「……ところで旦那様、一つ聞きたいのだが、素材を集めた後、一体何をすればこの武器が進化するんだ?」


「うん、そこが少し問題で【錬成】のスキルが必要なんだよ。

 この前、エアリーが【錬成】を持ってるって言われて、この武器を思い出したんだけど……。

 問題なのは【錬成】のレベルがどれくらい必要なのかって事なんだよね」


「……ちょっと待って、マイン君」


アイシャがいきなり話を中断させてきた。

ん?どうしたんだろう……珍しいよね。


「どうしたの?アイシャ」


「今、話しに出てきた“レベル”って何?」


あれ?レベルの話はまだ二人にしていなかったっけ?

って事は……熟練度も話し忘れていたのかな?


「……話してなかったっけ?」


「いや、私も聞いてないぞ」


ああ、やっぱり話してなかったよ!ごめん、二人とも……。


僕は改めて【鑑定・全】の能力について、話を二人にする。


レベルという概念、熟練度という概念。

存在してはいるけれど、目に見えない数値の事を二人は聞いて、驚きを見せる。


「じ、じゃあ、私達のレベルは一体いくつなんだ!?」


シルフィが慌てて確認をしてくる。


「アイシャがレベル43、僕がレベル63、シルフィが69だね」


「それは高いの?」


「お義兄さんが……確かレベル43だったかな?国王様がレベル51じゃなかったかな?」


「父上や旦那様よりも私の方が高いのか!?」


「この前、スライムを沢山狩ったよね?

 シルフィの場合、その時に取った【獲得経験十倍】ってスキルの効果が大きいよね。

 力の迷宮(ダンジョン)で倒したトロールマギスターから得たのが大きかったんじゃないかな?」


予想外の答えにシルフィが呆気に取られている。


『まいん、おれはおれは!?』


『わっふるはレベル31だね』


『おれが、いちばんひくいのか!?』


『今はね、けどわっふるにも【獲得経験十倍】を付けたからドンドン上がっていくと思うよ』


僕の言葉を聞いたわっふるは嬉しかったのか、高速で尻尾を振って、僕の周りを走り出した。


「それで、話を戻すけど……【錬成】のレベルがどれくらい必要なのかわからないんだ」


僕は話を再び“始まりの武器”に戻し、スキルのレベルが上がる事でそのスキルの能力が変化していく事をみんなに説明していく。


「なるほど……私はこの話しを聞いたときにエアリーに【錬成】を行って貰えばと考えたんだが……。

 そんな単純な物でも無いと言う訳か……」


シルフィはそう呟いて、腕組みをし、何か考え事を始める。


わっふるの話しで“始まりの武器”の進化は何段階もあるという事だ。

……これは僕の予想だけど、アーティファクトに近づけば近づく程【錬成】のレベルが高く無いといけないんじゃないかと思う。


この考えが正解だとしたら、何段階あるのか分からないけど、高レベルな錬成士の力を借りる必要があると言う事だ。


「……なるほどね、それじゃ作るのは諦めるの?」


アイシャがそう尋ねてくる。


「ううん、取りあえず錬成士の人はゆっくりと探すとして、素材は先に集めておこうと思うんだ。

 そうしたら錬成士さんが見つかったら、すぐにお願いが出来るからね!」


「分かったわ、じゃあエルダートレントが生息している所を探さないと行けないわね」


僕とアイシャがそんな話しをしていると、考え事がまとまったのか、シルフィが声を掛けてきた。


「……旦那様、高レベルの錬成士だが、一人心当たりがあるぞ」


……一体、誰なんだろう。

シルフィの心当たりって事は王家縁の人なんだろうか?


「本当に!?なら武器はアーティファクトは作れそうだね!」


僕が歓喜の声を上げるとシルフィは少し困った表情を見せて話を続ける。


「ただ、その方は非常に気難しい方で、母上からの依頼しか受けてくれないのだ。

 ……いや、会ってくれすらしないと言った方が正しいか」


王妃様の依頼しか受けないんだ……。

それじゃあ、僕が頼んでも【錬成】はしてくれない可能性の方が高いよね。


「……そうなんだ、そうすると無理な可能性の方が高いよね」


「頼んですぐという訳にはいかないだろうが、時間をかけて説得すればひょっとしたら……。

 それに母上から頼んで貰うという手もあるからな」


……うん、そうだね。

頼むべき人がいる場所が分かっているだけで、随分と気持ちも違ってくるしね!


今はとにかく前向きに捉える事にしよう!


「そうだね!最初から諦めてたら、そこで終わりだもんね」


「ああ、素材もまだ集まっている訳では無いし、急ぐ必要も無い。

 今度王都に顔を出した時にでも、錬成士殿を尋ねてみよう!

 それでダメだったのなら、母上に相談すればいい」


それに一回目の錬成ならば、多分高いレベルは必要無いと思うんだよね。

それならば、エアリーに試して貰うのも有りだと思う。


そして、彼女が錬成を行う時までに【獲得経験十倍】を、また取りに行ってきて、実際に錬成を行う前に貼り付けておけば、レベルも早く上がっていくだろう。

きっとそんな凄い武器を錬成するわけだから素で獲得出来る経験値も大きいに違いない。


上手くいけば、エアリーのレベルアップで最終進化までいける可能性だってある。


とにかく、今は出来る事をコツコツと行うしかないよね!


取りあえず、何をするにしてもクランハウスが完成してからだね。


お読み頂きありがとうございました。


活動報告に書いて頂いておりますお返事は、土曜に行わせて頂きます。

ちょっと時間が取れない状況が続いております。


申し訳ありませんが宜しくお願いします。



【改稿】


2017/01/09

・全般の誤字を修正。

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