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27.あなたを全力で幸せにします。(サイラス視点)


「私、サイラス・ルイはあなたの夫となるために自分を捧げます。そして私は今後、あなたが病める時も、健やかな時も貧しい時も、豊かな時も、喜びにあっても、悲しみにあっても、命のある限りあなたを愛し、この誓いの言葉を守って、あなたと共ににあることを約束します。」


私は8年間ずっと想い続けたイザベラと今日結婚する。

8年前にであった彼女は、10歳とは思えないほど落ち着いていて、信じられないほど美しい心を持った女性だった。

自分が到底手に入れることのできない優しく澄んだ彼女の心が、欲しくてたまらなくなった。


イザベラの正体が異世界から来た方で、とても傷ついてきた女性だと知った。

彼女がこれ以上傷つくのを阻止したくて、友好国の婚約者だということが分かっていても囲い込んで彼女を守りたくなった。


彼女と接する度に自分の衝動が抑えられない程、彼女に夢中になっていくのかが分かった。



「私、イザベラ・ライトはあなたの妻となるためにあなたに自分を捧げます。そして私は今後、あなたが病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びにあっても、悲しみにあっても、命のある限りあなたを愛し、この誓いの言葉を守ってあなた共にあることを約束します。」


震える声で誓いの言葉を言うイザベラの黄金の瞳に、サイラス・ルイ23歳の顔が映っている。


イザベラと出会って初めて人に嫌われるのが怖いと思った。


彼女が私の戴冠式で私と結婚する気は全くないと宣言した時に、女性が16歳で結婚できるよう改正しようとしていた法案を慌てて18歳に訂正した。


歴史的結婚式は本来なら私とイザベラで挙げようと思って用意していたものだった。

イザベラと会ってから6年彼女を待てたのだから、あと、2年くらい待てると自分に言い聞かせた。


あの衝撃発言の次の日にはイザベラはビアンカ女王という友人の存在で王妃になる決意をしてくれたのだから、女性の婚姻年齢は16歳にしてしまえばよかったと後悔した。


私に初めて後悔という感情を教えてくれたのもイザベラだ。


イザベラを婚約者にした後も、優しく繊細な彼女は色々なことに悩んだ。

自分にできることを自分らしく取り組む彼女の姿に、私もみんなも惹きつけられていることを彼女は気がついているだろうか。


フィリップ・サムがイザベラに一目惚れしたことには、最初から気がついていた。

女神のように美しい心を少女の姿に隠していたイザベラは、今では一目で人を惹きつけてしまう美しい女性になっている。


イザベラは、世界一羨まれる境遇に生まれた彼の苦悩に気がつき彼をルイ国に受け入れたいといった。

彼がイザベラと関われば、彼女の本当の価値はその美しい見た目に隠された海のように澄んだ心だと気がつくことは分かっていた。

きっと彼も私のようにイザベラに夢中になるだろうとは予想がついていた。


彼は長子相続に異議を唱えることもなく、自分より資質も劣る兄レイモンドに長年尽くしてきた非常に理性的な人物だ。


同盟国の次期王妃であるイザベラに好意を寄せたとしても、それは永遠にうちに秘めておくだろうと思った。

人が何を考え思うかは自由で、それを行動に移さなければ問題はない。


しかし、予想に反して彼は私に隠れてイザベラと街中デートを決行した。

昨晩、彼がイザベラに告白までしてた事実に気がついた時は不安になった。


理性的で人格者で自国の好感度も抜群のフィリップ・サムは実はとても危険人物だった。

ルブリス様を帝国行きという名の島流しにした行動から、私は恐ろしい事実に気がついたのだ。


彼は兄であるレイモンド様も帝国行きという名の島流しにしている。


つまり、彼は温和で謙虚な王子様の印象とは裏腹に身内にも容赦のない人物なのだ。


今まで恐れることなく23年生きてきて、初めて漠然とした不安に襲われた。

唯一無二の愛おしい人イザベラを取られるかもしれないという言いようのない不安だ。


昨晩は8年も我慢してきたのに、初めての不安な気持ちに侵され衝動が抑えられなくて彼女を求めて断られてしまった。


彼女の心を侵略し征服したいと思っても、なかなかうまくいかない。

他の人間もどんどん彼女の唯一無二の魅力にに吸い寄せられていく。


彼女の心を独占したかったのに、逆に自分の心が彼女に侵略されてしまっている。


でも、今日からイザベラは私の妻だ。

私だけが彼女を公に愛する権利を持っている。


「イザベラ、あなたを全力で幸せにします。そして、あなたは世界一独占欲の強い男の妻になったことを覚悟してくださいね」


私はヴェールをめくって、愛しくて私の心をいつも占有し続けるイザベラに口づけをした。






3部作になりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。面白いと思っていただけましたら、ブックマーク、評価、感想、レビューなど頂けるとありがたいです。

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