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明るい世界へと (300字SS)
大樹は静かに見守る、過去から未来へと繋ぐ者たちの成長と活躍を。
絶望に瀕しても、彼女彼らは決して諦めずに、前を向き続けた。
その先の未来がどんなものになるかもわからずに。
もしかしたら最悪の結末を迎えるかもしれない――そう脳裏を横切りながらも、僅かな希望を求めて、未来へと突っ走り続けたのだろう。
その結果――、自分たちが望む未来を勝ち取った。楽な道のりではなかったようだが、傷ついた体でも、とてもいい表情をしていた。
私は回復できない傷を負ってしまったため、次なる樹へと責務を引き継ぐことにした。
この樹も見守るしかできないが、きっと私よりも明るい日々を見ることができるだろう。
よき未来となることを願う。
2022年10月、第92回Twitter300字SS参加作品。お題『来る』。
エピローグ後、魔宝樹視点でした。