捨てていい雑念。捨てなくていい知識
第5話『捨てていい雑念。捨てなくていい知識』
御剣『タイムは?』
マリス『29分』
御剣『よっしゃー』
マリス『まだまだ…ここからが月滅剣の始まりだ』
……ん?
御剣『…なんだ。夢…か』
まぁいいや…とにかく雑念を捨てるだな
マリス『行け。』
御剣『…』
30分後…
御剣『タイムは?』
マリス『28分』
マリス『何で頬をつねっている』
御剣『少し…眠くて…』
うーむ…こっちに来てから予知夢は見なくなったか…まぁいいことだけどね!!
マリス『では、次だ。まず、月滅剣の基本は。ムーンスロットとムーンエナジーにある。ムーンスロットは1から10まで存在する。ムーンエナジーとは月滅剣を使うものの根本的なエネルギーだ。』
御剣『質問。ムーンスロットは上げれば上げるほど強くなるのか?』
マリス『違う。ムーンエナジーを上げてからムーンスロットを開く。そのほうが効率がいい。ムーンスロットとは力の制御のことであり、確かにお前の言うとおり、一定の力に達しなければ開くこともできない。が、ムーンスロットが高ければ高いほど強くなるのは間違いだ』
御剣『なるほど。そのほうが強くなれるのか』
マリス『ああ。まぁだいたいそんなところだ。だから、新たにムーンスロットを増やすというのは死にそうな時か、自分より強い相手があらわれてからにしろ』
マリス『では、今日はムーンバリアの練習からするぞ』
御剣『バリアか!!なるほどなるほど』
マリス『早とちりするな。ムーンバリアは遠距離の攻撃は間違いなく防ぐが、近距離の攻撃にはまるで意味が無いんだ』
5分後
御剣『なんで、滝の上に立つんだ?』
マリス『これからわかるさ』
御剣『なんか…嫌な予感がするんだけど』
ポンッ
僕は滝から落ちた。いや、落とされた…なるほど異世界では人を殺しても罪にはならないか。でも、変だな…僕の予知夢では…
ドスン
マリス『派手な音をして落ちたか…ムーンバリアーは使ってない…
まぁいいか…あいつには別の才能があるしな。』
マリス(やはり、あの方はパークティア大王の息子…)
翌日。
御剣『どうだ?ピンピンしてるだろ?』
マリス『ああ、ムーンバリアーは使ってないがな。』
御剣『はい?』
マリス『いいか?ムーンバリアは動揺すると消えるんだ。前々から滝から落とすと教えるとお前は動揺するだろ?だから直前に押したんだよ。お前が使ったのはムーンオーラだ。ムーンオーラは近距離の攻撃を半減させる役割がある。ムーンオーラは高度な技だ。今覚える必要は無い』
御剣『ふっふっふっ…高度な技を先に覚える。僕には素質があるのかな?マリス?』
マリス『知らん。いいから今はムーンバリアを覚えろ。』
マリス(お前に素質があるのは当たり前なんだよ)
マリス『ちょっと待て。お前はそそっかしいから先に教えてやる。ムーンバリアは海の中では消えてしまう。ムーンバリアは宇宙、放射能、海属性以外の魔法からはお前を守ってくれる』
御剣『100%?』
マリス『お前が動揺しなければな。』
御剣『そうか…動揺か…』
マリス(お前にはムーンオーラがあるからな。常人とは違うムーンオーラがな)
マリス『大体…基礎はこんな所か…明日からは実践にうつるからな』
後半へ続く
翌日
マリス『よし、今日は実践だ。とりあえずなんでもいいから私に一撃入れてみろ』
御剣『剣は?』
マリス『そらよ』
ひゅるひゅる
御剣『危ないな。真剣を投げて渡すなよ』
マリス『よく見ろ』
御剣『竹刀か…』
マリス『風が吹いてきたな…』
御剣『やめるか?…ん?風が止んだ…』
マリス(私が止めただけだ)
御剣『行くぞ!!面!!(と見せかけて胴だ!!)』
マリス『ふんっ』
御剣『目を瞑って避けた?』
マリス(瞑ったのはお前が構えてからだ)
マリス『いいか?今のような構えでは目を瞑っても避けられる。それにお前は竹刀を振る速度も遅い』
御剣『目を瞑ってるのになんで遅いって』
マリス『聴覚だ』
5分後
御剣『なんで。こう…簡単に…はぁ…はぁ…避けられるんだ…よ!!』
とっさに僕はマリスに蹴りをいれた
マリス『!!』
御剣『ガードした!!』
マリス『中々いい蹴りだ。向こうの世界の人間のレベルはしらんが…だが、それも向こうでの話だ。この世界では今のような蹴りは通用しない』
マリス(じい様の蹴りといい勝負だ。意外性に関しては大王より上か…)
マリス『風を止めたのはあいつのほうかもな…』
御剣『うん?なんかいったか?』
第五話終わり。