ナイトメアゲーム
『ナイトメア・ゲーム』
追って来る。振り返っても何もいないが何か巨大で不気味で怖いものが…。そして、そして…。
そこでようやっと目が覚めた。悪夢の典型だが、典型的であるが故に根源的な恐怖に訴える。
ナイトメア・ゲームは非合法なゲームだが、メールで送りあえる簡易さとその危険度から若者の間で密かに流行しているのだ。
悪夢のパターンを作ってどこの家にでもある睡眠学習機にその解凍したテープを回してお互いに作った悪夢を互いにみせあい、先に参った方が負けだ。
尤も、悪夢に悩まされたあげくに朝が開けてみると悪夢を送った相手が死んでるなんてこともあり、ゲームは禁止された訳だが、メールのプライバシイ性もあって実際の摘発などあってなきに等しいのだ。
そして仲間の溜まり場へと向かってみるといつもメイトメアを送りあったあいつが来てない。仲間に聞いてみると誰も知らない。
そこでうちへ向かってみるとやつがベッドの上で睡眠学習機のヘッドセットをかぶったまま冷たくなっていた。思わず冷汗が出る。
「おれのせいじゃない………」思わず、つぶやく。そこではっと気がつく。これもきっとヤツの作った悪夢に違いない。悪夢が開けたと一安心させてからジワリとありふれた悪夢を‥‥。
きっと、きっと…。これは悪夢に違いない…。
俺はこんな悪夢になんかは負けはしない………。
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短くて小説として認められなかったため、あとがき。
ゲームシリーズをけっこう書いた。その中で人前に出せそうなのはこれくらいかも。。。。