1章 はじまり 1-1.悪魔の目覚め
「失う」という選択肢しかない終わりゆく世界で、小さな可能性にかけて
「守る」ために戦い続ける人間のお話です。
昔流行ったようなRPGをイメージして世界観を考えました。
まだまだな部分もあり、何度も書き直すと思いますが、温かい目で見守ってください。
かって、この大陸には2つの大国が存在していた。
一方は魔鉱石と呼ばれる特殊な力を宿す鉱物から生産された兵器を用いて、
強大な軍事力で栄華を極めた独裁国家レムルス。
他方は剣術と魔術を組み合わせた魔剣術と呼ばれる戦闘術により
安定した国家として繁栄したルイド。
しかし、5年前、その2大国家はたった一晩のうちにこの世から消滅してしまった。
災厄の理由を、生き残った人々は口々に魔鉱石の暴走と話した。
他の国々は事の真相を確かめるべく、失われた2大国家の領土に調査団を派遣した。
各国はこの事態をそこまで重要視はしていなかった。
むしろ情報の真偽さえ疑っていたほどだ。
だからこそ、調査はすぐに終わるものと誰もが考えていた。
しかし、いくら待とうとも出発した調査団は誰一人として戻ってはこなかった。
その夜のことは、後世に『悪魔の目覚め』と呼ばれることになる。
悪魔の目覚めから数えて1年の間に2回の調査団派遣があったが結果はやはり、
誰一人として戻らないという悲劇が繰り返された。
やがて、大陸各地で謎の生物が人間を襲い始める。
人々は、その悪魔の無機質な姿や圧倒的な戦闘力、魔鉱石のように
真っ赤な目を持つ姿をおそれ、魔族と呼んだ。
かくして人間と魔族の戦いが始まったのである。
完結したら書こうとおもいます。