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21.あの時の恋する気持ちが蘇ったのです。(フィリップ視点)

イザベラ様の空気の読めない発言に思わず引いてしまった。


ライ国は国王陛下まで来ていたらしいのに、よくそんな恐れを知らない発言ができたものだ。


ルイ国の戴冠式に随行したサム国の人間は、皆イザベラ様の演説が素晴らしかったと誉めていた。

演説は兄上の得意とするところだが、それ以上の歓声があったのが彼女の演説だったらしい。


どのようなことを話したのか気になっていたが、出身国のことを忘れたなどと予想の斜め上をいく発言をしていたとは驚きだ。


「ララア王女、私とあなたは会って3ヶ月程度です。どうして、そこまでの想いを僕に抱けるのですか?」


僕は自分もイザベラ様と出会って3ヶ月程度で、想いを打ち明けずにはいられない程の大きな気持ちを抱えているのを棚に上げララア王女に意地悪な質問をした。


「結婚するならば、私たちは同志になるので本当のことを話しますね。フィリップ王太子殿下は私の初恋の人に似ているのです。昔読んだ小説に初恋の人に似ている人に会って、恋に落ちる話があったのですが、本当にそのようなことがあるのですね」


ララア王女が結婚相手のことを同志と言ったことには心が動いたが、続いて言った言葉に僕は肩を落とした。


「まさかとは初恋の人とは、レイラ王女の婚約者のライ国のエドワード王太子殿下だったりしますか?僕は彼と同じ金髪のせいか、愚かな兄を抱えた弟というポジションのせいか分かりませんが彼と似ていると言われることが多いのです」


「はい、その通りです。お姉様にエドワード王太子殿下を取られてしまった時は、もう一生このような恋はできないし恋をするのが怖いと思いました。しかし、フィリップ王太子殿下を見た瞬間、あの時の恋をする気持ちが蘇ったのです」


彼女は結婚相手には本心を打ち明けなければいけないとで思っているのだろうか。

今、明らかに言わなくて良いことを言っている。

言わなくても良い余計なことを言うところは僕の初恋の人であるイザベラ様と似ている。



「ララア王女、その話は絶対に他の方にはしないでください。姉の婚約者で他国の次期国王に想いを寄せていただなんて告白は、国同士の争いの火種になりかねません」


僕はサイラス国王陛下の婚約者のイザベラ様に告白した自分を棚に上げて彼女を注意した。


「私がエドワード王太子殿下を好きだったことは、家族みんなが知っています」


「ララア王女、サム国の王妃になるならば、これからは発言を気を付けるようにしてくださいね。家族も決して味方だとは限りません。ルイ国とサム国は違います。ルイ国では国民を家族と考えていても平気かも知れませんが、サム国では国民はいつキバを剥いてもおかしくない敵だと考えてください。失言をしたら、それまでの積み重ねた信用は一瞬で失墜します。夫以外の他の男性に心を奪われたことがあることなど明かすのはもってのほかです。サム国の王族はたった一人の相手しか一生愛さないという理想を国民から押し付けられています。あなたは生まれてから死ぬまで、僕という男しか愛したことない演技をしてください。僕もあなただけを死ぬまで愛し抜く演技をします。ルイ国の一夫一妻制と、サム国のものは全く違います。求められるのは身体的な貞操観念だけではありません。精神的な貞操観念まで求められているということを自覚してください」


「私がフィリップ王太子殿下だけを生まれてから死ぬまで愛するというのは演技になりませんわ。私のエドワード王太子殿下への初恋は始まる前に終わっています。これから本当にフィリップ王太子殿下との愛の物語をはじめるとしたら演技ではなく真実にしかなりません」


「思ったよりも夢みがちな方で今少し不安になっています。最初に言っておきますが、僕の妻になると国民から想像以上に厳しい目に晒されると覚悟してください。立ち居振る舞いを完璧にしても、文句を言ってくる人がいるでしょう。何の落ち度もないのに揚げ足を取るように叩かれることもあります。たくさん傷つくことが多いと思いますが、その覚悟はありますか?ララア王女は王宮の廊下を寝巻きで歩くことがあると聞きましたが、それもサム国の王宮では許されません。部屋の外は常に監視されていると考えてください」


イザベラ様が寝巻きで歩いていた時も驚いたが、ララア王女はしょっちゅう王宮の廊下を寝巻きで徘徊しているらしい。


サム国の王宮でそのような真似をしたら、夜間警備の騎士から国民にあっという間に噂が広がる。

寝巻きで王妃が廊下を徘徊していると知られたら、品位が足りない王族らしくないと叩かれるだろう。


「大丈夫です。愛する人が側にいれば、私はどのようなことも頑張れる気がします」


僕の厳しい言葉に、想像していたよりも幼い返答をしてくる6歳も年上のララア王女が僕は少し愛おしいと思った。


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