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プロローグ
戦場。 ――初めの記憶は炎、赫、悲鳴。地獄が如き、
私は何も思わない、いや、思えないのか。
大いなる神である父の思うがままに。人としてを、私は欠如している。どうか彼らに慈悲を。
か弱くて、愛おしい彼らに慈悲を
――本当は知りたかった。
人は、何が好き?
人は、何が楽しい?
人の、愛ってなに?
ああ、ずるいわ。お姉さま。同じ半神であったでしょうに、1人だけ知るなんてずるいわ。
どうか、今度の生は、人のものでありますように。恋い焦がれた、人のものでありますように。