魔法学校2日目
貴族である、ということを感じさせられた1日目。
まさか、天蓋ベッドが用意されてるなんて…!
驚いた…
部屋は、普通なのに。
場違いなベッドがドンッと鎮座していた。
あの衝撃は、忘れられない。
まぁ、快眠だったので、文句はありません。
強いて言うなら、クレイの寝る場所が狭くなってるのが申し訳なかった。
一緒に寝るのは、固辞されて無理だったんだよねぇ…
ベッドの事はさておき、今日は制服に身を包んで登校する。
ちょっと大きめの制服。一人で着ようとしたら、クレイが慌ててたので、最終的にクレイにお任せした。
まだボタンとか上手くとめられないから、ありがたかった。
昨日と比べて、クレイもわたしに対して緊張してないみたいで良かった。
大分甘やかされてるけど。
先回りしていろいろしてくれる。
昨日みたいにわたしがバテないように、抱っこして歩いてくれる。
疲れないのか心配だけど、クレイはニコニコしているし、わたしもそこまで体力はないから甘えることにする。
周りの人たちの視線は気になるけど、
わたしは子供、わたしは子供…
抱っこしてもらって問題ない、大丈夫
と自分に暗示をかけてなんとか乗り越える。
教室の扉の前で降ろしてくれる。
「ありがとう」
クレイにお礼を言う。
クレイは、ふんわりと笑って
「いえ。当たり前のことです。」
お世話になるのが当然だと思わないようこれからもお礼を忘れずにしよう!
あと、クレイの笑った顔が可愛い!好き!
クレイが教室の扉を開ける。
賑やかだった教室が、静まりかえった。
わたしは、思わずギョッとして教室への一歩を踏み出すのを止めてしまった。
「フィーネ、どうぞ中へ」
クレイに優しく促されて教室の中へ入る。
教室の中は、わたしより年上のフィーネと同じかそれ以下の人達がいた。
わたしを見て何やらコソコソと話している。
この反応に、わたしは慣れることができるだろうか?
貴族の娘ということで、物珍しいことは分かる。
それに、わたしは最年少の入学者。
稀少であることは確か……
クレイのように、わたしを受け入れてくれる人ばかりではないはず。
わたしは、拒絶される覚悟をしなくては。
そう思っていたけど…
教員からわたしの紹介が済んだら、すぐに授業が開始され、わたしへの批判も何もなく、すんなり今日の授業が終わってしまった。
同じ教室の人達は、いつも通り?に過ごしているよう。
わたしへの接触は、クレイ以外には無かったけれど。
クレイが席を外している時、フォローしてくれる人達ばかりだった。
嫌々やっている雰囲気でもなかったので、そこまで拒絶はされていないのだとホッとした。
クレイに抱っこされて寮へ戻る。
「初めての授業は、どうでしたか?」
「うーん。しることがおおくて、ちょっとたいへん。」
「そうでしたか。わからない所があれば、おっしゃって下さいね」
「うん!」
今日は、とても良く眠れそう。
部屋着に着替えて(クレイが手伝ってくれた)、ベッドに腰掛けて今日の授業を復習をした……
「あら…」
クレイがお茶を持って部屋に戻ると、ベッドでフィーネは眠っていた。
申し訳程度に置かれたテーブルに茶器を置き、フィーネが寝やすいように整える。
本日の授業内容をメモした紙が散乱していた。
クレイは、フィーネが勉強の復習をしていた途中で眠ってしまった事を察する。
「本日は、お疲れ様でした」
そうして、フィーネの魔法学校2日目は終了した。
プロット変更したため、筆が全く進んでおりません。