2-2.レジスタンス
温かいジャガイモのスープを飲みながら、
おれは膝の上で丸くなる少女を眺める。
「あんたまさか、ロリコンなの?」
さっそく、アリーがちゃちゃを入れてくる。
「そんな属性を付け足すな。昔の知り合いでな。
なんだか分からんが好かれてるんだよ。」
「やっぱロリコンじゃん。あんたいくら女に
モテないからってそれは危険過ぎよ?」
「いや、何でだよ。ってか、おれが本気出せばモテモテだからな?」
「まあまあ、二人とも。喧嘩は後にしよ。」
少しばかりヒヤッとする歓迎の後、俺たちは旧ガリアで
活動するレジスタンスと一緒に食事をしていた。
「よう、久し振りだな!マティアス!もうくたばったかと思ってたぜ。」
「あいも変わらず生意気なことを言いよるわ、このこわっぱが。」
「2人は知り合いなの?」
アリーは不思議そうな顔でおれに聞いてくる。
「ああ、おれは去年までここのレジスタンスで活動してたんだ。
そのとき、おれに魔法の特訓をしてくれたのがこのマティアスさ。」
厳しくもあったがなつかしい修行の日々を思い出し、少し心があたたかくなった。
「しかし、近辺の魔族はある程度刈り尽くしてから帝都に向かったはずなんだがな。」
「連中、最近になって異常に数が増えよってな。もしかしたら、
最上位魔族が現れるかもしれんぞい。」
「おいおい、まじですか!?先日、苦戦して何とか勝った相手と
再戦の可能性があるってことか・・・。」
「リネスよ、先日の最上位魔族討伐の報は、お前がなしたのか!誇らしいことだわい。」
「へへ、そうだろ。」
「おにーは、かっこよくてめちゃくちゃ強いんだぞー!」
目を覚ました少女は片手を上げてビシッとカッコつけようとしたらしい。
その拳はおれの顎にストンと入り、おれは目を回した。
「君元気だね〜。名前なんていうの?」
子供と相性良さそうなネリーが仲良くなろうと話しかける。
「私はね、ミーシャっていうの。よろしくね、お姉ちゃん。」
「僕は男の子だよ、ミーシャちゃん。」
「あ、間違えちゃった。」
ミーシャは神がかった女の子スマイルを向けてくる。
おれはロリコンではないが、彼女の笑顔を見てると何とも安らぐのだ。
「マティアス、それで戦況はどうなんだ?」
「幸いなことに死者は出ていないが、確実におされておるわい。
我々も拠点を統合して今はここにしか住んでおらん。
レジスタンスを途絶えさせないためにも、この国から脱出して
帝都に活動拠点を移すことも考えてるくらいじゃ。」
「それなら、ネリーが転送魔法使えるし、魔法で帝都まで行こうぜ。
わざわざ危険な外を出歩く必要はない。」
「ほう、そこのお兄さんはそんな高度な魔法も使えるのか。」
「てへへ。」
「あと、ネリーは、笑顔の破壊力がミーシャ並みにすげぇの。」
そこでみんながドッと笑った。