私はこの世界を憎む
掲載日:2017/12/08
私は この世界を愛している
世界は美しい
水も 空も 天体も
灰も 血も 生物も
みな 固有の波を持っている
無限色の世界の中で
一際 美しいものがある
それは 私に
ほとんどすべてを与える
それは 私にとって
陽光であり 救済であり 鏡面であり 麻酔であり
審問椅子であり 絞縄であり 傷であり 抑止力であり
それ以外のすべてである
私は それを愛する
この世界よりも
はるかに崇く
しかし それを識ってはならない
触れれば砕け 決して 戻らぬ
香気を吸えば喉を灼き 見つめれば目を潰す
識れば 心は侵される
なぜ
そのような理になったのか
なぜ 私は
このような心になったのか
しかし それを
忘却することも 破壊することも
変質させることも かなわない
ただ それと
融け合うことを 夢想する
渇望と 諦念と 焦燥と
終局の予感とともに
いつか 理が 変わるときまで
そのときが 訪れることはない
ゆえに 私は
この世界を憎み続ける




