2-3.ミーシャの夢
楽しい食事の後、俺とミーシャはレジスタンスの基地に
隣接する旧庁舎の塀に腰掛けて、ミーシャが作ってくれた
お菓子を食べながら、言葉を交わしていた。
「ねぇ、おにい。どうしてしばらく戻って来なかったの?」
「ああ、帝国軍でね、兵隊をやってたんだ。毎日魔族と戦ってたんだよ。」
「なんだか大変なんだね。おにい、いっつも戦ってるし。」
「人間が魔族に怯えないで済むように、俺たちは戦い続けなくちゃいけない。
マティアスも他のレジスタンスのやつらも、俺だってみんな同じさ。」
「おにいならきっとできるよ。すっごく平和な世界を取り戻せるよ!
それでね、おにいが、魔族がいない平和な国を作ってくれたら、
ミーシャはおにいのお嫁さんになるんよ。」
「おいおい、いきなりだな。」
おれはミーシャのはじけるような笑顔を受けて、
断ることもできず苦笑いを浮かべる。
こんなところをアリーに見られたら確実にロリコン認定されるが、
それだけは避けたいところだ。
「まあ、お嫁さんの話はありがたいがいまは保留として、2番目の夢ってあるか?」
「2番目かぁ、うーんとね、お菓子のお店を出したいの。」
「ミーシャはお菓子作るのうまいもんなぁ。
おれが常連になるから、開店するときは教えてくれよな。」
「うん、もちろんだよ。」
隣の女の子の笑顔が眩しい。この子は成長したら、絶対美人になるなぁ。
おれはそんなことを考えながら、妹分のようなミーシャを見守るのであった。