再開
俺の名前は、ソウジュ。
売れない作詞作曲家だ。
まあ個人で活動している者で有名じゃあない俺。
よく残酷な歌詞を書いて批判をくらう哀れな人でもある。悲しいなー。
表現の自由って何だろうな?俺には分からん。
「はぁ・・・・」
「ぽっぽ」
肩に止まって鳴く相棒、つまり非常食。
「なあ、相棒、俺は何がダメなんだろうな。何で売れないんだろうな?」
ため息交じりに相談を鳥に持ちかける。どうせ明日には忘れてるだろう。鳥だし。
「くるっぽ、ボクハスキ。デモナンカ生々シクテコワイ」
ぐさっ
「うっ」
心に刺さり、地面に倒れると同時にその場で飛ぶ鳥。
「相棒、お前・・・言うじゃねぇか」
「ジジツヲノベタマデ」
「今夜頂く晩餐はお前だ、鳥」
「嫌だくるっぽー」
ぐるぐるとその場を回る。
永久就職できない男、そもそもする気が無い男。
もうこのさい何でもいい、当たって砕けたところがいい。
ずっともう倒れていようと決め込んで倒れていると、周りの人が詰めたい視線を交えた心配
の眼差しで見てくる。
そんな時に
「よお!まだ歌なんかやってんのかー?やめちまえよ、そんなもん。、夢見るのをいい加減やめてさー働きなよなぁ」
声のする方を見上げると高校からの知り合いの彼がいる。
渋々起き上がり
「チッ盟界か、俺の人生だ、ほっとけよ」
「ウケイレロヨ」
「黙れ」
「ウッス」
「まだ生きてたんだな、バドてっきり焼き鳥になってたのかと思ってた」
「ヒエ」
「はぁ、なんなんだよ、今更何しに来たんだよ?」
ニヤリと妖しい笑みに、嫌な予感というものを感じる。
「お前、戦いのメンバーに加えてやろうと思ってな。勿論物理じゃない音楽の世界でだ」
「はあ?」
「まあそう怪訝するな。つまり、PRよろーて話。勿論金は出す!!頼むよ!!」
パンと笑ってお願いポーズに便乗するバド。
「ヤレ!ソウジュお前ならやれる」
「・・・・・・・・嫌」
「ナンデ!?ニート脱出じゃないか!!」
バドはひゅーんと地面に落ちる。
「えー何でだよ!?おい鳥!そこ邪魔。踏むぞ!」
「ひ」
鳥は端に移動した。
「怪しすぎるし、というか俺が戦える力があるのを知って言ってんだろ?それに誰と戦うんだ!?ろくな奴じゃあないんだろ!?答えろよ、盟界!!!」
えっ!と一瞬驚く顔。
でもすぐに目を細め口を開く。
「だから音楽業界で共に戦おうって・・・・言ってんじゃんかー。それ以外なんもねぇ」
「風の噂だが、盟界の嫌な噂があってさ、、志望が軍人だった人が、今では元だと聞く。
疑ってるわけじゃないが、色々心配に」
ガチャリ
「黙れ、俺が何処でも何しててもいいだろうが。何処でそういう噂聞いたんだよ。」
「はっ何でそんなもんを!?」
銃を突きつけられたら、皆は悲鳴を上げて距離をとる。
「お前以外を傷つける事はしねぇ。人が死ぬか死なないかはお前次第だけどな。分かるだろ?
俺が銃だけに頼りきっていない事も」
大人しく両手を挙げる、理由は簡単彼の事をよく知っていたから。
戦闘能力などなど。
「ああそうだな」
諦めた瞳は何かを悟る。もう彼は正しくないのではないかという事を。
「この気配!コイツわる」
ドか!
一瞬の隙をついて、飛んでるバドを拳で落とす。
「黙ってろ。今は、人間同士で会話してるんだ。鳥が話して言い場面じゃあない」
そこまで言われて喋る鳥は、馬鹿だと悟り、鳥は黙った。
彼は徐々に近づいてきて、ふっと姿が消えたと思ったら耳元で
「俺にさっ、ついて来いよ。ずっと側で歌っててくれってなぁ」
今の彼の表情を見る暇もなく俺は、意識を失った。
最後にぼそりと
「この時を待ってたんだよ。いい加減にしろって」
「ソウジュ~!ああどうし、ひっ」
わめく鳥に
銃口を向ける
「お前には用はねぇ。だがコイツが悲しんだら困る。来るか?鳥」
コクコクと何度も頷く。
この場から立ち去る彼の後をついていく、一匹の鳥。
警察が駆けつけた時には、犯人も、男性もいなかった。
白い鳥ことバドもいない事は誰も気づかなかった。