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北紀行 追憶の海

作者: 玲於奈

なし

ひどく

くすんだブロック塀の合間から

はいいろ

なまりのうみがみえる。


日本海沿いを走る特急。


車内の通路まで

混み合っている。


もうすぐ春

というのに

車内は

コートなどで人いきれ


線路はつづく


そして

うすぼんやりした雲


おなじく、うみ。


この先は外国、そして、ロシア。


ぼんやりしている。


水平線がどこまでかわからない。

きっぱりしていない

あいまいさ


まさに

今のじょうきょう


とてもただっ広い

すなはま


たった一人のつりびと




あなたは何をしている

おもわず

つりびとに問う


自分へのうらがえしか




波打ち際の草


忘れられた

オレンジのうき


くろいベッド


まったくもって

くうきょなせかい


そして

今にもふりだしそうな灰色感


そんな氣配をただひたすらに

とばしていく窓







松林


つたが

だらしなくのびきっている

すなやま


ホームに草の生えた

無人駅


ホームに

上下浜






雨がふりだす

ゆっくりと

ガラスにあたる水てき

雨がポツリポツリ

ふりだす  







さびた駅舎


青の鉄骨


ひと氣のないうみ





窓を雨がすごい

いきおいでたたきはじめる


うみに見える

大きなくろくも


低氣圧に

列車がむかっている



ながい




札幌からの鉄路。

私はどこへ行くのだろう


さきほどの車掌のせつめいからも

まだまだこんらん。




あてどもない





東京に

にほんの首都

いつも

かんたんにいける


そのとうきょうにもどるのに


だいぶ

迂回しなければならない




はてしない


無情の雨が

強く激しくふりしきる。

なし

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