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道しるべとなる光 (300字SS)
あの人は私の暗い道に、道しるべとなる光を灯してくれた、大切な人だ。
その光に憧れを抱き、もっと傍で光に接しようと、頑張って追いつきたいが、それは果たして可能だろうか――。
『お前の覚悟は、そんなものだったのか』
光を追いかけようとしたきっかけとなった言葉が蘇る。
普段はぶっきらぼうな口調の青年だが、それとは裏腹に常に気にかけてくれている。それは大変有り難いが、同時にその態度に甘えてはいけないと思った。
彼が持つ目映い光をさらに近くで見るためにも、守られるだけでなく、自ら武器をとって戦いたい。
だから明るい光に向かって、私は新しい道を走りながら、彼の背中を追いかける。
第49回Twitter300字SS参加作品。お題『灯す』。
お題をもとに、300字以内という超掌編小説を作り出すweb企画に参加時に執筆した小説です。