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あー、ごっめーん!お茶こぼしちゃったぁー(棒


おはようございます^ ^

18時に投稿する予定を前倒しにし投稿しました…。


一章が変な終わり方してますが、とりあえず2章に入ってしまいました。

プロットみたいなのを再度作り上げている途中で気づいたのですが、このまま続けると主人公が登場できないままかなりの話数が進んでしまうなーと気づき、本来結果のみを書いて続かないはずのside 系の話を2章にも引き継ぐことにしました。それからこの世界は、現実世界に似た地名が登場しますが、仮想の都市や本来ない道も登場します^ ^

救援に向かった櫻井はどうしたの!?

一章の事件の全貌は!?

エリック生きてる?

老人の野望どうした。

ま、色々言いたいことはあると思いますが、それも2章か以降かの章に先延ばしです。

更新が遅くなりましたがこれからもよろしくおねがいします


※2章の始まりはまだ銃撃戦が始まる少し前まで時間が遡っています


では!



五味秋人は法律の授業を受けながら爆睡していた。

片耳にはイヤホンをさし、右手を枕にして机に突っ伏していた。

仲間が大変なことにあっているというのに、貴方はそんなに余裕ぶっていていいんですか?

と言ってやりたいが、あっ……こいつ未来が見えているとか言われているだけでただのマグレやろうだった。

おーい、聞いてるかそこ?

と聞く教師に

「はい!聞いてます!」

と突っ伏してヨダレを口元からダラリと垂らし白目を向いてブサイクさを増した顔で答える。まあ、なんと器用なことで。

寝言である。


が、教師はそれ以上突っ込むのは面倒なのか、それとも教師をちゃんとやってるよアピールでただ寝ているっぽい奴を指名したのかわからないがどうやら注意する気は無いようだ。

ちなみに世界の全ての人間が、秋人の素性を知ればこの授業をちゃんと受けろと100人中100人がいうだろう。


ぐーぐー寝ていた彼だったが隣で真面目に授業を受け一言一句聞き間違えないと言わんばかりにノートを書き殴っていた男の肘がぶつかってしまう。

だがノートを書くことに夢中になり隣にいた不真面目な少年のことなどどうでも良いというか視界にすら入っていなかった男はひたすらにペンを持ち続けた。


ぶつかったことに謝ればよかった。

が、謝らなかった。

そして男の運命は決まった。

さっきまでぐーすか寝て授業妨害をしていたくせに怒り心頭ぶっ殺すぞテメェと顔に書かれたような表情を浮かべる秋人。

酷い、いや、謝らない方にも少し原因がある気もするがイチャモンのつけ方が一流のいじめっ子のようだ。

素晴らしい手際で自分を正当化した秋人にはこれからしようとしている悪行に対する罪悪感などなかった。


垂らしたヨダレを放置して、左の口の端から少し漏れていたものはパーカーの袖で拭き取った秋人は授業中にもかかわらず、携帯を起動しLIMEで誰かにメッセージを打ち出した。

本人は上、下、横、後ろ、前と全方向から隠せていると思っているが、斜め後ろから見ると携帯を使っていることがバレバレである。

ついでに言わせてもらえば、プロジェクターを使って授業をしているこの学校では当然の如く講義室は薄暗く、液晶画面など使った日にはそこだけ明るくなってバレるのが落ちだということに気づいていない。

気づいていないのは使っている本人と隣で猛勉強しているガリ勉くんである。

ガリ勉くんというのは隣でガリガリと音を立ててノートを結構な筆圧で書き込んでいたから付けたあだ名だった。

秋人のネーミングセンスはちょっと昭和が入っているようだ。

ガリ勉くんは隣がモゾモゾ動いていて鬱陶しいから邪魔するなら教室から出てやってくれと思っていた。

いや、なんと常識人。

だが世の中は理不尽に満ちている。

正義が負け、弱者は弾圧される。

金がモノをいい、よってたかって自分達と違う者をいじめる。

面白ければ何をやってもいい……特にそう思いがちな年頃の少年達にとって"正当な理由"が出来た男は格好の的だった。

男は留年したのかそれとも編入したのか、高校からそのまま大学へ進学した秋人たちと4、5は年が離れているように見えた。

手入れされていないもっさりとした髪の毛に、曇った眼鏡。

秋人は本当は人の事を言えないが、まさに棚に上げたように、ガリ勉くんの服装をオタクみたいでダッセェと思っていた。

ブーメランだこのイキ者が!粋がってんじゃねーよ!と言いながら殴ってやりたくなる。

アマゾンに住む雄鳥の尾羽のような退廃的な髪型をして家畜のようにピアスをつけた顔面、意地悪そうなのが滲み出た笑顔。なんかムカつく奴である。

誰もが一度は考える妄想といえばテロリストが学校に来てそれを退治する、透明になってムフフなことをする、時間を止めてやりたい放題する、あとは超能力を得てヤンキーをぶん殴るとかだろうか。

おそらく秋人とすれ違う人達のほとんどは、超能力に目覚めて念力パンチで殴り飛ばしているだろう……妄想の中でだが。現実でやれば身体能力と凄まじいラックにより挑戦者は負けるだろう。

多分秋人は、グラビアアイドル並みに様々な人の中であれこれされているランキング上位に食い込める才能を持っていると思う。

あれこれの意味は少し違うが、そんなこと言わなくてもわかるだろう。


ガリ勉くんは先生の無駄話までもキッチリとノートにまとめ、同時に蛍光ペンを使いこなし綺麗にまとめて行く。

中学、高校時代はこういう奴は沢山いるのに大学入ると途端に減る中でこんなに真面目な生徒は珍しいだろう。

先生もこんな真面目に話を聞いてくれる生徒がいるならば頑張れちゃったりするだろう。

大学生の鑑である。

素晴らしい大学生のお手本といけない大学生のお手本が二人揃って座っているのは何か運命を感じさせる。

本来なら何も起こらない。


いや、その運命を五味秋人が変えた。


LIMEでメッセージのやり取りをしていた相手との話が終わったのか携帯をズボンのポケットにしまう秋人。

さすがに尻ポケットにしまうほど馬鹿ではない。

ワザとペットボトルの蓋を開けっぱなしにしたお茶を机に垂れたままになっていたヨダレを拭くついでにガリ勉くんの方に向かって倒した。


ビチャッ!


机に広がる琥珀色の液体。

チャプチャプと音を立てて、波打つように容器から流れ出す。

広がる液体は机に留まらずノートを水浸しにした。


は、ははははははははははは!!


心の中で大爆笑する秋人。

黒いノートで人を殺して黒い笑みを浮かべてるあの人に劣らない悪い笑顔をしていた。

お前が謝ればよかったんだ、お前が悪い。

心の中で呟いているが、例え腕がぶつからなくても自分からぶつけて難癖をつけていただろうによく言ったものだ。

それから食べ物は大切にしようと親に習わなかったのだろうか。

これは飲みm……黙れ。

食べ物を粗末にしたものは永遠に飢えに苦しめられるという地獄に行くらしいが是非今からでも行って欲しい。


お茶でひたひたになったノート。

書いている途中だった紙は柔らかくなり、止めきれなかったシャーペンの細い芯がページを破いた。

僅かに溶け出したインク、ジワリと沁みて文字が潰れ、懸命に書かれた努力の結晶は、ゴミへと変わった。


放心状態のガリ勉くん。

早く拭けば何とかなったかもしれないノートはもはや修復不可能。

先生も先生で保身に走ったようで見なかったことにしていた。

五味秋人本人は髪の毛を染めて大学生をエンジョイしているだけとか考えていたが札付きの悪として学内の生徒や職員から恐れられていた。

しかも、退学にしようともよくわからないが強大な権力を持つ組織から圧力がかかって出来ない。

色々な意味で恐ろしくなった経営陣は秋人を完全に無視することに決めた。

数ヶ月前に赴任してきた体育会系の融通が効かない正義感に溢れる教師が何故かロシア国境で密漁した犯人として拘束されたのをみて流石にヤバイと思ったのもあるだろう。

なんかヤバイ動きがある、アイツに関わったら生きて帰れない。

そんな奴と同じ学校に通わせられるか!と経営陣は親戚や友人、子供達を何だかんだ理由をつけてほかの学校に転入させたくらいだ。

それについては、何も言われなかったことにホッとしていたが職場を辞めることに対してはゴロツキを雇って脅迫を受けたものも多く、毎日ヒヤヒヤしながら、精神的にも命を削って職場に通っていた。かわいそうな教師達だが、慕ってくれている生徒を助けないというのも酷い話だ。

こういう場合、大概元凶よりも仲間を恨む。何故助けてくれなかったんだ!と。

いやいや、よく考えて欲しい。

被害を受けた貴方も可哀想だが、お仲間さんも人間だ。あまり危なさそうなところに身を突っ込むなんてやらない。

いくら口で助けるなんて言われても実際にやる奴なんてほぼ居ないし、いたとしたら聖人である。

今回の場合は教師がこれに当たる。

慕っていたのに助けてくれない。

チラリと見た先生は、非常に面倒くさそうな、それでいて憐れみを浮かべて何事もなかった化のように授業を再開したのだ。

なんで、どうして!先生、"なんかあったら俺を頼っていい"って言ったじゃないか。

自分の命惜しさに保身に走り生徒を見捨てた教師。

信頼して先生、先生と慕っていたのにもかかわらず無慈悲にも裏切られ絶望するガリ勉くん。


教師の方をジッと見ていたからチクるのかと思いきや無視されてうな垂れた様子を見て「いひひひひ」とドス黒い笑いを漏らす秋人。

何が面白いのか、非常に不愉快な事情であるが、秋人の仲間なのかそれとも傍観者気取りなのか。

何人かは項垂れ震えるガリ勉くんを見てニヤニヤ笑ったり、中には動画を撮影しているものまでいた。


いつのまにか机一杯に広がり、机からはみ出して置かれていたノートの端を伝って落ちる琥珀色の液体は絶望でもはや何も見えていないようだった。

垂れた液体は彼のズボンを濡らしまるで漏らしたかのような模様を描いて行く。


理不尽……今まで味わったことのないような酷い仕打ちに涙をにじませるガリ勉くんは、必死に泣くのを堪え代わりに顔を赤くした。




なんか理不尽な目にあうガリ勉くん。

次回もこの話の続きです。

ちなみに主人公のモデルはいます。

今まで出会ってきたヤバイと個人的に思っていた人達の特に酷い悪行を煮詰めた存在が主人公です。

自分のトラウマを面白おかしく書いて、ネガティブなイメージからなんだかんだ言って凄いじゃんと褒められるように書いています^ ^

ま、酷すぎて褒める要素が……。

胸クソ悪いシーンは次回も続きます。

悪い奴も案外関わってみると楽しいやつかもしれないなんてことありますし、す、救いはある?のかな……は、ははは。


では、へんな感じになってしまいましたが次回もよろしくお願いします^ ^>


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