7/7
閑話ー卜
桜川隼大花は占い師である。
占い師は、数人しか存在しない。
その少数にも関わらず、世界中で認知されている。
占い師は、その血に依る。
占い師は、特別な能力を持つとされる。
その能力は、その名に反し“占い”ではない。
占い師には、あらゆる特権が与えられている。
占い師は、その躰に“痕”を持つ。
桜川隼大花は占い師である。
彼には何もかもが見えているが、何も見ていない。
彼は世界と最も近く、また最も遠い。
彼はすべてを支配できるが、未だひとつのことに支配されている。
彼は全てを知り、その一方ですべてを知らない。
彼はそのことすら知り得ない。




