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【第二十九話 君が誰になっても…】


――これは僕の母・渥美真理に運命を翻弄されたある男の物語。




「守谷くん、おはよう!」


いつものように鈴が鳴るようなきれいな声で僕の名を呼ぶ声がした。


「金山さん、おはよう!あ、今日も放課後は練習する?」


「うん、そのつもり。って、そんな事より、大事な報告があんねん!」


「…報告?」


「あのな……私、日本人やめる事なったわ」


突然、彼女――金山智子――は独特な表現で、僕との別れの時が近いことを告げた。


「え、え、どういう意味?」


「だから日本人やなくなるねん。これ見て…」


サーカスのような笑顔が貼り付けられたチラシを見せた。


「北朝鮮帰還事業…って何これ?」


「地上の楽園やて、ホンマかいなって?ココに家族揃って引っ越す事になった」


そういうと無邪気に笑った。


「ちょっと待って?金山さん、朝鮮に行くの?」


「そやねん。お父さんが、殺してでも連れて行くって。殺したら地上の楽園やなくて天国行きやけどな」


また笑った。君がいなくなるなんて…きっとまたいつもの冗談だ…。


「ウソだよね?」


「こんな冗談言うわけないやろ」


その瞬間、僕の世界は真っ暗になった。


「い、いつ?」


「三ヶ月後。ハハハ…ん?守谷くん…なんで泣いてんの…?そんな私のピアノ聞けんくなるのが寂しいん?」


「そうだけど、それだけじゃなくて…」


「何なん…いや、ズルいわ。守谷くんが泣くから私も泣けてきた…」


「だって…急だし…それに…」


「…?」


――金山智子、君のことが好きなんだ。たった13年の人生だけど、この先、君ほど夢中になれる人と出会えないと思う。




1964年3月 東京都立川市




金山智子。


君を初めて見かけたのは小学5年生の3月、卒業生を送りだすための合唱の練習会での事。その年の正月、青森から東京の立川に転校したばかりの僕は、訛りをバカにされるのを恐れて同級生に話しかける事もほとんど出来ず、友達は誰一人出来なかった。そんな僕にとって公衆の面前で合唱するなんて地獄の仕打ちでしかない…しかも転校したてで何の恩義もない上級生のためにこの音痴をさらすなんて。出来るだけ目立たずやり過ごそうと、妙な意気込みで音楽室へと飛び込んだ。




すると、やる気の面ではみんなそう変わらないらしい…信じられないほど覇気の無い空気が漂っている。心配する必要はなかったようだ、あとはこのまま影のように突っ立っていればいい…だが、そんな僕の人生はこの日、一変した。


「じゃあ、金山さん!伴奏お願い」


「はい」


関西訛りの、でも鈴のように凜とした返事が響いた。振り向くと、白い陶器のような肌に、きれいな黒髪、涼しげな目……他のクラスの子だろうか。彼女はすくっと立ち上がると、颯爽とピアノの前に座った。




「せーの!」


ジャン!


その白い指で弾く鍵盤からは、耳慣れた「仰げば尊し」とは思えない繊細さと重厚さを持ったメロディーが流れ出す。若干のアレンジが加えられているようだ。そこにウミネコの鳴き声のように音程のハズれたやる気のない合唱が乗る。せっかくの曲を台無しにされたような残念感…だが、彼女の演奏はそれにも負けないほど魅力的で、僕は口だけ唄うフリをしてその音に集中した。……そして、聞けば聞くほど、金山智子のピアノは楽しそうだった。夢見がちで優しくて凜とした…彼女と話したこともないけど、そうに違いないと思ってしまうほど人柄そのままの演奏。弾いている間は姿勢をシャンとしながらも笑顔にあふれ、見ているこっちまでニヤけてしまう。僕はあれだけ憂鬱だった合唱の練習が楽しみになった。


――つまりは、恋した。初恋だった。




そんなある日、僕は胸躍らせながら音楽室の扉を勢いよく開いた。


ガラガラ…


だがそこにいたのはたった一人。


「あれ?君、なんでおんの?」


金山智子だ。鈴のような声が音楽室に響く。


「…あ、あれ?」


「今日練習ないよ。夕方から雪降るから」


ただ彼女と会える喜びで頭がいっぱいだった僕は、先生の連絡をうっかり聞き逃していたようだ。


「あ、そうか」


「ハハハ…そうかって、友達、だれか教えてくれへんかったん?」


「あぁ…まぁ…友達いないから」


というと、智子はそれを無視して、今まさに自分で言った言葉を忘れたかのようにピアノの前に座った。


「金山さんは帰らないの?」


「うん。だって今日なら好きな曲いくらでも弾けるでしよ」


「え?」


そういうと、智子は鍵盤を弾き出した。軽やかで繊細でとても美しい調べに心が奪われた。あぁ、人生で初めて“これが美しいという事か”という感情を体感した。




弾き終わると彼女はどうだと言わんばかりに満面の笑みを浮かべた。


「すごい!今の曲って」


「ショパン。仔犬のワルツ。」


たしかに子犬が走り回っているようだ…僕は思いっきり首を縦に振る。


「すごくいい曲。もう一回、聞きたい」


「クラシック好きなん」


「…好き、かも」


「…ふーん。じゃあこれは?」


智子は、今度はとても奥深く重厚な、でも心の底から湧き上がるマグマのような曲。目の前のかわいらしい女の子とのギャップに、全身の毛が逆立つ。


「はぁ…はぁ…」


息を切らしながら彼女はまたこっちを向いた。どうだ。


「す、すごい!これもいい曲!」


「これもショパン。革命」


「ショパン!?」


僕は、彼女がスゴいのかショパンがスゴいのかパニックになった。


「ショパン!?…って大袈裟やな。じゃあ、これは…」




と弾き始めるのと時を同じくして突然、音楽室に怒号が響いた。


「お前ら、夕方には大雪になるから中止って言っただろ!早く帰れ!」


外を見るとみぞれ雪が窓を叩きつけ、風が窓の隙間から金切り声をあげ始めていた。


「残念、帰ろか。ねぇ、君、家はどっち?」


「ん?駅前の方だけど…」


「あ、同じ方面やん…ちょうどよかった。今日、傘忘れてもうてん」


「え!?」




学校の玄関口で、淡い期待を胸にその傘を開いた。…だがその瞬間、無情にも傘は突風を受けて逆さにひっくり返ってゴミと化した。ふがいない傘にも、突風にも無性に腹が立った。


「ごめん…」


「なんで謝るねん。しゃあない!走ろ!」


「え?」


すると彼女はさっさと駆けだしていった。慌てて僕も追いかける。智子の頭や服には、ボタボタと水分を含んだ雪が張り付き、あっという間に真っ白になった。




「はぁ…はぁ…ちょっと早い」


立川駅の踏切につかまりようやく智子は立ち止まった。


「ハハハ…」


「何?」


「頭!お地蔵さんみたいやん」


そういうと智子は僕の髪を払う、その近づく距離に心臓が止まりそうになる。


「自分もだって」


「えっ」


バサッ…


「ほんまや」


カンカン…この踏切がずっと鳴ってればいいのに。


「ねぇ、金山さんは大阪の人?」


「うん、お父さんの仕事の関係で小5から東京引っ越してきた」


「何の仕事?」


「事業家。…やってんけど、会社倒産して夜逃げ?みたいな…ハハハ。」


軽く聞いたつもりが随分重たい話が繰り出され面食らう。大阪の人は皆こうもあけすけなのだろうか…


「お父さん、苦労されたんだね」


「どうやろ?…本当のお父さんちゃうから昔のことはよく分からん」


「…」


「母親、再婚やねん。だから金山って名字もピンときてへんくて…だから智子でええわ」


「え、あぁ、智子」すごく恥ずかしい…


「君も学校来たん最近やんな」


「うん、夏に青森から」


自分で言って自分で驚いた。訛りを気にしてない自分に。こんなに同級生と話したのは初めてかもしれない。


「青森かぁ…じゃあ雪は珍しくないよな。ってか君、名前聞くの忘れてた」


すると、踏切が開いた。


「守谷…守谷雄一…」


「守谷くん!私たち今日から友達やね」


「え…うん!」


「じゃあ私こっちやから!東京1年生同士、頑張りましょ!じゃあね…」


智子は、踏切を渡らず、元来た道へと走って行った。僕の待ち時間に付き合ってくれていたのだ。




――雪の中に消えていく彼女の背中をずっと見つめた。少し東京が好きになった。それから僕は、放課後になると智子のピアノを聞きに行くのが決まりになった。帰り道は立川駅の踏切まで一緒に…彼女はいつも踏切が開くまで待っていてくれた、その時間がとても楽しみだった。


「開かずの踏切でありがとう……」


中学生になると、僕は親の仕事を手伝うかわりに、当時は高価だったギターを買ってもらった。いつか彼女のピアノと弾き語りしてみたい。そんな夢を胸に、ひたすら猛練習した。




――だが夏休み、蝉の鳴き声が響く音楽室。その時は突然、訪れた。


「私、日本人やめる事なったわ」


「え?」


サーカスのような笑顔が貼り付けられたチラシを見せた。


「北朝鮮帰還事業…」


「北朝鮮に行くの?」


いつもの彼女とは少し違う、笑顔だけど切なげな表情で頷いた。


「いつ?」


「夏休みが終わったら」


「来月ってこと?」


北朝鮮…何の縁もゆかりも無い場所だ。あるとすれば唯一、警察予備隊だった父親がアメリカの要請で、朝鮮戦争での機雷撤去に駆り出され…死んだ。それは公にされず無かった事にされているが…そんな冷たく暗いイメージの場所。


「でもなんで北朝鮮なんかに」


「お父さん、事業に失敗したって言うたやろ。だから再起をかけるんやって」


「でも危ない場所だよ…しかも血の繋がらないお父さんになんで智子がついていかないといけないの?」


「私に選ぶ権利なんか無いわ。他に親戚もおらんし」


「…」


「ハハハ…なんで泣いてんねん…?そんなピアノ聞けんくなるのが寂しいん」


「そうだけど、そうじゃなくて…」


知らず知らずに涙が溢れていた。




「明日からその準備で忙しくなるからココに来るのも最後やわ。ちゃんと聴いてや」


彼女はイタズラな笑顔を浮かべながら残酷な一言を告げるとピアノの蓋を開き、座った。


――白い指が鍵盤を弾く…切なげな、でも美しい曲。窓は全開なのに蝉の音が消え、その旋律だけが響き僕の胸を打つ。…君とやりたいことがたくさんあったのに…ギターも一緒に弾けるほど上手くなってないし…この想いもちゃんと伝えられていない…


「どう?」


僕は涙と鼻水でグシャグシャになった顔で、頷いた。


「…きれいな曲だね…」


「ショパンやで」


「何ていう曲?」


「…別れの曲」




そして中学1年生の9月、出発の日。天真爛漫で美人の智子はやはりクラスでも人気者で、立川駅のホームには見送りに大勢の同級生や先生が集まっていた。そこで初めて、彼女は僕なんかが親しくしていい人ではなかったんだではないかと気づいた。




いよいよ電車が出発しようという時、彼女は窓から身を乗り出し僕に向かって言った。


「守谷くん」


「!!」


「3年後やって」


「…え?」


「3年したら帰れるかもしれんって!だからその時はまた会おう、絶対に!」


僕は強く頷いた。


「うん」


電車の発車ベルが鳴る!


「智子!」


「…」


「好きだ!!」


「…なんて」


「だから好きだ!!」


彼女に聞こえただろうか…曖昧な表情でニコッと微笑んだ。新潟へ旅立った彼女を乗せた電車は遠く陽炎の先に消えていく。見送る僕は、ただ嗚咽して泣いた。




――金山智子は3年しても帰ってくることは無かった。




僕は北朝鮮に関わるニュースや記事を食い入るように読みふけるようになり、そこは彼女が予言したとおり地上の楽園とはほど遠く、とても暗く冷たくジメッとした国だと知った。ただ智子が無事でいてくれる事を…あの明るく冗談好きの彼女でいてくれる事を…それだけを祈った。




1974年10月


智子が旅立ってから9年が経った。僕は奨学金を借りて大学を卒業し、老舗の中堅企業で経理の職についた。趣味程度に続けていたギターは人前では披露できるぐらいには上達した。あと在学中に母を亡くした関係で旧姓の長瀬に戻した…変わったのはそれぐらいで、中身はあの頃と変わらない。むしろ東京に来てからしみついた口数少なさは酷くなってしまった気がする。


――そんなモノトーンのつまらない僕の人生に転機が訪れた。取引中の金融機関との月末金曜日、定例打ち合わせに向かっていた。秋の長雨で電車に揺られる人たちも陰鬱な表情だ。そんな人混みの中でも、僕は最も目立たず地味で、陰鬱に見える人種だろうなと思いながら上野駅を降りた。改札を出ると、そこに小学生ぐらいの男女を見かけた。女の子の方が電車に傘を忘れてしまったようだ…男の子が「入れてあげる」と傘を開く。だが、その傘は突風に吹かれて無残にも裏返り、用をなさない状態となった。




……ふと久しぶりに、智子の事を思い出した。初めて一緒に学校から帰ったあの日、僕の淡い相合い傘の願望が破れた日の事を。


「君たちこれをつかいなさい」


「え?」


「大丈夫。すぐそこだから」


そういうと小学生には不似合いな黒傘を強引に押しつけて、目的の金融機関まで突っ走った。だが道を飛び出して5秒で後悔した。雨は思ったより激しく、一瞬でスーツの袖の中まで染みこむ。そして、とにかくメガネが曇る。前が見えず、走れば3分程度だと思った道が随分と遠い。結局5分近く雨に打たれた末、ようやく目的地に着いた。


「すみません…すみません…」


人混みをかき分け、金融機関に滑り込もうと思った瞬間…信じられない事が起きた。


「あ…」


――金山智子だ…なぜか金山智子がモップをかけていたのだ。もちろん美しく成長していて別れた時とは見た目は変わっている…だけど面影がある。白い陶器のような肌に、涼しげな目……僕は驚きのあまり、そのままその場で雨に打たれたまま立ち尽くした。


「どうぞ」


凜とした鈴のような声…やっぱり金山智子だ。だがその制服についた名札をみるとそこには金山でなく、黒田と書いてあった。


「入らないんですか?」


「あ、いや。すみません。こんな格好で入ると、あなたの仕事を増やしてしまうかなって」


「え?」


パニックの僕は、モップを持っているからと、とっさに意味の分からない事を言ってしまった…。恥ずかしくて下を向いた。にしてもどういう事だろう…?金山智子がなぜ黒田になっているのか…




すると後ろから声がした。


「あれ?長瀬くん?どうしたの、傘は?」


「電車に置き忘れちゃって」


「はぁ、相変わらずどんくさいね。大事な打ち合わせなのに」


とその瞬間、予報では今日一日続く予定だった雨がやんでいることに気づいた。


「わぁ…」


通りすがりの人たちから歓声がする方を見ると、晴れ間から大きな虹が覗いている。僕はもう一度、その女性の顔を見た。すると目が合う…あれ?僕が憧れた無邪気な金山智子とは違う、冷たい…何かを諦めた目をしていた。やはり人違いかもしれない…。




すると智子、あらため黒田さんは子どもを指さした。


「アレって、もしかして」


「?」


さっきの小学生たちが、僕の渡した黒い傘を差して仲良く歩いて行く。女性はその様子を微笑ましく見送る…やはり面影がある…僕は頭がパニックになりながら、会釈して小さくスキップしながら中へと入った。


――それから月末金曜日の打ち合わせが楽しみになった。行き帰りの度に、彼女がいないかチェックした。もちろん声をかける勇気などはない…それに…最大の疑問が解けていない。彼女が行った北朝鮮という国は日本と自由に行き来する事が出来ない国だ。そこに行った彼女が、金山智子でなく黒田百合子として帰ってきた。…どういう事なのか??




そしてある日、思わぬ事が起きる。


「こんにちは。いつもおつかれ様です」


「あ…こ、こんにちは…」


なんと大人になった智子こと黒田さんから声をかけてきたのだ。


「今日は傘お持ちですね」


「ハハハ…いや、この前はお恥ずかしい姿を…」


「金平商事の長瀬さん、ですよね?」


「はい…え、なんで名前を?」


「あ、いえ…よくいらっしゃる取引先の方は覚えるよう言われてるので」


「そ、そうですよね…?急に名前を呼ばれたのでドキッとしました」


「ドキっと…?」


「いえ…あのコレで…」


彼女は、通り過ぎようとする僕の袖口にスッと手を伸ばし軽く添えた。


「もしかして、昔どこかでお会いしてませんでしたっけ?」


「!!」


心臓が止まるかと思った。もしや彼女もやはり僕の事を覚えている?…やはり金山智子?だがその淡い希望は打ち砕かれた……


「う~ん、なんでしたっけ。たしか大学時代に…」


「…」


「あ、そうだ!長瀬さん、学生バンドやってませんでした?」


「えぇ…たしかに」


「やっぱり!その時、私、声かけた気がするな…カッコ良くて…覚えてません」


「あぁ、どうだったかな」


――ウソだ…そんなはずはない…だって、もし目の前に君が現れたなら、僕が見逃すはずが無いから。じゃあなぜ彼女はそんな事を言うのだろう…本当に人違い?いや、早稲田大学でバンドしていた事まで知っているのに…?知りたい、彼女は何者なのか?


「今度、少しお時間頂けませんか」


「…え?」


彼女は小さく頷いた。




その週末、有楽町で待ち合わせした僕らは、同僚にオススメされた映画「オーメン」を見た。


「キャー!!」


映画館には悲鳴が響き渡る。最悪だ…ほら、隣にいる黒田さんは明らかに冷めた目をしている。さらにランチで行ったフレンチレストランはとんでもない高級店で、喜んでもらうはずが逆に僕の勉強不足で恥をかかせた上に、マナー講習までさせてしまった。


「本当に勉強になりました。ありがとうございました」


「いえ、こちらこそお代出してもらっちゃって…ありがとうございました」


全部失敗だ。この後どうしよう…ただあてもなく銀座の雑踏を歩く。あの交差点を右に曲がってまっすぐ有楽町駅へ行けば、今日はきっと解散だろう。


「あ…」


ふと、頬に冷たい水滴を感じる。ふと見上げると曇り空からパラパラと雨粒が降ってきて、それはやがてすごい勢いで地面を叩きつけ始めた。


「とにかく雨宿りを」


近くのビルへと押し込んだ。あぁ、僕は何かと雨や雪に降られる雨男だ…そうだ、金山智子と初めて話した日も、黒田さんと鉢合わせた日も…




ふと飛び込んだ楽器店にはいくつものギターが並んでいる。


「そういえばギターお得意ですもんね」


黒田さんはそう言うと、期待満々の顔を見せる。


「いえ…それほどでもないですよ」


正直、気が進まない…だが弾かないわけにもいかなさそうだし…僕は近くのギターを手に取り、試し弾きをする。


――曲は…なごり雪。


「私…その曲、好きです」


「…僕も好きです」


好き、に少しだけアクセントをつけた。本心がバレないように。少し目と目が合った気がした瞬間、その笑顔に金山智子が重なった…僕は思わず、近くに置いてあったピアノに目配せした。




すると、黒田さんは驚いた顔をしながらも遠慮がちにピアノの椅子に座る。そしてポンと白鍵を弾いた。


――その一音で世界の色が塗り変わる。小学生時代の記憶がカラフルに蘇った…あぁ、やっぱりだ。次は黒鍵…そう、この響き。そして彼女のメロディが僕の心に流れ込む。全ては確信に変わった。ずっと会いたかった、智子…やっぱり君だったんだ。


「なごり雪は~♪」


僕は唄う。その歌詞は、僕が智子と出会った雪の日のことも、別れた立川駅のホームのことも思い起こさせる…ずっとこうして君のピアノに合わせたくてギターを始めたんだ。練習してきたんだ。




通りすがりの客たちが足を止める。やがて合唱になり、黒田さん…いや智子もつられて歌う。曲が終わると小さな楽器店は拍手で満ち溢れた。僕は照れながら小さなピックを手渡した。


「素敵な演奏でした」


「あなたこそ」


すると恥ずかしそうに俯いて笑った。


「雨やみましたね」


店を出ると銀座の歩行者天国にはすっかり人の群れが戻っている。濡れたアスファルトは光を反射してキラキラ輝いていた。ふと見上げると空には虹が出ている。


「きれい…」


「雨がやみ、虹が出る」


「…」


「あ、いや。なんで雨上がりの虹はこんなにキレイだと思います」


「なんでだろう?」


「僕は、暗い時間と明るい時間の交差点だからじゃないかなって思ってます。乗り越えた時間がキレイに見せるんです」


「…」


「クサかった…ですかね」


「フフ…ちょっとだけ」


――たわいない会話の間もずっと考えていた。なぜ彼女は金山智子でなく、黒田百合子なのだろう…ずっと読んできた北朝鮮の情報などを思い出す。もしかすると彼女には僕には想像も出来ないような複雑な事情があるのかもしれない…




国鉄・有楽町駅の改札、買い物を終え一杯の紙袋を手にした人が楽しげに吸い込まれていく。


「では」


彼女は会釈すると、颯爽と切符売り場へと向かう。……今日を逃したらダメだ…僕は自分の鼓動を聞きながら震える手で……智子の手をとった。


「あの…」


「…?」


「僕と結婚を前提に付き合ってもらえませんか」


「…いいですよ」


「え?」


「しましょう。結婚」


彼女は、さっきまでとうってかわって、冷たいその目で僕のプロポーズを受け入れた。


「ありがとうございます」


手を握り、智子を抱きしめた。


――君が、この結婚を受け入れてくれたのにどんな理由があるか分からない…。だけどその抱えた苦しみも悲しみも罪も全て飲み込んで見せる。そして君を絶対に守りぬく。それが、僕が生きる意味だと思うから。




それから彼女との生活はとても幸せだった。得意料理だという皮の厚い餃子、肉と大根の唐辛子煮はとても美味しくてスグに僕の大好物になった。…だけど、それが北朝鮮の料理だと知っている事は言わない。毎月5が付く日は夜12時になると、こっそり奇妙な朝鮮語のラジオを聴く。…その間は寝たフリをした。唐突に出張に行く事も、変な電話が掛かってくる事も、怪しい人物と会っている事も…全て知りながら気にしないフリをした。




そんなある日、智子は都心の大気汚染が心配だと言い出した。さりげなく置かれたチラシには多摩丘陵のニュータウンの住宅見学会と書かれている。


――家が欲しいのだろうか?…僕はふと彼女のピアノを思い返した。繊細で美しい音色…一軒家ならピアノも置けるし、毎日、思う存分、彼女の演奏を聴けるのだろうか…それはとても幸せだなと想像した。




週末、2人で向かった見学会。僕はいきなり面食らった…


「1500万円!?」


なんと高価なのだろう。70年代に入ってから都心の住宅価格が値上がりしていたのは聞いていたが、ココは都内と言えど新宿から40分以上はかかる場所。なのに中堅企業のサラリーマンの年収8年分はある…とてもじゃないが手の届かない代物だ。すると一番乗り気かと思っていた智子から意外な言葉が出た。


「家をもつのは賛成だけど、お金はどうするの?」


「え?あ…それは、俺が頑張って働くから…」


「もうちょっと身の丈に合う家にしましょうよ」


「…え?」


僕は考え込んでしまった。彼女の真意は何だろう…色んな仮説で頭がいっぱいになった結果、うっかり帰るのと反対向きの電車に乗ってしまっていた。それから彼女の案内で、多摩丘陵の急坂を上り、梅園を楽しみ、そして道に迷った。




日が沈みかけると里山はいよいよ都内とは思えない、漆黒の世界となっていく。このままだと本当に遭難するかもしれない…人見知りの僕だけど勇気を出して、道を聞くことにした。訪ねた一軒の家。


「すみません!…いないな」


――だがそれが運命を変えた。そこは売り出し中の空き家だったのだ。


「ココに住まない?」


「え?」


たしかにこの場所なら思いっきりピアノを弾けるだろう。だが修復は大変そうだ…


「もっと新しい所じゃなくていいの?」


「壊れたり古くなった所は自分たちで直せばいいし、私は全然平気」


「直すってどうするの?」


「2人でやろう。ちょっとずつやれば出来るって」


彼女がここまで言うという事は、そういう運命なのだ。僕は、彼女の人生を歩むと決めた、断る理由は無い。


「…うん、百合子がそこまで言うならわかった」


――今思えば…いや、あの時も気づいていた。この家を買うように全て智子に仕向けられていると。でもいいんだ。僕の人生は君の人生だから。




週末、智子と家を修復するのはとても楽しかった。一緒に何かを作るというのは、同じ目標を共有し、相手を気遣い、苦楽を共にする。人と人の心が繋がる作業だ…


――だが一か所だけ、家の中でもどうしても入り込めない場所があった…彼女が家事部屋と言い張るその部屋。普段、鍵がかけられて決してその中を覗くことはできなかった。床の修繕が済んだ記念にすき焼きを食べる時、その流れで勇気を出して聞いてみた。


「…そういえば…家事部屋の改装は進んでる?」


「うん、もうちょっとかかりそうだけど。」


「手伝おうか」


「いや、大丈夫!ただ壁紙変えるだけだし…」


「…そっか」


「あ、壁紙で思い出した!今度さ、居間の壁を…」


バタン!彼女は突然、倒れた。


「百合子!!」




――妊娠していた。僕はもう飛び上がるほど嬉しかった。




「気が早いって」


「だって、もう僕らの子どもが産まれるんだって思ったら気持ちが抑えれなくて」


早まる想いを抑えきれずベビーベッドや赤ちゃん服などを買って帰るのが日課となった。そのせいか、産まれる前には一通り揃っていたと思う。


――そして、9月、女の子を出産した。庭に咲くキンモクセイにちなんで、美咲と名付けた。




美咲はその名の通り、キンモクセイのようにまっすぐ元気に育っていった。ぷくぷくとしたはち切れそうな肌に、この世の全てを見通すような澄んだ瞳。僕は無性に美咲と智子の姿を記録に残したいと思った。


「よし、準備できた。じゃあ、ちょっとそこに並んで、美咲も一緒に」


「えーと、笑って」


「笑ってって言っても、どんな顔すればいいのか。ってか、それ何?」


「これ8ミリフィルム。ここで写した映像をこのフィルムに焼き付けるんだよ」


「フィルム?ちょっとヤダ!」


「ハハハ…」


奮発して買ったフィルムカメラ。智子は撮られ慣れてないのかとても照れている。


「もう回してないよ」


と言いながら回している。すると奇跡が起きた…


「あ!」


美咲、初めてのつかまり立ち!


「すごい瞬間撮れちゃった」


僕の心配は杞憂だったのかもしれない。もしかして、本当に金山智子でなくて、黒田百合子なのかも…とにかくこの幸せがいつまでも続くように。




だけどふと智子の方を見ると、笑顔の奥に憂いを浮かべているように感じた。幸せをどこかで素直に受け入れていないような…そんな感じ。


――やはり彼女は何かを隠している。それは本人の意思でなく、逃れられない運命のように思える。


そして一度、決定的な瞬間を見た。新宿駅のデパートで謎の男に話しかけられていたのだ。


「あくまでミッションだからね、深入りしちゃダメだよ」


そう聞こえた気がした。一体あの男は何者なのだろう…?




僕はついに智子の家事部屋への侵入を試みた。とはいえ正面突破は不可能だ。廊下も窓も鍵が掛かっているし、破ろうとすれば勘づかれてしまう恐れが高い。そこで居間の天井板をはずし、そこから屋根裏部屋を通って、家事部屋の真上辺りへとよっつんばいで移動すると、初めて見る“家事部屋”があった…パッと見はただのアイロン台や室内用洗濯物干しなどが並んでいるだけだが、机には何やら書籍やメモのようなものも見える。そっとハシゴを降ろして静かに侵入すると、ラジオに森鴎外の本、それに一枚の紙がハラリと落ちた。


――これは…暗号表?


僕の疑惑は確信へと変わった。さらに押し入れを探ると、黒田百合子のパスポートが入っていた。さらにその下には通帳の束も…開いてみると信じられないほど0が並んだ額が載っている。


「!?」


一体この巨額の預金は何なのだろう?




そして福井旅行の日、夜中にどこかへ出ていた智子は帰ってくるなり、まるで地獄を見たような…人さらいにあったかのような…そんな風に酷くやつれていた。一体、姿が見えない間に何があったのか?


――智子が今巻き込まれいている何かから救い出したい…だけど、それは何なのか、どうしたらいいのか分からない…苦しい。愛する人に寄り添えない事がこんなに苦しいなんて。




1982年4月5日


多摩丘陵の桜は一気に芽吹き、桜色に染まった美咲の入園式前日。明日が雨予報だと聞いて、僕は智子に提案した。


「ねぇ、今日のうちに撮っておかない」


智子は、美咲に制服を着せチューリップの形をした赤い名札に「ながせみさき」と書き込んだ。


「美咲、おめでとう…」


「ママ!せっかくの思い出なのに泣きすぎ!」


智子の涙を見て、僕も覗くファインダーが霞む…


「ママ…いたいの?」


「ううん、何でもない」


美咲は優しい子だな…


「さぁカメラ回そうか」


美咲はママの書いてくれたチューリップの名札がよっぽどお気に入りなのだろう。その夜は、名札を抱きながら、僕と智子の間ですやすやと眠りについた。そして僕も布団の中で、その温もりを感じながら祈った。……福井で地獄を見たような表情で帰ってきた智子。だがあれ以来、何か大きなトラブルに巻き込まれた様子は無い。このまま無事に3人で明日の入園式を迎えられる。美咲の晴れの舞台が見れる。そして、小学校…中学校…高校…夢を叶えて…結婚して…孫も…おっとその前に美咲に弟か妹が出来るかもか…当たり前の幸せかもしれないが、今の僕らにとってそれはかけがえのないもの。




――だが、そんなささやかな夢は砕かれた…夜中にも関わらず掛かってきた一本の電話。その受け答えから僕はすぐに察した。彼女の、そして僕らの人生を一変させるような知らせに違いない。僕は覚悟をして居間にいる智子に問い直した。すると智子は言った。


「…ちょっと至急で話があるの」


「…わかった」


そこで、僕は彼女の半生について聞かされた。その話には、予想通りだった事も、予想外だった事もあった。


「君の話は全て信じるよ。今も昔も変わらない」


北朝鮮へ見送ったあの立川駅で約束したとおり、君は僕の前に戻ってきてくれたんだから。




……でも金山智子なのかは聞かなかった。きっとその頃の事は、今の君にとって残酷な思い出になっているだろうから。


「警察に通報しよう」


「出来ない。この電話は盗聴されている…そしたら彼らは必ずあなたと美咲に危害を加えようとする」


「…どうしても行くのか?」


智子は静かにうなづく。


「大丈夫だから」


「そうか…」


「あなたには本当に申し訳ないと思ってる。人生を踏みにじった」


僕は、思わずその肩を抱いた。


「君がいたから今の僕があるんだ」


「…」


――ずっと君が好きだった…そして今も…


「例え君がどんな名前で生きていても。誰になっても、僕は君を愛してる。だから…約束して欲しい。絶対生きて。そしてまた暮らそう」


智子は強くうなづくと、僕らを例の家事部屋へと連れて行く。するとグズる美咲の手元から赤い名札がハラリと落ちて、棚と床の隙間へと滑り込んだ。


「ヤダ!!」


「美咲、さぁパパとこっちに来よ」


そして押し入れを開くと、その床下を開く。驚いた…その押し入れの下には地下室があったのだ。


「ママ、暗い!怖いよ」


「大丈夫。パパと一緒だから。頑張れる」


「えぇぇん…ママも」


「…」


「じゃあ、美咲をよろしくお願いします。必ず戻ります」




――智子、今度こそ幸せになろう。誰にも邪魔されない世界で…




彼女が出たのを確認すると、僕は泣きわめく美咲を地下室に置き、すぐにメモ帳についた筆圧に鉛筆を擦りつけ5桁の数字を確認する。そしてこの前、家事部屋に侵入した際にメモっておいた暗号表と、森鴎外の書籍とを照らし合わせて暗号を読み取る。


――そう、僕は暗号を読めるようになっていた。彼女がこれまで受けてきた依頼から連れ去られそうな場所を推測した…


「きっと、美浜だ」


僕はすぐさま警察に通報をいれた。すまない…智子。君が捕まったとしても、僕はその命を救いたい。




その数日後、僕も出頭した。何週間にも渡る取り調べの末に、警備という名の監視の元、ようやく日常生活に戻れることになった。だが何度も警察に問い合わせたが智子が無事なのかどうか知らされることはなかった。それ以降も、公安の指示で定期的に仕事は転々としなくてはならず、美咲には苦労もかけた…


――『必ず戻ります』不安になる度に智子の別れ際の言葉を思い返した。


きっと生きている…なぜなら約束したから。君は立川駅の別れ際に交わした約束も守ってくれた。だから、今度も…




だが連絡は一向になかった。そこで僕は考えた…どこかで生きている彼女のになんとか連絡を取る方法はないだろうか。僕は頭をこらした。公安にも工作員にも気づかれない…だけど僕と君にだけ分かるメッセージ。そして一つだけ思いついた方法を試してみることにした…




「今日もリクエスト曲、届いてます。ショパンさんから『なごり雪』…」


僕が考えたのはラジオだ。自由の国ならではの、そして不特定多数にメッセージを伝えられる方法…


「ショパンさんはトモコさんという大切な人を探してるらしいですよ。これ、愛する人にだけ伝わるメッセージだって。05832…07482…何だろ?気になるね」




智子…君にだけは伝わる暗号。


「明日、夕方5時、立川駅の1番ホームで、向かいのホームを見て。美咲を連れていきます」




運命に従うだけじゃ、家族は守れない。だから、僕は自分の手で君を迎えに行く。たとえこの選択が間違いでも――もう二度と、君をひとりにしない。




――そして3月のあの日、君は向かいのホームに本当に現れた。男の子を連れていた。




涙が溢れた。君も泣いているのが分かる。


“その子の名前は?”


君は僕の唇を読んで、“ヒロキ”と答えた。


ヒロキ…いい名前だ。


“美咲は元気?”


僕は大きく頷いて美咲の肩をそっと叩いた。


すると君は大きく頷いた。




その瞬間、奇跡が起きた。なごり雪だ…それは君の好きな歌のタイトル。




僕は上を指さし、誰にもバレないよう小さくギターを弾くジェスチャーをする。


君は少し微笑んだ。




ずっとお互い見つめ続けた。時間を忘れて、何度も何度も電車を見送りながら。




それから三度、君と僕と美咲とヒロキと会えた…だけど…だけど、やっぱり智子に直接会ってこの気持ちを伝えたい。線路を挟んでじゃない、直接会って伝えたい…




「また一緒に暮らそう、あの家で」




これはあの有楽町駅以来の2度目のプロポーズ。だから今日だけは美咲を預けて、僕一人で来た。約束の時間より少し早いけど、覚悟を決めて、高鳴る胸の鼓動を感じながら、君のいる下り線・甲州行きのホームへ。すれ違う人の濡れた傘がズボンを濡らしても気にしない。




さぁ…着いた。電車のドアが開いた瞬間、君は驚いてくれるかな。


「あら?下りと上り、間違えた」とか、からかってくれるかな…




だけど、あぁなんでこの日に限って……今、僕の目の前にはナイフを持ち、君を狙う影がいる。……僕のチープな暗号はスグに解かれてしまったようだ…。次の電車から降りた瞬間、コイツは君を刺すつもりだろう。


――だけどそんな事は絶対させない……今度こそ君を守る番だ。僕は男の腕をつかんだ。その男は僕の顔を見て、一目散に逃げようとする。そうだ、そのまま逃げろ…あっちへ行け。




だけど男ははたと立ち止まった。こちらに向き直り、僕の顔を改めて見て、周囲を確認するとこちらへ駆け戻る。そして、一突きで僕の心臓を貫いた。




全身から力が抜けていく…ごめん。僕は君と会えたことで浮かれすぎたらしい…もうちょっとで一緒に暮らせるはずだったのに。




ヒロキ…ちゃんと話し出来なくてごめん。お父さんの代わりにお母さんを大事にしてくれ。


美咲…最後までダメな父親でごめん。君の成長する姿が僕の生きがいだ。花嫁姿見たかった。


智子…約束を破ってごめん。随分先になるだろうけど、天国で会おう。ちゃんとした楽園で。




見上げた空にはきれいな虹が架かっていた。

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