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また一緒に参加しようね


 はじき出した答え。多分最適解だと思われる。


「えっと、消しますね」

「待って! あの、消さなくていいので後でその写真も下さい」

「いいんですか?」

「多分大丈夫なので。ハプニングも思い出になる写真かもしれません」

「そうですか……。わかりました。でも、送ったデータがダメだったら行ってくださいね削除しますので」

「ありがとうございます。そうしていただけると助かります。……あの、もう少しお時間いいでしょうか?」

「いいですよ」


 その後、数人単位で写真を撮り、代表の方と連絡先を交換した。


「お忙しい中ありがとうございました」

「いえ、こちらもありがとうございました」


 撮影も無事に終わり、そろそろイベントが終わる時間がやってきた。


「広瀬君、どうだった?」

「思ったよりも忙しいんだな。昼も食べないで写真撮っていたよ」

「広瀬っち、張り切りすぎ」

「かもな。でも、みんな一生懸命メイクして、衣装を準備して会場に来てさ。なんかその熱意がすごくて……」

「そうだね。みんな好きでコスプレしているんからね。もちろん私も好きだし」


 微笑む彼女はきっと心の底から楽しんでいるんだろう。

そんな気がした。


「あおばっ、あっちのデッキで撮ろうよ! 夕日がきれいだよ!」

「いいねっ! 広瀬君、今日ラストの撮影お願いできますか?」


 俺は笑顔で答える。


「もちろん。思い出に残る写真にするよ」


 差し込む夕日をバックに二人を撮る。

数枚撮影し、俺の初めて参加したイベントは終わりを告げた。


 ◆ ◆ ◆


「「お疲れ様ででしたー」」


 会場から出るのにも三十分以上時間がかかった。

着替えたり、メイクを落としたりコスプレイヤーのみんなは結構大変なんだな。


「いやー、初めてのイベントだったけど楽しかったね! あおばもすっごくかっこよかったよ」

「里緒菜もいい感じだったね。また一緒に参加しようね」 


 二人は今日の出来事を楽し気に話している。

俺は今日撮影した写真を見直しているが撮った写真二百枚以上もあり、すごい枚数を撮っていたことに気が付く。


 初めは白石さんと槻木さん。その後はお姫様や魔法少女、エルフ、制服のグループなどなど。

男性のコスプレイヤーさんの写真もあり、ノースリーブから見える腕の筋肉が美しい。


 特に俺の目が止まった男性の写真。この人のジャジャ立ちは俺も知っている。

ちょと前に連載していた漫画の特殊な格好をした立ち方だ。

アニメも作者の方も有名でアニメをあまり知らない俺でも知っているくらいだ。


 沢山の写真を撮り、沢山の人と交流持てた。

そして、みんな自分の好きな格好をして生き生きしている。


 どの写真を見ても、みんな目が輝いていた。


「広瀬君、楽しかった?」

「あぁ、楽しかった。思ったよりもたくさん撮ってしまったよ」

「そうみたいだね。広瀬っち、その枚数のレタッチ大変だけど、がんばってね」


 おおぉおおう! レタッチ! この枚数のレタッチですか!


「さ、さすがに全部は……」

「そうだね、その枚数はさすがに大変だね。私たちのは選んでレタッチしてもいいからね?」

「そうさせてください、お願いします」


 さすがにこの枚数全部をレタッチするのは不可能ではないけど、時間がかかる。

今日撮影させてもらったみんなに早くデーターを渡してあげたいし、レタッチはその中から数枚選んでもらうようにしよう。

うん、その方がいい。


「広瀬君、今度のイベントでも撮影お願いしてもいいかな?」

「もちろん。二人のお願いだったらいつでもいいよ」

「本当! 広瀬っち、次回もよろしくね!」

「ところで、次っていつあるの?」


 白石さんはスマホを操作し、何かを調べている。


「一番早いと二週間後かな」


 二週間! たった二週間しかないんですか!


「は、早いね。二週間後にもイベントがあるの?」

「イベントは結構開催されているの。次もよろしくねっ」

「ははっ……」


 微笑む二人はもう次のイベントの事を考えている。

たった二週間、俺はどこまでレタッチができるんだ?


「広瀬君。私たちの応募用写真、レタッチもよろくね」

「よろしくっ!」

「わかったよ。早めに仕上げるから」


 やることが多くなってしまった。

たくさん撮って楽しかったし、勉強にもなるけどイベント後も俺のイベントは続いている。

さて、がんばりますか!


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