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菜ノ花ゆり

5限目が終わる

とりあえず昼休みに顔出してねって書いて先生に渡してみたけどちゃんと届いたかな?あとついでに掃除も任せちゃったけど、これは先輩方がみんながたまたま先生に注意され居残り掃除しなければいけなくなりその時に初めて出会い仲良くなったというエピソードを参考にしたものだったりする。みんなで乗り越えて絆が芽生えてくる物だからね!うん!決して自分で掃除するのがめんどくさくて放置している間にあんな状態担ったわけじゃないからね!! 


「すごい綺麗になってる...」

5限が少し早く終わり時間があったから私は久しぶりに部室に出向いていた。 

なんと言うことでしょう数時間前まではゴミ屋敷だったこの部室が今はこんなに….

とかbef〇raft〇rとかで言われそうなぐらい綺麗になっていた。

でもそれよりも

「昔と一緒だ…」

一度机や椅子も綺麗にたたんで隅っこに置かれていたはずが昔の部室とたまたまなのか全く同じ状態になっていて思わず涙が出そうになった。ま

「またここに戻ってくる事ができたんだ」

廃部してからもう取り戻すことができないと思って諦めていたこの場所がまた自分の目の前にあるというのがすごいうれしくてたまらなく感動した。



でもまだ私を含めて部員は3人しかいないんだ。こんなチャンスがくるなんて思ってもいなかった。でも3年の私にとってコレは本当に最後のチャンスなんだ。絶対に物にしないと。


「でもそのまえに」

後輩が入ったときにやってやろうと考えて去年できなかったことができるんだ!

やっぱり歓迎しているという気持ちを込めたおもてなしをしたいよね!


部室にあるマイクなどの機材をあらかたセットし自分の声がちゃんと録音されて、なおかつ再生できているかの確認をする。


うん。機材も数ヶ月使ってなかっただけだし無事に動くみたい。


「よし!やるぞ!!」

マイクをもち去年自分なりに考えた音声を録画することにした。

「ようこそ?我が部室へ?」

あれ?なんかしっくりこないな。文章にされたらはてなマークとかついてそう。

「あーあーあー」

喉に手をあて軽く発声練習をしてマイクに向かう

「ようこそ!我が部っきゃ」

はりきりすぎて声がでかくなってしまったのかマイクからきぃぃぃぃぃぃんとすごい音が鳴り響いた。

あーもう、なんでうまくいかないかな~

こうして何度か失敗しやり直しを繰り返しているうちに初めてマイクに向かって台詞を入れたときのことを思い出してきた。


ああ、あの時も先輩達に迷惑かけたっけ、初めて声を録音することになったときものすごく緊張して何度も何度も失敗したのだ、その時は先輩達に見られているプレッシャーもあったんだけど。

でももう教わる立場じゃなくて教える立場だもんね

「よし!!今度こそ」

そしてしばらく試行錯誤が続いた。





「んーー?」

できあがったものの少しホラー気味な感じになってしまった。

でもこれなら少しホラーな効果音を追加で含ませることができればいい感じになるかも。



そしてさらに時間がたち全ての準備が整った頃には休み時間はとっくに終わっていて6限目が終わるチャイムがなっていた。

「あ、やっちゃった」

去年まではこういうことが良くあった。文化祭やどこかで発表をするときなどに昼休みに集まって試行錯誤しているといつの間にか放課後になっていたんだよね。

「あぁ、楽しかったなぁ」

今日先生に部員が増えるかもしれないという報告を聞いてからもう何度昔のことを思い出したんだろう。本当にちっちゃな事から隅々に渡るまでたくさんのことを思い出している。

三年になって部員が入ってこなくて廃部になったとき心の奥底にしまい込んだ記憶があふれ出してくるようでまた少し涙ぐんでしまった。





6限が終わってからホームルームまでの間に小西先生の所に連絡に向かっていた。今日は先生の教科が二つあって二つ目は6限の授業だ。一回も教室に顔を出さなかった私に先生は何も言わず連絡を受け入れてくれた。先生には助けてもらってばっかだったしいつかちゃんとお礼をいいたいな。

「さて、そろそろ隠れますか」

教室に入ってきた所を音声を流して少し不穏な空気にさせたところにどーーんと飛び出て驚かす作戦だ!!うぅ今から楽しみ。


「あけますね….」

ドアの外からかすかに声が聞こえてくる。

ガラガラガラ

(入ってきた入ってきた)

電気も消しているから私はたぶんうまく隠れてるよね。すごくテンションが上がってくる。一回きりだから成功させて思いっきり驚かしてやるんだ!!


カチ電気をつける音が聞こえてきた。


(いまだ!!)

「「ようこそ、我が部室へ」」

ごぉぉぉぉぉぉん

声の後に少しホラー気味の効果音が鳴り響く。


「ヒィ」

なんかすごくマヌケな悲鳴が聞こえてきた。

よし次はコレだ!!

ぱぁーーーーーん

クラッカーを使いこちらに注目を向かせる。まだ入部希望の子達の顔を見ていないけど盛大に驚いているに違いないはず!!よし!いっくぞーー


「ようこそ!!!!!!!!声劇部へ!!!!!!!!!!」

あれ??失敗したのか4人の表情がなんとも言えない感じになっていた。でも私は失敗した事には大して驚いていなかった。そう2人と聞いていたはずが4人もいるんだ。ということはもう部員が揃っていると言うことでいいのか?え?こんなにあっさり?いいの?


私が混乱しているなか部室に来た4人もさっきの演出でどう対応したらいいか戸惑っている中で誰もこの空気をぶち破る事ができずしばらくこの状態が続いた。


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