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4-2.夢の中の少女

女の子が泣いている。うずくまり、肩を震わせながら、たった1人で。

おれはその子のそばに歩いて行き、なぜ泣いているのかと問う。

少女は涙をぬぐい、おれの顔を見上げる。そして、答える。

「大切な人を失ったから。」


それはだれのこと?と問いかける。

少女は少しためらいつつ、口ごもりながらもこたえる。

「私の、、、お兄ちゃんがね、死ん、、、、じゃったの。」


そのあと、少しだけ少女と会話した。

その子はお兄さんを隣国との戦いで失った。

その戦いはいまも続いている。いつも誰かが死ぬ。

だけど、その誰かのこともすぐに人々の記憶から消えてしまう。

少女は拳を握りしめ、力強く言い放つ。


「こんな国、なくなっちゃえばいいんだ。」


その子の瞳に宿る憎悪に既視感を覚えたおれはそっと視線をそらせる。

その瞬間に夢から目覚めた。


遠い過去の記憶、自分の中に蘇ったあの日の記憶の中の自分は、

夢の女の子とまったく同じ感情に支配されていたと思う。

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