ライブ予告
"人気アイドルグループ到来!
シリアスライブ!
10月25日アリライ武道館でオンエア!
みんな是非来てね!!
この日は僕達の世界へ皆をご招待♪"
カッコイイ上級クラスの男性アイドルグループ、シリアスライブ。俺は男には興味ないがシリアスライブだけは別。(変な意味ではない)
歌も良いし顔もいい。陰キャの俺じゃあ敵わない。
ふるふる。
「オイ!テメェ!ソウジュが震えてるジャン!表出ろよ!!何見せたんだ!!」
「吐き気がするだろ?そのチラシ。俺は少なくてもする。車で酔ってそろそろ限界みたいな気分だ」
「はぁ・・・何だ。その例え失礼だぞ・・・。俺は好きという気持ちに酔ってるのに」
「はぁ!!裏切るのはやすぎだろ!。じゃあこれはお前にとっては朗報か。今回のファーストジョブは、このシリアスなんとかという奴とのセッションライブだ!!」
ぱぁーと俺の目が光を取り戻し、
「いいのか!?盟界!!」
と素の大きな声を上げる。
「ああ!」
グッドポーズの盟界。
それを見てバドは
無邪気な子共をお菓子で攫おうとする手口に似ていると感じ、
ぎぎぎぎと体をところてん方式の様に、檻の隙間に体を押し込む。
ぎぎぎぎぎg
スポン
無事に抜けると真っ先に、
盟界の元にいき、コツコツと力強く頭をツツキ始める。
コツコツコツコツ!まるでキツツキだ殺意が高すぎる。
「あっイったぁ。怒っちまったわ。お前はは俺を怒らせていいのかよ?鳥の分際でよぉ!!」
二人の戦いは始まったばかりだ。
その間に俺は、檻にもたれて、資料をめくっていく。
(へぇー、ちゃんと報酬が貰えるんだ・・・・しかも大企業顔負けの報酬)
確かに魅力的だけど、見えない部分もある事に、表情を曇らせる。
目を閉じて浮かぶのは、盟界の隙を狙って逃げてる俺の姿。
(理想論だけど、やっぱりいるべきじゃあねぇよな此処に)
目を開けて
(逃げてよう・・・そしていつもの日常を取り戻そう。)
決心出来た時に限って、就職という言葉がチラつく。
いやいやと、首を横に振ってその考えを無理矢理追い出してから意思を固め
現実に戻る、そして盟界の元を見ると、ギリギリと右手で握られてるバドの姿。
しかも大人げない、銃口を鳥の頭につけている。
(えぇ・・・・、鳥にマジになるなよ)
それでもバドは攻撃を止めてないし、なんか控えめに言って引いてる。
同じ引くなら、楽器を弾きたい。
「・・・・・はぁ、いいよ。やってやる。そのライブ、受けて立とう!て、言っといて」
「ソウジュ!?」
鳥は驚く、彼は・・・
「まじか!ありがとな、ソウジュ。」
「 え・・・ああ 」
(昔みたいに笑った・・・・?さっきまで怖かったのに)
「???どうした?」
「あっ・・・いや・・・何でも無い・・・けどさー。そろそろ、バド返してよ。あと一緒の牢がいいなー」
「ソウジュがそう言うなら・・・・仕方ねぇ。おい鳥次変な事したり言う事聞かなかったら、知り合いの肉屋に売り出すからな!!!!!!」
「ベー」
「バド・・・お前。もうやめとけよ。そろそろ模型にされるぞ」
ご主人の言葉には弱く、寒くはないのに突然震える鳥。
彼はその光景に僅かながら憎そうにこっちを見てた。でもすぐに背を向けて言葉を零した。
「じゃあ音楽、ヨロシク頼むな。人々を歪める残酷な歌をヨロシク。じゃあまた一週間後」
それだけ残して去って行った。
「何を言っているんだ盟界・・・・。俺の音楽は、黒く残酷なものでは・・・・ないだろうがぁぁぁぁぐす」
「じゃあナンデ顔をカクシテイルンダ」
バタンと扉が閉まる音は、日常で聴き慣れているはずなのに
今はとても心苦しい。