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25.イザベラ、こちらに来てください。

「ララアはフィリップ様とたくさんお話をしたのですね」


フィリップ様は自分はずっと演技をしていて、本音を明かせないようなことを言っていたがララアには色々な話をできているようだ。


「そうなのよ。一緒にいる時はほとんど私が話しているのだけれどね。彼が弱みを見せてくれると信用されてきているみたいで嬉しくなるわ」


私もサイラス様に弱みを見せて欲しいと思っていた。

彼は無敵な感じがして、私は自分ばかり頼ってしまっている気がする。

無敵な人なんているはずがないから、いつか彼が私に弱みを見せれるくらい私が強くなりたい。


「ララアがフィリップ様を心から想っているから、彼も安心してお話しできるんだと思いますよ」


「そうかしら、私は頼もしいフィリップ様を見るた度どんどん好きになるけれど、彼の気持ちはよく分からないの。でも、これから一生かけて私は気持ちを伝えてくつもりだし、一生助け合ってく同志として彼を支えてくつもりよ」


ララアが夫婦は同志だと言った言葉に本当にその通りだと思った。


「ララアは頑張り過ぎるところがあるから、辛い時はフィリップ様に伝えたり私に手紙を書いて相談してくださいね」


彼女は私と同じで内向的なところがあって、自分の中で抱え込もうとする。

きっと異国でこれからも新しい困難にぶつかるような彼女の支えに少しでもなりたい。


「頑張りしすぎているのは、イザベラでしょ。ちゃんとサイラスお兄様を頼るのよ。お兄様はイザベラのことを大切にしたくて仕方がないのだから、どんなことも解決してくれるわ」


サイラス様は確かにどんなことも解決してくれようとする。

明日から夢のような存在だった彼の妻になると思うと胸が高鳴る。


「私は頼り過ぎなくらいサイラス様を頼ってしまっている気がします。私も彼のことを支えられるようになりたいです」


「明日はイザベラが主役なのだから、私はこれで失礼するわね。おやすみなさい、イザベラ。今更だけど、私達、明日から本当の姉妹ね」

ララアは私の頬に軽く口づけすると部屋を出て行った。


私はサイラス様に無性に会いたくなった。

彼は明日からの新婚生活を満喫するために、今日は遅くまで仕事をすると言っていた。


まだ、彼は執務室にいたりするだろうか。


私は気がつけばベッド下の隠し通路から、サイラス様の執務室に向かって歩いていた。

行き止まりまで歩いて階段を見て気がついた。


「私ってば何をやってるのかしら、寝巻きだし、この上は本棚があるのだったわ⋯⋯」


私は自分が寝巻きのまま隠し通路を歩いていることと、執務室側の隠し通路の入り口の上には本棚がのっていることに気がついた。

青の背表紙の本を抜いて、忍者屋敷のように本棚を動かしてからでないとこの扉は使えないのだ。


「うう、恥ずかしい。何やってるんだろう、戻ろう⋯⋯」

私が来た道を戻ろうとした時、ふと上の扉が開いて眩しい光が注ぎ込んだ。


「イザベラ、眠れないのですか? こちらに来てください」

光の中に私の大好きなサイラス様の姿があって、彼の方に引き寄せられるように歩いていく。

階段を3段上がったところで、手を伸ばしてきた彼に抱き上げられた。


「まさか、イザベラが夜這いに来てくれるとは思いませんでした。遅くまで仕事をしていて良かったです」

サイラス様が私を抱っこしたまま、応接室のソファーに座る。


「違います。あの、急にサイラス様に会いたくなってしまって気がついたら通路を通ってました。どうして私が通路を通っていると分かったのですか?」


私は顔が火が出そうなくらい熱くなっているのを感じた。



「隠し通路は誰かが通ると、私の方では分かるようになってます。イザベラは以前もこの隠し通路を通ったことがありますね。私はてっきり赤ちゃんの名前に悩んだライアンが1人隠し通路に篭って考えに行ったのかと思ってました」


サイラス様の言葉に隠し通路を使った日がバレていることに慌ててしまう。


「ライアン様が隠し通路を知っていることを、サイラス様はご存知だったのですか?」


「はい、私が国王になった時の引き継ぎの際、父上が国王しか知り得ない通路だけれど、ライアンが昔ここで隠れて遊んでいたから彼にはバレてしまっていると言ってました」


「あ、そうですよね。誰かに隠し通路の存在がバレているかは、引き継ぎされて当然ですよね。」


「ふふっ、そうですね。ライアンは私が彼が通路の存在を知っていることを知らないと思っているのですね。どうしてそういう発想になるのでしょうか。子供の名前をアヤナ・ルイにした時も驚きました。一瞬イザベラの前世の名前が綾さんだったことを彼が知っているのかと思いましたが、古代ルイ語からとった名前だということでホッとしました。やはり、イザベラのことはできるだけ私だけが知っておきたいのかもしれません。独占欲が強い夫ですみません。0時をすぎました。今日がやっとイザベラと夫婦になれるのですね。それからイザベラ18歳のお誕生日おめでとうございます」



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